一般国道290号
人面トンネル旧道
人面峠
2020年7月24日 探索 2021年2月26日 公開
一般国道290号。起点は新潟県村上市、終点は新潟県魚沼市、途中の経過地には村上市、岩船郡関川村、新発田市、阿賀野市、五泉市、加茂市、三条市、長岡市を経由し、魚沼市に至る一般国道である。当WEBでは「堰下橋」でおなじみの「名門(?)」の国道でもある。
その国道290号の旧下田村(現三条市)と旧栃尾市(現長岡市)との境にあるのが、この人面(ひとづら)峠だ。
人面とはなにやら物騒な名称だが、角川地名大辞典を紐解いてみると「地名の由来は不詳であるが,人面の語源は四人村(しとむら)・四人面(しとづら)という伝承があり,4人の百姓により開発された地であるためと考えられている。」とのことで、この名前にはさほど怖がることもなさそうだ。
では、ここでおなじみだが地図を見てみよう。地理院地図である。
私がこの峠を知ったのは、実は全くの偶然だった。仕事でたまたま国道290号を通って三条市から長岡市方向へ向かっており、その途中で通ったトンネルの「人面トンネル」の名前に聞き覚えがあったからだった。
それからいろいろな文献などで調査を進めていくと、すぐに「この人面トンネルに旧道の峠があるらしい」ことがわかった。そこで地理院地図を見てみると、このように今でも旧道の峠道がはっきりと記載されている(ただし、地理院地図の地図上に記載されている旧道の類は信頼してはいけない。記載されてはいるが、通行できないことがある。三坂峠がいい例だ。)。ここまではっきり記載されていると、今でも通れるもんだと思ってしまう。
ところで、この旧道を旧道にした「人面トンネル」は、御多分にもれず心霊スポットとして有名になっているようだが、実際に行くと私はそんなことはなかったと言っておこう。
と言うことで、ここまで調べたとなると、あとは実際に現地に行ってみると言うのが私の流儀と言うか、方法だ。今回もその御多分に漏れずに実際に行ってみることにした。
ここは現地。今、私は国道290号の旧下田村(現三条市)側に立っている。センターラインがある道の方が現道で、先へ進むと人面トンネルへ突っ込んでいく。ここが旧道の分岐点のはずなんだけどな…と言うことで、旧道はここから左に分岐して急勾配で山中に突っ込んでいる、微妙に細い道がそうだ。ここで、ふと左を見ると…
人面峠への入口だ。旧道の入口の傍らに、この標柱が立っていた。「人面峠入口」とある。
いい感じだ。こんな標柱が残っているのなら、今でもちゃんと通れるかもしれない。それに、古くからの人面峠が旧道の道筋そのものだったとも考えられる。なので、ここまでいろいろと残っているのなら、峠を越えて向こう側へ難なく到達できるだろうと思っていた。ここまでは。
旧道を封鎖していたであろう片側のポールが、物憂げに草にまみれて立っていた。ここに相棒として括り付けられていたであろうチェーンやロープの類は既に失われていた。と言うことは、この人面峠が通れるように開放されているのか、既に通れないから放って置かれているのか、正解はどちらかだろう。どちらにしても、私がここから進んで確認してみないと、今の旧道がどうなっているのかわからない。旧下田村側の旧道分岐点に車を停めて準備を整え、この旧道に突っ込んでいくことにした。
だが、この後。
最悪の事態が訪れることになる。