山形県一般県道349号
鶴岡村上線旧道 笹根隧道

2023年10月14日 探索 2024年3月30日 公開

三姉妹の末っ子

2023年10月14日。
この日は鉄道の日で有名だが、この日私は新潟市を離れ、別の場所にいた。
ここは山形県鶴岡市。ここに「廃道と化した3連隧道がある」との話を聞きつけ、やってきたのだった。私は既に1本目の隧道である「荒沢隧道」の探索を終え、探索のベース地点となっている車に戻って、次のベース地点に移動していた。荒沢隧道の次は笹根隧道。この3兄弟の隧道のうち一番後で旧道化したのがこの隧道であり、3姉妹の中では言わば末っ子に当たる。その隧道がどんなものかワクワクしてきた。
では、ここで地図を確認してみよう。おなじみの地理院地図である。

国土地理院の電子地形図(タイル)に注釈を付記して掲載

右上に荒沢トンネルの姿が見える。前回はこの荒沢トンネルの旧道である荒沢隧道の探索を行ったわけだが、今回はそれに引き続き笹根トンネルの旧道である笹根隧道の探索だ。とは言え、その旧道の入口は非常にわかりやすく、ある意味で探索が「非常に」しやすい、道の探索が初めてに近いという方には非常におススメの旧道でもある。
もちろん旧道としても廃道としても、そこそこに楽しめる。ただ、ヤブ漕ぎはないので物足りないという方もいらっしゃるかもしれないが…(笑)

さて現地。ここから見て、もう既に心躍ってる方もいらっしゃるかもしれない。実は私もビンビンに心躍っている。
だが、ここは改めて言うことにしよう。

どうだい?この雰囲気
そそられるだろう?

ちなみに、今回のベース地点はまさしく旧道上。これがどこなのかと言うと、笹根トンネルの入口から右に入ったところだ。今回はここにベースとなる車を止めて、探索に向かう。とは言え、目の前に荒沢隧道の旧道が見えてしまっているので、新たな気持ちで探索に向かえないのが少々残念なところか(笑)

入口の紅白の柵の脇を通って、少し先へ進んでみる。
なぁんか、どこかで見た風景だなぁ…と思ったら、ここだった。ま、こんなに大掛かりじゃないけどね。現道時代はもっと幅が広かったであろう道幅。たぶん、対面通行するくらいの道幅はあったはず。今は草の侵食もあって、軽自動車が1台通ればいいだけの道幅になってしまっている。その先には高さ制限のバーと電光表示機器。いつも思うことだが、こんなところに放置されているこういった機器って、再利用できないもんだろうか。結構な値段のはずなのだが…。

さて、と思ってふと横を向く。と、こんな景色が目に飛び込んできた。山々と川が織りなす美しい景色だ。この道が現道だったころ、ここを通る人や車はこの景色を見ていたのだろうか。だとしたら羨ましい限りだ。しかも、手前の影とその先の光の景色のコントラストが素晴らしい。そういえば、先ほど荒沢トンネルの出口あたりでスノーシェッドに感激していたあたりから休憩を取ってない。休むことも重要、この辺で少し小休止。

どうもいけない。探索に集中してしまうと、そのまま突っ走って休憩も何も取らずに動くことが多くなってるような気がする。それは事故の元なので、適度に休憩を取らないと。ということで、後ろポケットに突っ込んでいたルイボスティーを取り出して飲んで一息。

なぁんか…だんだん狭くなってくるなぁ。高さ制限のバーと電光表示機器の位置までやってきてしまった。高さ制限のバーの制限値は3.7mとある。これが、この先にあるであろう笹根隧道の高さなんだろうな。なるほど、現代のトンネルと比べると確かに狭いわね。例えば土砂を積んでるダンプとかだと、通れないかもしれない。

山側を見ると、こんな風景が目の前に広がっていた。こうしてみると、間違いなく下草のヤブ。ここに入るには長靴が必要だな(入らないけど(笑))。
スタート地点からここまで少し辿ってみたが、これ以上入るなら真面目に長靴が必要だろう。その他にヘルメットも被ってないので、ベースに戻って一旦態勢を整えてから先へ進むことにしよう。

ヘルメット被って手袋装着、カメラベストを着て長靴を履き、ナタとスターターピストル、飲料水をリュックに入れて…

さぁ行こう!

第1部
「門型柱と謎の穴」へ