一般国道351号旧道
榎峠・比礼隧道
第3部

2019年5月2日 探索・2019年6月21日 公開

第2部では、ここまでご紹介した。今回は、これからさらに隧道目指して高度を上げていく道をたどることになる。相変わらず道幅は狭いが途中の各所に離合地点があり、通行するのに特段の不安はない。しかし注意は必要で、この画像を見ると、ガードレールの類がない箇所が結構ある。しかも、そんな場所に限って道幅は狭かったりするので、余計注意が必要だ。奥に見える左カーブを抜けると、道は急に標高を上げて・・・

見よ!この急勾配と急カーブ!

なんて素敵な道なんだ(笑)。
このカーブは下から登ってくると左カーブになっているが、これこそ180度回り込むヘアピンカーブで、その上に全く先が見えないブラインドカーブになっている。なので、一応カーブミラーはあるが、通行するには注意が必要だ。ちなみに上の画像から下を覗き込むと…

こうなっている(笑)

なかなか高いじゃないか。2枚上の画像の左カーブを抜けると、この画像の中央部付近に見える地点に出てくるのだが、その地点から撮影した地点までの距離は、さほどない。と言うことは、短い間に急に標高を上げていることがお分かりいただけると思う。・・・どのくらいの距離があるのかって?。計測していないので正確にはわからないが、200メートルくらいではなかろうか。

見上げると、こんな景色が広がる。青空と新緑の木々の色が眩しい。今は路肩に雪の気配もないが、国道だったころには雪で冬季閉鎖になっていたので(それが新榎トンネルが掘削された理由でもある)、今でも冬になると、街中で降る雪の量とは比べものにならないくらいに降るんだろうな。

急なカーブを抜けると、このように木立の美しい中を進んでいくが、相変わらず勾配は結構急である。この付近は自転車で探索したので、結構しんどかった。先に見える路肩の白いものは擁壁である。おそらくあそこの部分だけ崩れたのだろう。強固な擁壁でしっかりと補修されていた。

補修された地点がここだ。道幅は相変わらず狭いものの、ガードレールは一切ない。実に潔い(笑)。
ま、道幅が狭いと言っても、狭路のチャンピオンの県道506号に比べれば、まだまだかわいいもの。でも、皆さんはお気づきだろうか。この道は旧国道であるにも関わらず、幅員狭しの標識が一切ない。私は浦瀬町側から上がってきたが、少なくとも浦瀬町側にはなかった。この道を大型自動車が通行するとも思えないが、普通車でも立派に狭い道、標識はあった方がいいように思うのだが・・・

補修された擁壁。頑丈に補修してある。当たり前の話だが、この部分だけ崖に木が生えていないので、斜面の急さがハッキリとわかる。試しに下を覗き込んでみたら、先ほどまで道に寄り添って流れていた川が、ここでは遥か下方に見える。落ちたら一巻の終わりだろうな、ここ・・・。

道は多少荒れてくるが、それでもしっかりした舗装と、左端には詰まった側溝を掘り返して手入れした、土や枯葉のごみが見える。旧道とは言うものの、この道はしっかりと管理されているようだ。適度に荒れていて、適度に管理されているこういう道は非常に嬉しい。本来、旧道は自然のままの地形に沿って通されているのが普通で、それでどうしようもなくなった時に隧道なり橋なりを使って貫いているのが一般的だ。
だからこそ、私は古い隧道や橋に対して歴史的な美しさと工学的な美しさと、そこに存在する「何か」を感じてしまって、ついつい追いかけてしまうことになるのだが。

いい感じの道じゃないか。右側の、いかにも土を削ったかのような感じが実に良い。石垣ではないものの、これは開通当時から変わってないのかもしれない。もしそうだとしたら、非常に貴重である。道はさらに上りとなっていて、この道の雰囲気だともうすぐ隧道のはずだが・・・と思って、左カーブを曲がったら!

おおっ!比礼隧道だ!

でも…坑口が補強されてるなぁ。何かあったか?。でも、貫通はしていて(←当たり前だ)安心して通れそうだ。ちなみに、ここも非常に危険な心霊スポットとしてネットで紹介されているが、私はさっぱり何も感じなかった。至って普通の隧道と言った方がいいだろうか。

さぁ、いよいよご対面だ!。通ってみよう!

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