一般国道459号
当麻トンネル旧道
第3部

2019年12月14日・21日 探索・2020年1月27日 公開

※このレポートでは基本的に2019年12月21日に再撮影した画像を使用しますが、一部に2019年12月8日・12月14日に撮影した画像を使用します。このため、画像の印象が変わることがありますが御了承ください。 また、初回投稿時では12月14日探索としていましたが、再撮影した画像の日付に合わせるため12月14日・21日探索としました。

この看板を見てみると「飯豊連峰 実川登山口入口まで Uターン300m」とある。つまりここは、この実川登山口を通りすぎた人のためのUターン路のようだ。でも、それだけと言っては失礼だが、それでここまで大がかりなUターン路を作るだろうか?。まずはもう一度道形を確認して、歩いてみることにしよう。

最初の位置に戻って、改めて眺めてみる。う~ん…ここは最初からUターン路としての目的で造られたのではなくて、山側を急カーブで回り込んでいる左の道がもともとの道(旧旧道?)で、その急な道形を解消するために橋 (この橋は銘板がなかった) を架けて、道形を改良したんではなかろうか。路面のアスファルトを見てみると路面のひび割れから草が生えているが、左の旧旧道の方へひび割れが進み、草が生えている。これも「こっちが元々の道だよ」と道が語り掛けてくれているようで、実に面白い。

先へ進んでみて分岐点を確認してみる。道の雰囲気として、やはり左の山側を通っている旧旧道の方が本来の道のようだ。道端にある黄色い立て札のようなものは、おそらく電力会社の保安道の入口を示す標識だろう。これも、この道が今も管理されている理由の一つだと思う。さて、山側の道は左下に見える沢をボックスカルバートで越えているが、後に造られたと思われる直進の道の方は橋台を作って、PC桁で一気に越えていた。

旧旧道が沢を越えているボックスカルバートを眺めてみる。なかなか年季が入っており、構造としては近代のものなれど風格を感じさせる苔などが、その年月を感じさせる。ところで、ガードレールは暗渠の部分だけ上に上がっているのがご愛敬。ガードレールの支柱をそのままカルバートのコンクリートに打ち込むわけにはいかなかったらしく、その上に四角い棒状のコンクリートの構造物を造って、そこに支柱を立てる構造にしているようだ。実に面白い。

反対側から位置関係を確認してみる。右に分岐しているのが旧旧道だが、路面にダブルトラックが見える。旧道になって通行量が極端に減っても、普段通行があるのはどうやら旧旧道の方らしいが、それにしては路面に枯れはてた草が結構生えていたりして、今はほとんど通行はないのだろう。いろいろ観察しつつ直進の道がなかったころのことを考えると、ここだけものすごい急カーブになっていたことになる。こりゃ直進の橋を作りたくなるわな…などと思いながら立ち尽くしていると、今にも空が泣き出しそうになってきた。先を急ごう。

…と言いながら、すぐに止まって撮影している私だ(笑)
さっきの旧道と旧旧道の転回路を過ぎて先へ進むと道幅は非常に狭くなり、車一台が通るのがやっとと言う幅になる。ここ、現役だったころにはどうしていたんだろうか?。この国道459号は国道49号の補完路と言う性格があり、その交通量は49号に遠く及ばないものの、それなりの交通量はある。その交通量を、この道幅でどうやってこなしていたんだろうと言う気がするのだが…。ちなみにこの道幅は私の自転車2台分だ。その狭さがわかるだろう(笑)

ここまで来ると道幅は少し広くなって通りやすくなってくる。とはいえ、車がやっとすれ違い出来るかどうかの道幅だ。右側には阿賀野川が少し顔を出しているのが見える。一見すると、この道の直下に阿賀野川が流れているように見えるが、実際にはその間に磐越西線が通っている。つまり、左の山側の法面から阿賀野川へ斜面が続いていたところに、この国道459号と磐越西線を通したということになる。また、山側には強固な擁壁が続いている。ということは、ここは崖崩れの恐れがあるか、実際に発生した場所ということが考えられる。路面は枯葉が積もって荒れた状態になっていても、必要とされる道は最低限でもちゃんと管理されていて通行できる。やっぱり管理は大事だなぁ…などと思いながら進んでいると、コンクリート製から石垣に変わった左側の法面に…

なんだろう?これ

古くからある道には、道の脇にお地蔵様の祠があったり馬頭観音があったりするが、これらがある道が整備されて擁壁などが造られたりすると、お地蔵様や馬頭観音など元々あった位置がちゃんとくりぬかれ、そこに元通りに安置されている場合がある。これもそうなのかなと考えてみたが…中を見ると石が詰まっていて、そういう類のものではなさそうだ。となると、この穴は…擁壁の裏側に溜まった雨水などを抜くための単純な水抜き穴だろうか。


今まで進んできた道の距離からすると、旧道の終点はもうすぐだろう。幸いなことに雨はまだ降りだしておらず、今まで順調に進めてはいるものの、先に何があるかわからないので注意しながら先に進むことにしよう。

第4部へ