一般国道252号旧道
三坂峠
 第6部

2020年4月12日 探索・2020年5月18日 公開

灌木の林を抜けて、2番目の現道との合流点に辿り着く。ここからが本来の(と言うのは変な気もするが)三坂峠の始まりだ。それだけに、なんとなく「ここから」と言う気がして、気が引き締まる。
画像を見て頂くと一目瞭然だが、旧道と現道はこんなに接近していた。それこそ、その距離は10メートルあるかないかだが、道形が不思議なこの2番目の合流点の道はなぜ造られたのか、少し不思議だ。

いよいよ三坂峠の始まりだ。2番目の合流点を過ぎた旧道は、国道としてはかなりの急勾配で峠を目指しているが道幅はさほど広くなく、普通車がギリギリすれ違えるくらいだろうか。路面は枯草に覆われていてフカフカしているのはいいものの、いかんせん急勾配で歩くのも結構息が上がる。この道が現役の頃を考えると、ここは交通のネックだったに違いない。

道端に目をやると、側溝らしき溝が見える。これは現役時代からあるものだろう。先の方に視線を向けると、右の法面から灌木が生えまくっている。幸いに路面には灌木の侵食は来ていないが、それも時間の問題なのかもしれない。
ところで、この画像は視点を路面に近づけるためにしゃがんで撮影している。そのためなのか自身のお腹がつっかえて、苦しくて仕方がない。少しダイエットしないと。閑話休題。旧道の感触を確かめながら進んでいこう。

路肩を見ると、ポツンと取り残されたガードロープのアンカーの名残が見える。こんなところにポツンと取り残されて寂しそうだが、引っこ抜いて持って帰る訳にもいかず(もとより引っこ抜くことが出来ないが)、せめてその姿だけでもと思い、撮影して残すことにした。ここが旧道の三坂峠で国道だったことを教えてくれるこのアンカーの近くの枯れた下草を少しどけてみると、弛んだガードロープが隠れていた。

路面に視線を移すと、枯草の隙間からアスファルト舗装の路面が見えた。その路面の周りに降り積もった枯草から、鮮やかな緑の新芽が芽吹いている。積もった枯草が分解されて土になっているのかも。この少しだけ見えている路面は、ここまでの灌木の林と暑さで、やや食傷気味だった私を奮い立たせてくれるのに十分だった。
先ほどのガードロープと言い、このアスファルトの路面といい、そのいずれもが「ここが国道だった」ことを示している。こうなったら、絶対に完抜しなくては。足取りが軽くなる。

左が現道の三坂トンネル。正面に見える細い道が私が通っている三坂峠の道だ。あまりに細い道幅なので意外に思われるかもしれないが、実際かなり細い。左の現道を作るときに削られてしまったかとも思ったが、どうもそうでもなさそうだ。
左に見える青い構造物は三坂トンネルの坑口に設置されているロックシェッドの入口で、実質的な三坂トンネルの入口だ。対してひたすら山を登る旧道の勾配はかなりの急角度で、まさしく峠道の様相で峠へ向かって登っている。

角度を変えて撮影してみる。右側の法面には斜面を補強している擁壁が見える。路面や擁壁、路肩には崩れたり削ったりと言うような跡は一切見受けられず、これが実際の道幅だったと思われる。
いやぁ…でも狭いな。路面はここからも見える通り舗装されていたようなので、登坂には影響はなかっただろうが、いかんせん道幅が狭い。片側交互通行でないと通れないんじゃないかと思う。トラックとか、どうしてたんだろう?。

先に進んでみる。道の草や灌木の影響は少なくなって、路面のアスファルト舗装も見え隠れしていたりするが、それだけに道幅の狭さが俄然強調されてきた(笑)。
大きめの法面の擁壁に対して、この道幅なので結構な圧迫感を感じる。路面自体は穏やかで、のんびり歩いていてもハイキングコースかと見紛うほどの道なのだが、ここで考えてみよう。ここを車が通っていたとしたら…

狭い!(笑)

この狭さが峠まで続くのだろうか…。
いろいろと思いはあるが、次回に続く!。

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