新潟県一般県道393号
礼拝長岡線
沖見峠トンネル旧道
第3部

2020年5月23日 探索・2020年7月21日 公開



(前回の続き)
これは前回のレポートの終盤の画像で、順調に息を切らしながら上り坂を自転車を押しながら上がってきた私は、このまさしくその通りのヘアピンカーブを見つけた途端に息を吹き返し、そのあまりの急カーブぶりに歓喜しながら(←変態(笑))上へあがっていく。チェンジ後の画像は、その登って行ったすぐ先のカーブに差し掛かる画像だ。1枚目の画像を見て頂くとわかるが、この二つのカーブの間は離れておらず、すぐ目の前にあると言ってもいい。



上がっていくと、予想通りまたまたヘアピンカーブ。山側の法面が多少崩れているようで、道幅は多少狭くなっている。また道路端の側溝もそのせいで埋まってしまっているようだ。ただ、崩れたのはかなり以前のようで、その斜面には草に覆われている。
チェンジ後の画像は、この連続ヘアピン(またはS字カーブ)の全景と言ってもいい画像だ。よほど短い距離で高度を稼ぎたかったと見える。今、私は自転車を押して上がっているが、登りで良かったと思った。刈羽村方向から上がってくるとここは下りになるが、下ってる途中の路面に所々落ちている杉の葉の落葉で自転車のタイヤが滑ろうものなら転倒して、転がり落ちていくかもしれない。

S字カーブを抜けると、穏やかな直線に近い道がしばらく続く。新緑に囲まれた道で実に清々しく、ハイキングコースにもいいんじゃないかと感じた。帰ってから調べてみると、実際にここはハイキングコースとしても地域のイベントが何度も行われているようで、なるほどそれも頷ける。
また、この道が未開通区間になっていたのは、さっきのS字カーブが原因なんじゃないかと言う気もしてきた。あのカーブでは通行できるのは、軽トラくらいじゃないかと思う。



先ほどのS字カーブを過ぎて、勾配も緩やかな道を進んでいくと、またまた道は森の中に突っ込んで行く。この辺になると路面に草も見られるようになってきた。相変わらず、右側の路肩にはデリネータが一本立っているだけで、転落を防止するような施設は「一切」ない。実に潔い(笑)。
チェンジ後の画像は、同じ位置に自転車を置いてみたものだ。この道の狭さがわかって頂けるだろうと思う。およそ2m程度の幅しかなく、多分私の自宅の前の小径とさほど変わらないんじゃないかと言う気がしてきた(笑)。
さて、ここから先へ進んでいくと…ねぇ、またカーブしてない?。まさか…



またかい!(笑)

…と、山の中でつい言ってしまったが、この後ずっと、私の頭の中で「おかあちゃん、パンツが破けた!」「またかい!」と言うダジャレがリピートしていたことはナイショだ(笑)。

先ほどではないものの、勇敢に斜面に立ち向かっていく道。これまでと同じように180度きっちりと方向を変えて、高度を稼ぐように登っていく。今回はカーブの外側の道幅が若干広くなっており、幾分回りやすいようになっている。チェンジ後の画像はカーブを回り切って更に登っていく道の風景だ。なんだか笑えるほどお手本のように登っていくので、思わず周囲を観察しまくっていたのだが、そうこうするうちに、ここもよく見ると道の先が…。まさか、またS字カーブじゃないよね?と言う予感が頭の中によぎったのだが…

路面もだんだん荒れ気味になってくる。車が通ったようなタイヤ痕はあるので、この道は今でも多少の交通はあるようだが、路面を薄く覆う土と苔に白線が埋もれてしまって消えかけてしまっている。道は更に急カーブで勾配を保ちながら、回り込んで登っているようだ。既にここでは乗ることを諦めた自転車を押しながら、先に進んでいくと…

うん!予想通りだ!

見事なまでのヘアピンカーブ。180度方向を変えてつづら折りで山頂目指して登っていく。このS字カーブの最初のカーブからすると360度キッチリ回りつつも、確実に短い間で高度を稼いでいる。二つのS字カーブで高度を稼いだ旧道は、峠を目指して進んでいく。

道端にこんなものを見つけた。画像がややブレ気味で申し訳ないがこれは標柱で、そこには「境界標 新潟県」とある。ただ単に「新潟県」と記してある標柱は旧道を探索していると結構見かけるものの、このタイプは初めて見た。だが、境界標であるには変わりなく、ここが県道であることを雄弁に物語っていて、ひっそりと道端に立っていた。今でもここが「県道ですよ」と言わんばかりに。

沖見峠までは、ここからさほど遠くないはず。木に覆われて暗かった空が、もうすぐ明るくなってくるはずだ。峠は近い。

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