一般国道8号
赤田トンネル旧道
曾地峠
 第6部

2020年8月13日 探索・2020年9月19日 公開

遥か先の海へ

それでは、旧道を辿ってみる。道幅も広く、この道がいつまで国道だったのかは定かではないが、貫禄としては十分だ。画像にも写っているが、ここは電線が通っており、この管理道としての役割もあるようだ。そういえば、曾地峠も電線が通っていて、保守道としても使われていた。こういった旧道なら、電線工事しても交通を規制することもないだろうから、電力会社としても楽なのかもしれない。
・・・などと思っていると、前方右側に擁壁を見つけた。受ける雰囲気からすると、さほど古い擁壁でもないようだし、この右側の上を通っているのは現道なので、現道の建設時に造られた擁壁の可能性もある。ひとまず近づいて見てみよう。



と思ったら、その手前に結構古そうな擁壁を見つける。これだよ、これ。やっぱりこういったものを見つけてしまうと一気に雰囲気が盛り上がるし、じっくり見てしまう。道路脇は草に埋もれてしまってはいるものの、道幅は広いから、ここは歩道だったのかな?などと思いつつ擁壁を眺めてみると、左側の擁壁は新しく、擁壁上方の法面が施工されているのに対して、右側の玉石積みの擁壁の上の法面は無施工だ。なぜだろう?と思って上を見たのがチェンジ後の画像だ。御覧の通り、現道の橋が架かっている。なので、この擁壁と法面は上方にある現道の橋を架ける際に、橋台を作るために補強されたものだろう。滑ったとか崩れたということではなさそうだ。

右側の擁壁も、現道を作る際に造られたものだろう。取り立てて目ぼしいものはなさそうなので先へ進んでいくが、ここは画像を見ても様子が掴めると思うけど、結構な下り坂。麓の曾地の集落を目指して、ここは一気に下っていたようだ。道幅が少し狭くなり、コンクリートで舗装された路面も至る所にひび割れがあって結構傷んでいる。それに、今は正面に電柱が立っていて見えないが、明治天皇が行幸された際にはこの辺りから日本海が見えたかも。

右側に草で埋もれてしまった擁壁を眺めながら先へ進んでいく。相変わらず路面はひび割れているものの、ダブルトラックは健在。相変わらず急な下り坂で峠を下りていて、一つ前の画像と見比べて頂ければおわかり頂けると思う。今は下っているからいいものの、反対側の曾地集落の方から来ると当たり前だが上り坂になる。こんな坂が延々と続く峠道は、昔の車なら越えるのに一苦労したことだろうし、舗装もされていなかっただろうから、もうもうと土煙を上げながら大きい車体を揺らして登ってくるボンネットトラックの姿が見えるようだ。



ここまで来ると一気に視界が拓けて、道の雰囲気が明るくなった。路面もダブルトラックが無くなり、普通の路面になってきたじゃないか(相変わらずひび割れてはいるが)。いまだに使われている旧道。過去の道でも、こうしてきちんと管理されて現役で残っているのは嬉しい限りだ。チェンジ後の画像は同じ地点から曾地集落方向を望んだものだ。左側にはこれから通るであろう旧道の一部が見えているし、ここなら今でも天気が良ければ海が見えそうな気がする。ところで、この地点の左側は調整池になっていて、立入禁止になっているので注意だ。

少し先へ進むと、またも擁壁で守られた区間に出る。ここまで擁壁に守られている旧道は、少ない経験だがあまり見たことがない。だが、深い緑に守られた、非常に美しい道と言うことは間違いないと思う。少し立ち止まって眺めていると、今さらながらだが右側にパイロンを見つけた。近づいて見てみると…

おおっ!崩れている!

探索直前に雨が降ったことが原因だろうか。さほど激しい崩れ方ではないものの、これが後々大きい崩れに繋がるかもしれないと思うと、油断は出来ない。近年、雨による災害が頻発しているが、土砂崩れなどで旧道が失われないように願う。…でも、旧道って当たり前だけど、ほとんどの場合がそういった危険な箇所を通っているんだよね~。
だからこそ旧道になっているんだけど。


曾地の峠から結構下ってきた。もうすぐ曾地の集落に辿り着く(と思う)。
本当にここが国道8号だったんかな?と思ったりするが、その痕跡がないか注意しながら下っていく。

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