一般国道252号旧道
三坂峠 第4部
2020年4月12日 探索・2020年5月10日 公開
雑木林と格闘
前回、意気揚々として旧道に入っていった私は、冬枯れの枯草で覆われている路面でやや歩きにくかったこと以外は順調に進めると思った。少なくともここまでは。それがこの画像だ。これは前回の画像で先に見えていた、右カーブの直前で撮影したものだ。このカーブを越えると旧道は脇を流れる川に沿って進む線形となっているはずで、現道はこの崖の奥を走っていて、この川を橋で跨いで一直線に三坂トンネルへ向かっている。
旧道の路面には春らしく緑の草が芽吹いていて、一カ月もするとこの草に覆われてしまうことになるだろう。ここも冬枯れギリギリの時期に来ることが出来てよかった、などと思いながらカーブを回ると…
やっぱりねぇ…
そう甘くはなかったか。直前まで「順調に通れるのでは?」と一瞬思ってしまったが、その淡い期待は見事に覆されてしまった。カーブを回ると枯れた草木が一気に増え、法面は崩れてしまっていて、そのせいで路面が狭くなっている。
今日は長靴を履いているので足元に全く問題はないが、日陰でこの状態なら日が差す方はもっと「茂って」いるかもしれない。ヘルメットを被り、トレッキングポールも一応持ってきておいてよかった。足元の邪魔になる草や頭の近くにある灌木をトレッキングポールで払いながら進むことにしよう。でも、そんな中でも…
一つ前の画像にも見えているが、枯草や雑木の中で桜が咲いていた。今は4月中旬だが峠でもあり、標高が高いので平地より気温が低く、今咲いているのだろう。私は植物に詳しくないので確証はないが、これはお馴染み「染井吉野」だろうか。この道が現役だったころからここにあるのだとすれば、旧道がこの桜で迎えてくれているのかもしれない、と勝手に思ってみる。この桜は、何年ぶりに自らの花を見せてくれたのだろうか。
私を出迎えてくれた桜をひとしきり眺めた後は、また探索の再開だ。桜の先に見えていたカーブを回り込むと、右側の法面に施された強固な擁壁が特徴的な区間になった。右側の片隅にはまだ微かに雪が見える。この区間は旧道が味方してくれたようで、路面には下草も殆どなく歩きやすい区間で非常に嬉しい。これが続いてくれればいいのだが、そうもいかないだろうなぁ。今はひとまず、この平穏な雰囲気を楽しもう。
穏やかな道から、下に流れている川を覗き込んでみる。いやー、たけーなー…。もとより私は高いところは苦手なので、ここから見ているだけでも下半身がムズムズしてしまうのだが、川の脇の擁壁に見える苔の群れなどは年季を感じさせてくれる。
ここに来るまで旧道に突入する準備も含めていろいろと時間が過ぎてしまったので、ペットボトルのお茶と持参したクッキーで休憩していたのだが、ここはなかなか爽やかな風が吹いて涼しい。クールダウンしたら進むことにしよう。
おおっと!灌木の林だ!
と言うことで、休憩を終えて先に進むことにする…のはいいが、何だこの灌木の林は!。
わかりにくいかもしれないが、手前中央から右にかけてが旧道の路面だ。その先にある川を越えた先にガードロープが見えるが、これが現道だ。これを見ると現道と旧道は川を一つ隔てただけで対面しており、現道を走っていても旧道の路盤をはっきりと見ることが出来る。車で走っているときは、わき見に注意だ(笑)。
おお~、なかなかすごいじゃないか!。茂みの深さは、ここの前に探索した八ツ口旧道の終盤ほどではないが、路面に積もっている枯草の厚さがまるで違う。フカフカしすぎて非常に歩きにくいし、先の方には法面が崩れている様子も見える。だが、その崩れている部分を過ぎれば、穏やかな路面も見えるところが非常にいじわるだ(笑)
しかもこの灌木、路面から真っ直ぐ生えてるんじゃなくて斜めに生えてるし。こんな生え方だと避けるのに大変だ!と文句を言いたいところだが、それを言ってしまってあらぬ反撃を受けると非常に困るので、言わないでおいた(笑)
こんな調子だから、なかなか前に進まない。
だが、季節的には正解だったのは間違いなく、この調子でいけば前回断念した場所まで辿り着けるだろう。…たぶん。