一般国道113号旧道
川口橋

2021年3月4日 探索

とにかく、この国道113号は旧道が多い。特に新潟県岩船郡関川村から山形県西置賜郡小国町にかけての区間は、現道を走っていて少し注意深く見ていると「あ、これ旧道だな」と言う道があちこちにある。
現在の国道113号のこの区間は、元々は1885年(明治18年)に全通した荒川新道(あらかわしんとう。山形県内は小国新道と呼ばれた)がベースになっているが、多くの局所改良(以下、局改と言う)であったり、1967年(昭和42年)8月26日から8月29日にかけて発生した集中豪雨に伴う水害の「羽越水害」によって、災害復旧や改修を受け続けてきたという歴史があるからだ。ある意味、この113号は「災害国道」と言ってもいいかもしれない。
このため、この国道113号の関川村から小国町までの区間は、新潟県側は国土交通省北陸地方整備局羽越河川国道事務所、山形県側が東北地方整備局山形河川国道事務所が直接管理する、いわゆる「直轄区間(下記、枠内参照)」に指定されている。現在は、この区間の安定した交通の確保を目的に鷹ノ巣道路と小国道路と言う名称のバイパス道路の建設が進んでいる。

ところで国道を建設するのは原則として国(国土交通省)だが、一般国道の管理という部分で見ると、政令(一般国道の指定区間を指定する政令)で指定されている「指定区間」と、それ以外の「指定区間外」と分けられている。この「指定区間」は、おおむね路線番号が1桁・2桁の国道が指定されているが、2桁国道であっても指定区間外であったり、3桁国道でも指定されている区間もある。また、国道の起点から終点までの全区間が指定区間というわけでもなく、例えば国道1号ではほとんどの区間が指定区間に指定されているが、横浜市内および箱根付近では指定区間外となっている箇所もある。このように、指定区間は一般国道の中でもとりわけ重要な路線や区間が指定されており、この区間では災害時の復旧や道路の改修などの道路の維持管理において、国(国土交通省)が直接管理することになっている。この政令で指定された「指定区間」を「直轄国道」と言う。 これに対して「指定区間外」は、かつての二級国道の多くのほか、1993年(平成5年)までに国道に昇格した旧主要地方道・一般都府県道の三桁国道のほとんどが含まれ、管理は国から補助金を受けて各都府県と政令指定都市が行う。この「指定区間外」を「補助国道」と言う。 但し、北海道は道内の全ての国道を国土交通省北海道開発局が管理していることから、道内の全区間が指定区間になっている。このため、北海道内の国道は全路線が直轄国道ということになる。 (一部引用・参考資料・Wikipedia「一般国道」から)


それでは、今回の探索区間である新潟県岩船郡関川村の「新川口橋」の付近の地図を見てみよう。地図はおなじみ、国土地理院の地理院地図である。

国土地理院の電子地形図(タイル)に注釈を追記して掲載

赤線の矢印で囲んだ部分が今回探索する旧道だ。画面上部は越後関川温泉郷の一つ「雲母(きら)温泉」である。今回探索はしないが、113号の旧道は雲母温泉郷の中を突っ切る形になっていた。このため当然と言うべきか温泉郷の中を通る道幅は非常に狭く、1.5車線程度しかなかった道を大型車が通っていたのかと想像すると、よく事故が起きなかったものだと思う。

下の画像は、今回の探索のスタート地点は赤い矢印の左側の先端、国道113号の雲母(きら)交差点である。なお、今回紹介するこの113号の旧道は途中まで新潟県一般県道272号黒俣越後下関停車場線に指定されており、県道の道筋は川口橋を渡ってすぐ右に曲がっているが、旧道は直進だ。

私は関川村の上関方向からやってきた。これから山形県西置賜郡の小国町や飯豊町に向かおうとしている113号は、まずは正面の山々へ立ち向かうべく、目の前の峠に差し掛かろうという場所だ。雲母温泉街を通ってきた旧道はここで現道と交差、右側の踏切の方向へ抜けていく。

なお、今回の探索は機動性を考慮して、車と自転車を併用した。

それでは、探索開始!

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