一般国道291号
東山トンネル旧道

2021年8月28日 探索 2021年10月12日 公開

2021年の夏。この年の夏も温暖化のせいか気温が上がって非常に暑い日々が続いていた、ある一日。8月も下旬になるが、いまだに暑い日々が続いて、汗っかきの私にとっては探索泣かせの、そんな一日。
私は新潟県小千谷市にいた。この日はここの探索の前に2カ所ほど下調べ的な探索を済ませてきていて、最後の探索がここだった。時刻は16時少し前だったが、夏だけに日が長くてまだまだ日没しそうもないので、ギリギリまで探索を続けようという魂胆だ。地図を見て場所を確認しながら現地に立つ。

地図を見ながら、今私がいる地点をお伝えすることにしよう。
地図中、中央の朝日川に沿って進んでいる、赤く着色されている道が国道291号だ。
この国道291号、起点は群馬県前橋市、終点は新潟県柏崎市。この間にある清水峠を越える延長約187 kmの国道であり、1885年(明治18年)に当時の国道8号として開通していた。この清水峠は険しい山岳地帯であることから車両通行不能区間(点線国道)が約15 kmも続いており、特に豪雪地帯でもある新潟県側の山岳区間は100年以上も放置された結果荒れ果ててしまい、登山者の通行すら困難と言う状況になり廃道同然となっている。だが、道路として廃止申請は出されていないようで、依然として国道扱いとなっているが、現在(2021年10月)の地理院地図では実質廃道状態の区間に対する国道色が消されている。
だが、今回の探索区間はそんな過酷な区間ではなく、普通に行って帰ってこれる区間なので安心して頂きたい。現地はこの通り、至って普通の山間部の集落にある旧道だ。

では、何故に私がこの旧道と思しき道に惹かれたのか。それは地図上の中央部にある東山トンネルの外側にある、旧道の脇の記号を見たからなのだ。御覧の通り、旧道と思しき朝日川に沿って進む道の脇は、崖の記号に取り囲まれているではないか!。
「これは何かあるかもしれない」
距離としては短いが、そんな期待に包まれて探索を行うことを決めた。今から思えば実に単純な理由だが、探索する理由なんてのは、ただ単純に「気になったから」。私はこんなものでいいと思っている。

ところで、私は今回のこの探索区間が目に留まったのもそうだが、それと同じくらいに激しくつづら折りを繰り返しながら標高を上げていく、黄色線で表示された県道も気になったので、この道は後日、しっかりと探索することにした。
探索する本人が楽しければ旧道だろうが廃道だろうが構わないし、その道を通って何かを感じて楽しめれば…ねぇ。

車は今回、この中央に見える黄色く着色された道が川を渡った直後の左側(川沿い)にあった、広い空き地に停めて、ここをベースとした。地図上では距離がありそうに見えるが、実際にはそんなに距離はなく、すぐにこの地点にたどり着ける。

実にありがちな旧道の分岐点が見えてきた。正面に見えるのが東山トンネルだ。旧道は御覧の通り右に分岐して、朝日川に沿って進んでいる。もちろん、私が進むのはここから右だ。旧道を前にしてこうして分岐点に立っていると、否が応でも気分が盛り上がってくる。時間は16時を過ぎているが周囲はまだまだ明るく、探索には十分な明るさだ。ここが今日最後の探索、何か新しい発見はあるだろうか。では、少しだけ旧道に入っていこう。

旧道のお手本のような分岐の仕方だ。ここを通りかかればほとんどの人はきっと「あ、こりゃトンネルの旧道だな」とわかるくらいの分岐とその雰囲気なので(笑)、まず見過ごすことはないだろうと思う。こうして旧道方向を眺めてみると、地図の等高線に沿った実に自然な道形をしているのがよくわかる。さぁて、カメラも持ったし、交換レンズも持ったし、水も持ったし…では!

探索開始!

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