新潟県一般県道393号
礼拝長岡線
沖見峠トンネル旧道
第8部
2020年5月23日 探索・2020年8月10日 公開
沖見峠トンネルを通って妙法寺集落へ向かう現道は対面通行2車線で道幅も広く、実に快適な道だ。画像の通り下り坂なので、自転車を軽く漕ぐだけでスピードが出るので、軽快に妙法寺集落を目指す。暑い日だったが自転車で進むときに感じる風が実に気持ちよく爽快だ。左側に立っている県道標識は、県道番号を記したヘキサの下に縦長で路線名称が表示されているが、このような県道標識は新潟県でもあまり見かけないので珍しく、思わずシャッターを切った。
現道を気持ちよく下ってきたのも束の間、ここが妙法寺側の沖見峠の分岐点だ。奥側がトンネル側、この交差点から右に見える小屋の方向へ入る道が旧道、左へ入る道が長岡街道時代の妙法寺宿に入る道で、ここは宿場町だった。もちろん、ここに現道が出来る前はこのような交差点はないから、旧道は右から左に通り妙法寺集落の中を通る、長岡街道そのもののルートを通っていた。
この画像は分岐点から右へ入る旧道の入口の様子を撮影したものだ。背が低く青い手前の看板は今回の探索のスタート地点でもある献上場への案内板で、広場(空き地?)に生える雑草の緑が非常に眩しい。
ここ、一見すると何もなさそうなただの原っぱだが、何かありそうな予感がしてよくよく見てみると…
ありました。
標柱が数本も!
デリネータはあるわ、標柱はこの他に2本ほどあるわ、県道であることを誇示するかのような空き地だった(笑)。チェンジ後の画像は奥側の標柱を撮影したものだ。「新潟県」の文字が誇らしげにこちらを向いている。この標柱、柱に意匠を施さずに直接「新潟県」の見字が彫り込まれているタイプで、のっぺりとした印象を受ける、あまり見ないタイプなので、思わず撮影してしまった(意匠が施されているタイプはこちら)。
それでは、ここから右折して旧道へ入っていこう。
旧道は町中を沖見峠へ向かって進んでいく。その方向は、地図の通り現道とは反対の方向へ進んでいくが、雰囲気は街道そのもの。長岡から柏崎へ抜ける重要な街道だったこの道のこの場所を、多くの旅人が通ったのだ。チェンジ後の画像は1枚目より少し先に進んだ地点の画像。ここだけ見ると単純に集落の中の道としか見えないが、さにあらず。標識は一切見当たらないが、旧県道だ。
先へ進むと、一気に長閑な道へ変貌する。ここだけ道幅が広くなっているのは、ここが離合場所なんだろうな。この付近は緩い上り坂。自転車で駆け抜けられないことはないが、この付近の青空と緑のコントラストが眩しくて、のんびりと自転車を押して歩いた。これも旧道を探索するフィールドワークの楽しみの一つ。
いいよねぇ、この風景
一般県道でも、こうした道が私は大好きだ。なぜかって?。地元にちゃんと密着した、実にいい道だと思う。確かに今はトラックは通れないし、軽トラでも離合するのに苦労しかねない細い道だが、街道の頃の旧き良き時代が、こうして今の風景を眺めていても当時が目に浮かぶ。ここは道の右側に一本だけ生えている低木が「箱庭」のような趣きで、実にいい。あの木陰で昼寝したい(笑)。
前の画像で前方左側に小さく見えている小屋は、もしかして昔のバス停の待合室の跡かなと思って、近づいて確認してみたが…どうやら違うようだ。そうだよね、峠付近のあの道幅の狭さとヘアピンカーブでは、バスは通れないよね。ということで、これは作業小屋だろう。建物の中には入らずに中を覗き込んでみると、中にも草が侵食してきていて、長いこと使われていないのかも?。
小屋から先へ進むと、ここに辿り着く。一見すると直進しかなさそうで、しかもその前方は草に覆われており、もしかしてヤブ漕ぎしなきゃいけないか?と頭によぎりそうだが、さにあらず。ここには右に分岐する道があって、それが献上場へ向かう旧道だ。
実はここは旧道(県道)と旧長岡街道が分かれる場所で、ここから見える分岐点と思しき場所に道標と標柱、それに旧道の入口でも見かけた献上場へ道を案内する青い案内板が見える。そして、ここを直進すると沖見峠のあの場所に出るのだ。旧長岡街道の探索にも心惹かれるが、今は旧道に集中することにして道標を確認だ!。
(この旧長岡街道は、後日探索する予定である)。