一般国道252号旧道
三坂峠
 第7部

2020年4月12日 探索・2020年5月22日 公開

振り返れば、アスファルト

前回の最後で視線の先にあった右カーブを回ってみると、こんな景色が。あまりのギャップにびっくりする私だ(笑)。
路面を枯草が覆っているのは変わらないが、こりゃどこが路面なんだろう。右側にある途中凹んだ箇所は、路面が崩れてるのか。う~ん…ひとまず正面の路面と思しき道を真っ直ぐ進んで、左カーブで斜面を回り込んで上り坂で次へ向かっているという感じだろうか。すると、これはまだ序の口か。まだまだいろんな意味で楽しませてくれそうな予感がする。

手前に生えていた灌木を潜って先に進む。途中、崩れていると思われた箇所は枯草の積もり具合でそう見えただけで、実際は崩れていなかった。だが、足元がフカフカしすぎて非常に歩きにくい。
ここを様々な交通が通っていた頃のことを思うと、最初の方の道幅の狭さなどいろいろあるが、なかなか景色がいい道だったんじゃないかと思わせてくれる。ただ、そういう道に限って災害が多く、後年になって新たにトンネルで峠を一気に貫くという場合が多いが、この三坂峠も同じだったようだ。

上の画像に見えていた左カーブを抜けると、まだまだ山肌に張り付くような道が続く。ここまで来ると灌木は少なくなってきて歩きやすくなってくるが、路肩防護施設が全くない上に積もった枯草で路肩の位置がわからなくなっているので、慎重に進まないといけない。…とは言うものの、この道を非常に楽しく歩いている私だ(笑)
足元の路面には瑞々しい色をした新芽の草が生えようとしてるし、路肩をよく見ると積もった草が少し盛り上がっているので、ガードロープか何かが埋もれている可能性が高い。ここはちょうど日陰になっているので、暑いしここで小休止することにした。

撮影機材を満載した背中のリュックを下ろしてノンカフェインのお茶で喉を潤していると、涼しい風が吹いて非常に気持ちいい。フカフカの路面に座って後を見ると、これまで通ってきた旧道敷の路面が見える。中央辺りに見えるのは、さっき通った時に見かけた、アスファルトの路面が見えていたところじゃないか。いやぁ、よく上ってきたもんだ。
路面の先には現道のロックシェッドの前に設置されている電光掲示板の後ろ姿が顔をのぞかせる。こうしてみると、やっぱり幅は狭いし見通しは悪いし、おまけに勾配はきついしで、この峠を越えるのが大変だった当時が偲ばれる。

日陰で休んで体力も少し回復したところで、出発しよう。今日は4月にしては気温が高く、日焼けするんじゃないかと思うほどの日差しで、休憩地点の日影を抜けるとすぐにこれだ。眩しくてしょうがないが、進む先の路面にアスファルトが顔を覗かせているのが見えた。こんなところにも旧道の証があって少し嬉しい。山側の路面には新芽の草が顔を覗かせていて、今は木だけになっている灌木からも新芽やら葉が出てくるだろうから、あとひと月もすると草のヤブになっていることだろう。

行く手を阻む灌木(笑)。ここは一見すると道幅が狭く感じるが、よく見てみると木やら草やらで狭いように見えるだけで、実際は対面通行くらいの幅はあったようだ。日当たりがいいので、路面からはここも草の新芽が顔を出している。画像の中央に生えている木に視線を奪われて見えにくいが、なんだか盛り上がっているように見えるのは気のせいか?。
ここまで来て崖が崩れたり法面崩壊などで「通れません」はなしだぞ。気のせいと言うことにしておこう(笑)

結論から言うと、やはり路面は盛り上がっていた(笑)。
どうやら法面が崩れて、崩れた土砂が路面に落ちて小山のようになっていた。しかし、小山のようになっていただけで路盤が崩れているとかじゃないので、乗り越えるのに私の体力がやや奪われた以外は特に支障なくクリアできた。が、そこにも地面には新芽がびっしりと。この旧道、本格的に春を迎えて草が伸びてくると、どうなるんだろう。そんな時期には通りたくないなぁ(笑)。
ところで、この画像はその路面の小山を乗り越えた後だ。しかし、ここも法面が崩れたことはあったようで、実際に通れる道幅はかなり狭い。だが元々の道幅は広く、対面通行できるくらいの幅は優にある。

少し進んで、先を眺めてみる。これ見よがしに先に見えているV字型に切れ込んだところが、三坂峠の切り通しの部分だ。見事なまでに「ここに峠があります」と自己主張している。あの位置に自転車を隠してあるので迎えに行かなくては。家から地理院地図をプリントして持ってきた地図によると、ここまでで全行程のようやく半分を過ぎたころだ。これまで順調に来れたが、ここから見える灌木の先に見える右カーブを過ぎると、そこには…!。

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