新潟県主要地方道6号
山北朝日線
大俣橋・鍋割橋旧道 第4部
2022年3月22日 探索 2022年5月8日 公開
傾いた黄色い表示板の脇を抜けていくと蒲萄川に落ちそうなので、積雪が少ない山側を歩いていくと、背中を向けた表示板がまた路肩に見えた。内容は何となく想像は付くが、まずは安全第一。雪が途切れたところから前方を撮影したのが、この画像だ。
積雪の中を進んで来たので若干体力を消耗していることもあり、ここで小休止。持参したお茶を飲みながらあたりを眺めていると、雪で冷えた空気が暑くなった身体を冷ましていき、気持ちいい。旧道に入る前に目視で確認した旧道の全長と、現在の自分の位置を頭の中で比べてみると、もう少しで現道に辿り着くはず。慎重に進んでいく。
小休止の後、少し進んで振り返って撮影したのが、この画像だ。こちらに背を向けていた表示板は、案の定「路肩注意」の表示板だった。前方に見える背中を向けた表示板は、最初に見つけた「路肩注意」の表示板で、手前側の表示板と同じ角度で傾いている。
どうやらこの区間は現役だった時代から路肩が弱かったようで、それが旧道となって交通量が少なくなったのと、それに合わせて管理があまり行われなくなり、路肩の崩落が更に進行したのではないかと推理してみた。雪が解けたら、もう一度来ようか。
雪が積もった路面を進み、更に振り返って撮影してみる。
路肩が弱いところに存在する山側の擁壁。そこを進んでいる時には気づかなかったが、こうして離れてみると、強固な擁壁の内側は山側の斜面が崩れた土砂で一杯。そして、その真下にはあの「路肩注意」の黄色い表示板で区切られた区間、擁壁の手前の山側には、おそらくは場所打ちであろうコンクリートで覆われた斜面。この道が局所改良の対象になり、現道に切り替えられた原因は、おそらくここだろう。
この旧道のもう一つの分岐点、この探索の終点が近づいてきた。前方に見える積雪深を知らせる赤と黄色の棒が2本立っているのが見えるが、あそこがおそらく合流点だ。もっとも、本当の道筋はもっと左側に緩やかなカーブで接続していたはずだ。
この辺は積雪はさほどではなく、歩くのにも支障を感じない程度だが、接続点の手前に横向きで赤と白の構造物が何やら見えないだろうか。私の予想は当たっていれば、あれは通行を遮るバリケードだと思うが・・・。
この辺りになってくると積雪は膝くらいまであるだろうか。今までで最高に深く、最後の最後で非常に歩きにくくなってくる。赤と白の横向きの構造物は、思った通りバリケードだった。このタイプのバリケードは引き抜くことが可能で、ここも車が進入することを想定して、このタイプのバリケードにしたのだろう。と、ここでふと視点を右へずらすと・・・
おおっ!標柱だ!
四角くて頭が赤くて、姿形は小さいけれど、ものすごい存在感を醸し出すヒーロー。旧道廃道の探索者にとって、これが道端にあると勇気百倍。どんな栄養剤よりも効果があるもの。その標柱に刻まれている文字は、更に勇気をくれる「新潟県」の文字。
これが道端に存在していただけで「自分が進んでいる方向は間違ってなかったんだ」と確認することが出来て、その行先を示してくれる大事な道標。このサイトの名称「古の道標」は、普通に扱われるあの道標ではなく、この標柱のことを示していたりするのだ(←実は初めて言う)。
標柱に励まされて視線を進む方向に戻すと、忘れていた。紅白のコイツの存在を。私がこの探索を完抜するためには、危険を防ぐために忌々しくも進路を遮るコイツを乗り越えなくてはならない。とは言え、この積雪の状態ではコイツもあまりその任務は果たせないでいるようだ。
このスキに乗り越えて、さっさと先へ進むことにしよう(笑)。