一般国道402号
角田トンネル旧道
色見隧道 第2部
2019年11月24日 探索・2019年12月30日 公開
海沿いに進む旧道
う~ん…この道幅の細さは、もしかして歩道だったんだろうか?。しかし、そうだとすると今度は広すぎる気がする。路肩側に今も残っている路肩保護施設(これはガードフェンスか?)は長年の風雨にさらされたお陰でいい感じで錆びているし、山側の法面には金属ネットがしっかりとかけられていて、今も落石を防いでいる。足元に生えている草はさほどでもなく楽に歩ける程度なので、気にせず周りを観察しながら進んでいける。じっくりと観察しながら進んでいくことにする。
実にいい感じじゃないか!
こういう旧道にありがちなのだが、狭くはないけど広くもない。実に微妙な道幅が、旧道らしい雰囲気を醸し出している。ここから見える海の景色は(晴れているということもあるのだろうが)非常に綺麗で、当たり前だが他に誰もいないのでしばらく独り占めだ。山側の法面をじっくり観察してみると、その面は非常にデコボコとしていて、普通の法面とはだいぶ違う気がする。私は地質には詳しくないので素人見立てなのだが、これは…火山岩かな?。
足元に目をやると、法面から崩れてきた岩塊の隙間に標柱が埋もれている。あまり見かけない標柱だが、これがあるが故にこの道がある程度管理されているのだろう。でも、道に広がる草がふわふわで気持ちいいのとは裏腹に、あちこちに転がっている石の大きさが結構大きい。現役時代は落石が多発していたかもしれない。
のんびり歩いていくと、法面の先に角田岬に立っている灯台が見えてきた。目の前に見えている路面の巨大な石は…状況的に、これは法面から崩れたものなんだろうが、こんな大きさのものがいきなり落ちてきたら、車が走っている現役の道路なら危険極まりない。法面と路面の間のなだらかさは、もしかして法面側から崩れてきた土砂の上に草が生えたものか。
青空に映える角田岬の白い灯台が美しい。ここまで来ると道幅は多少広くなるが、法面の落石は相変わらずで、あちこちに落ちた石が転がっている。路肩には潮風に晒されて腐食し、半ば崩れかけているフェンスが続いている。車が路肩から落ちないようにするには、いささか役不足のような気がするのだが…。路面の中央に突き刺さっている杭みたいなものは何だろう?。何かの工事の予定で設置されたものだろうか?
角田岬の白い灯台を左に見ながら進んでいくと、背の高い草に阻まれる。だが、量としては大したことはなく、そのまま正面突破できそうだ。今は季節が秋から冬に移り変わる時期なので草は冬枯れで枯れているが、これが夏だったらどうだろう?。もしかすると夏草で覆われているかもしれない。そうなると、今まで通ってきた路面の路肩が草で見えずに、危険な状態になるのかも。
右側にある小山を回り込んで、背の高い草の壁を突き進んでいくと、角田トンネルと色見隧道の位置関係がよく見える位置に来た。この旧道から見える状況では、現道の角田トンネルよりも色見隧道の方が道形的に自然なように感じる。魚見橋も色見隧道からすると後輩になるが、年季を感じさせる錆が浮かんでいる。また、ここまで来ると旧道の路肩側のフェンスはなくなってしまっているので、夏草の時期に通行するには足元に注意が必要だ。ちなみに、ここから海側を覗き込むと…
うわ~、高け~!
本来、高いところは得意ではないので覗き込まなけりゃ良いものを、怖いもの見たさでついつい覗き込んでしまう。これでふらついたりして踏み外したら、一巻の終わりではないか。もうすぐ12月になろうかと言う日本海は、本来なら白い波頭があちこちに立つ冬の海の様相を見せているはずなのだが、今日はおとなしい。例年に比べて気温が10度以上あり(確か12度くらいだった)、暖かいのも落ち着いている要因か。さて、画像は撮影したので、早々に視線を旧道に戻すことにしよう。
中央に突っ立っているのは現道の照明設備で、旧道は魚見橋の袂を横切って色見隧道に向かっている。少し左カーブを描きながら隧道に突っ込んで行く道形を取っていたようだ。また、ここから見ると色見隧道の坑門の右には黒い岩肌が見えているが、道を通すのにここだけ山を削り取って、そこに色見隧道の坑門を作ったようにも見える。
ここで振り返って、今まで通ってきた旧道を振り返ってみた。日本海と青空のコントラストが美しい。海の先に見えるのは佐渡である。旧道で色見隧道から出てきて間瀬方向へ進んでいくと、このような景色が見えていたのだろうか。先ほど見た角田岬の白い灯台が映える景色も美しかったが、この景色も非常に美しい。ここに夕日が沈んでいく風景は絶景だろう。
旧道から出て、現道の魚見橋の袂に出て来た。ここから色見隧道の入口を眺めてみると、やはりこちらの方が自然な道形だ。色見隧道の坑門の右に見えていた黒い岩肌も、ここからだとハッキリ見えるが、やはり色見隧道の坑門へのアプローチ部分だけ岩盤の一角を削り取って、そこに無理やり隧道を貫いているような道形が、非常に萌える(笑)
さぁ、いよいよ色見隧道とご対面だ。封鎖されているので隧道の内部へは入れないが、坑門を眺めるだけでも旧道の雰囲気を掴むことは出来る。この道が国道へ昇格する前の県道時代はどんな道形を取っていたのか。どんな人たちが通っていたのか。想像力を膨らませながら進んでいくとしよう。