一般国道252号旧道
三坂峠 第5部
2020年4月12日 探索・2020年5月14日 公開
ヤブを越え、行こうよ~♪
斜めに生えていた雑木林をかいくぐって撮影したのが、この画像だ。ここから見る限りでは穏やかな旧道に見えるが、それはさにあらず。この景色は「ムチとアメ」のアメと思っていただきたい。先に見える木陰の地点などは休憩するのに絶好の場所と思ったりするが、この先のことを考えてみるとそうも喜んでいられないだろう。もう少し近づいて撮影してみよう。
路面はしっかりしていて、それも結構な広さがある。灌木が生えてなければ、今でも現役の道のように思えるほどしっかりした道だ。どのような旧道や廃道をと通っても思うことだが、こうした道は現役を引退した後はハイキングコースなどにでもならないだろうかといつも思う。
でもねぇ…旧道でハイキングコースになったと言えば山形県西置賜郡小国町の片洞門がすぐ頭に思い浮かぶ。しかし、あの道も路肩が崩れたりして結局は通行止めになってしまって今に至る。旧道に災害はつきもの、だからこそ旧道になったとも言えるのだが。
上の画像で右カーブを曲がると、道は山肌に沿うようにすぐにヘアピンカーブと言ってもいいくらいの急カーブで左に曲がる。そのカーブの道幅はかなり広くなっているが、よく見るとそのカーブの内側(路肩)は崩れているようにも見える。だが、ここは「まだ」楽に通ることが出来るし、季節は4月の中旬。気温は多少高いが非常に清々しい空気が峠道を包んでいて、すごく気持ちいい。
ありゃ~…崩れてる
のんびりと歩きながら旧道の雰囲気を堪能してみる。現道が左側のすぐ近くにあるはずだが、非常に静かだ。この旧道に寄り添う川が崩れている路肩のすぐ下に流れているので、川が暴れた時に削られたものだろう。だが、削られた路肩に枯草が大量に覆って垂れ下がってるところを見ると、崩れたのは随分前かなと言う気がする。左下に見える草が生えたところが元の路盤だろう。そう思いながら、カーブの先を見ると…
うおっ!
なんだ、このヤブは!。とでも言いたくなるような、灌木のヤブじゃないか!。う~む、ナタとノコギリの出番だろうか。それに、山側の法面も多少崩れているような気がする。この区間は、三坂峠の中でも一番最初に旧道化した部分じゃないかと思われるので、人や車の通行が途絶えて何年過ぎたのだろうということを考えると、この荒れ方は仕方ないかなと言う気もするが…さて、どうやって通ろうか?(←引き返すということは全く頭にないヤツ)
ヤブを進んでいく途中、路面に大穴を見つける。こうした陥没などは旧道や廃道を通っていると珍しいことじゃないが、穴の上に周りの枯葉でも積もっていた日には存在が全く分からなくなってしまうので注意が必要だ。その予防の為に、こうした枯葉や枯草に埋もれた旧道や廃道を歩く際は、トレッキングポールで自分が進む先の足元の地面を突いて安全を確認してから進むことにしている。旧道や廃道を探索する際には、管理されている道路を通行する以外はすべて「自己責任」。今一度注意しなくてはと、気を引き締めて進む。…でも深けーなぁ、これ。
ザ・ヤブ(笑)
まったく!。どこを通っても引っかかるじゃないか!(笑)。
しかも、このヤブがいやらしいところは、斜めに生えている枝がやたらと多いってことだ。リュックにひっかかるわ、足を取られるわ、進むに進めずイライラする。ここはバトルアックス(←ナタ(笑))の出番か?と振り回してみるが、そうそう簡単には切れないので、結局は仕方なくかきわけて進むことになるのだ。
左側を走る現道から見ると、きっと灌木のヤブと格闘している私の姿が見えたことだろう。通報されないことを祈る(笑)。
ヤブのカーブ(←なんだかヤダ(笑))を進んでいくと、進路の先が明るくなってくる。おそらくだが、もう少しでこの灌木の林を抜けられそうだ。手元の地図で確認してみても、このカーブを抜けると現道と繋がる2つ目の入口の道路が見えるる地点に出る。そこから先は、今度はヤブよりも枯草が路面を覆う状態になるはずで、かなり歩きやすくなるだろう。
ところでこのあたりの道幅は非常に広く、対面通行出来そうなほど幅広い。目の前の灌木は春の訪れとともに芽吹いており、あとひと月もすると森になりそうだ。やはり、こういうところは冬枯れギリギリに訪れるに限る。
よし!抜けた!
思った通り、灌木もまばらになって非常に通りやすくなってくる。ここまで来ると、左の木の下を現道が接近しているはずだが、この木が防音の役目を果たしているのか(もちろん、そんな目的ではないだろうが)現道を通行する車の音が全く聞こえず、辺りは静寂に包まれている。聞こえるのは小鳥の囀りだけだ。
現道との2つ目の合流点はこの先の左側にあり、それを過ぎるといよいよ峠道。自転車が置いてある十日町市側の地点まで、まだまだ先は長い。気温も高くなってきた。体力とペースを考えながら進んでいこう!。