新潟県一般県道393号
礼拝長岡線
沖見峠トンネル旧道
第2部
2020年5月23日 探索・2020年7月17日 公開
道端を見ると「境界標」なる標柱らしきものが見える。これはおそらく県道である路面と、周囲の山々の部分を分ける目的で設置されたものだろう。そういえば、ここに来るまでに「入山禁止」の看板をいくつか目にした。それに関連してのものと思うが、私の目的はもちろん旧道であるこの道なので、気にしないで進んでいく。
これは素晴らしい!。非常に素敵な道幅の県道じゃないか(笑)。この荒れた路面と極端に狭い道幅が非常にそそる旧道だ。おまけに、路肩を守るべきガードレールなどもない。路肩を逸脱するようなことがあれば、真っ逆さまに谷の底に落ちることうけあいだ。その分と言うべきか、周りの緑は非常に美しい。風景に見とれていて落っこちないように注意だ。
路肩に頼りなげに立っているデリネータを確認してみた。そこには、予想はしていたが案の定「新潟県」の文字が。やはりこの沖見峠の細い道は、現道のトンネルが開通する前の県道であり、通行不能区間だった。この道幅だと普通車などは通れないので、通行不能としたのだろう。でも、新潟県と刻まれたデリネータは、どことなく誇らしげだ。
とは言うものの!
相変わらず素晴らしい道幅と、そこから見える路肩の下の景色じゃないか(笑)。
しかも山側の法面の草の進出具合もそそられる。いいねぇ、この細さ!。今は舗装されてるからいいものの、これが未舗装だったら(明治天皇ご行幸の際は当然未舗装だっただろうから)、そりゃちょっと考えただろう。特に、ここは以前路肩が落ちた(崩れた)場所じゃないかと予想される。画像をよく見ると、路肩の斜面の一部分に草がなく、コンクリートで補強されているのが見えるだろうか。ちょうどデリネータが立っているところだ。
路肩から山の方に視線を移動すると、そこには西山の美しい山々の風景が眼前に広がる。この目の前に広がる風景の中に、日本の石油の祖と言われる西山油田があった。そこには、浦瀬の東山油田の方々ほどではないにせよ、この森深き中に生活する人々がいた。そして彼らは石油を採掘して生業と成し、今やその企業は日本を代表する石油元売り企業となった。
視線を道に戻して、先へ進もう。道は最初の献上場から続く上り坂でかなり標高を上げており、もうそろそろ峠が近いことを感じさせてくれる。今、撮影しているこの場所もわかりにくいかもしれないが結構急な上り坂で、自転車を押して歩いている次第だ。
おかげで周りの景色を眺めつつ、のんびりと坂を上ってはいるものの、相変わらず背中に背負っている重い撮影機材で、結構息が上がっていたりする。この先は左カーブかなと思いつつ進んでいくと…
来たね、おい!www
おっと、楽しませてくれるじゃないか(笑)。この見事なヘアピンカーブは軽自動車しか上がれないぞ。でもこのヘアピンカーブ、これから先でいくつか連続するとなると、ホントに車道だったんじゃないかって気もしてくる。だが、この素晴らしく見事な180度折り返すカーブと、細かく折り返しながら地味に上がろうとせず一気に高度を稼ごうとする急な勾配はどうだ!。
眺めれば眺めるほど、車道じゃない気がしてくるから不思議だ。急な勾配を上がっていて、自転車を押していてもやや息が上がってくるが、先に進むのが楽しみだ。
と言いつつ先へ進んでいくと、思った通り。消えかけた路側帯の白線がすごく素敵な道をこのまま先へ進んでいくと、きっとヘアピンカーブになるような気がするのは気のせいか。やや荒れた路面と、その路面の左の路肩に立ち尽くすデリネータが雰囲気を更に醸し出しているじゃないか(笑)。
これは期待出来るかも?…とワクワクしながら先へ進んでいくと、そこには…!。