新潟県一般県道393号
礼拝長岡線
沖見峠トンネル旧道
第6部
2020年5月23日 探索・2020年8月2日 公開
右カーブを過ぎると、さっきまでの明るかった道の風景とは少し変わって、山岳コースの様相になってきた。今まで道の周りが拓けていたお陰で燦燦と日差しが降り注いで非常に暑かったのだが、やれやれ、これで少し休めそうだ。探索の終着点まで、まだまだ先は長い。ここで体力回復することにしよう。
強すぎず弱すぎずの、休憩するにはちょうどいい日差し。ここで休憩することにする。ここは画像でもわかる通り道の右側が広くなっていて風が吹き抜けており、汗をかいた体に風が当たると非常に涼しい。自転車から降りて背中の重い撮影機材を下ろし、路面に座り込んで持参したお茶のペットボトルを飲むと、生き返るような感触だ。チェンジ後の画像は私と同じく休憩している自転車の画像で、彼も日陰で一息ついている。自転車の全長と対比すると、この道の幅の狭さがお分かりいただけると思う。消えかかった白線の幅を考えると、ここの幅員は2.5m前後くらいだろうと思われる。
私は水分を補給して休んで、自転車は日陰で一休み。吹き抜ける風を感じながら佇んでいると、今までなぜか聞こえなかった小鳥たちの声が聞こえてくる。ここでしばし佇んでお互いに体力が回復したところで、まずはこの旧道の合流点を目指そう。さ、出発!。ここから見える前方は暗くなっているが、森の中に突っ込んでいくということじゃなさそうだ。旧道を通っていると「路肩が崩れているかも」とか「法面が崩れているかも」などと、常に注意を払いながら進んでいくのだが、今回はそういうことはなぜか感じなかった。
適度に荒れてはいるものの、管理されているということが何となく感じられるからなのかもしれない。
予想通り、少しだけ林の中を進む(とは言っても路肩に杉の木が何本か生えているだけで、林とは言えないが)道になってくる。道幅は相変わらず狭いが、この道が県道として認証されていたことの証に、右側のデリネータに何かないかと見てみたのが、チェンジ後の画像だ。
そうすると、なんと!予想通りデリネータに「新潟県」の文字が!。これは、この道が新潟県で管理していたことの証だ。普通はこんなことは何でもないことなのだろうが(私も以前はそうだった)、この世界に入っていくと、こんなことが大きな発見だし、ここからその道の歴史が紐解かれることもあったりする。だからこそ、やめられないんだけどね。
山裾を(きっと等高線に沿いながら)進んでいく旧道。路面にところどころ杉の葉っぱが落ちていて、場合によっては滑るので、注意が必要だ。ここまで来ると、現道を通る車の音が随分近くに聞こえるようになってくる。この先、旧道は現道の沖見峠トンネルの坑口直上を通って合流するはずなので、その坑口直上を通る部分がどうなっているのか、実は興味深々だったりする。
等高線に沿って進んでいるような道を抜けていくと、こんな雰囲気の良い道の表情が現れる。ここは左から右に流れる斜面だったのだろうが、そこを削り取って道を通したような印象だ。また、先に見える左カーブの前方は明るくなっていて、標高も峠より随分下ってきたような感じがする。ここを明治天皇が行幸の際に通っていたら…山深い森の道で自然の美しさに感激されたかもしれないが…この道に車列はやっぱり似合わないかな。
それに妙法寺側の、あのヘアピンカーブは普通の乗用車で通るのに一苦労すること請け合いだ。そうなると道形そのものを変えなくてはならず…やっぱり通らなくてよかったな、と思った。
左カーブを抜けると、道は更に下りながら合流地点目指して一気に下っていく。路肩にはデリネータが何本か立っているが、この下はコンクリートで補強された斜面が続く崖だ。道幅が狭い上にデリネータもないのでは、ここをもし夜に通ることになったということを考えると(考えたくはないが、一応)、道幅の狭さと暗さで非常に怖い思いをすることになるだろう。
だが、沖見峠トンネルが開通するまでは、妙法寺と油田(あぶらでん)の集落を結ぶのはこの道しかなかったわけだから、そこには夜中に通らなきゃいけないこともあったと思う。…こりゃやっぱりトンネル必要だわ、とここでも妙に納得してしまった。
先へ進んでいくと、道はなぜか上り坂に転じて急に上がっていく。それに路面の様子もアスファルトからコンクリート舗装に変わり、道幅も自転車の全長よりも狭くなってきた。
何だろう?、この感じは。道から得られる印象が、ここだけ後から造られたような感じだ。ここだけ木々がなくなっていて路面に日差しが降り注いでいるので、これが冬になると凍結の危険もあるから、路面がコンクリート舗装になっているのかもと思ったが…どうもそれだけではなさそうだ。
縦位置で撮影してみる。青空に映える周囲の緑と、路面の灰色やオレンジのデリネータなど、コントラストが美しい。ここだけ見ると日差しはあっても涼しそうに見えるが、実際はそんなことはないことを断言しておく(笑)。
それにしても、どうもこう…何かねぇ。この妙な雰囲気はなんだろう?と思いながら、辺りを確かめるべく何気なく右を振り向くと、そこには…!。妙に納得する光景があった!。
ということで、以下次回!(笑)