一般国道113号
朝篠トンネル旧道

第1部

2020年5月2日 探索・2020年11月18日 公開

さ、いよいよ探索開始だ。この画像は旧道に入って間もなくの場所で、いかにも「旧道です」と言わんばかりの道が前方に続いていく。右側に見える電柱の更に右側には米坂線が走っており、道路の交通量も少なく、すぐ横に米坂線が並走するこの場所で列車にカメラを構えると、なかなかいい画像が撮れるんじゃないかと思ってしまうが、鉄道写真に関しては私は素人なので、あくまでも私の直感の話であることをお断りしておく。
また、右前方に見えるロックシェッドのようなものは米坂線の鉄道施設で、雪崩防止柵だ。あの位置に雪崩防止柵があるということは、この道も同じように雪崩に苦しめられたのかもしれない。



更に先へ進むと、このような交差点と踏切が現れる。米坂線を踏切で越える右へ続く道と、直進で左方向へ進む道。自転車を停めて地形図を確認すると、旧道はここで米坂線を越えて、その先で不動沢を跨いでいる。従って、正しい道は右。この踏切の名称は「大石踏切」でこの付近の集落名である「大石」から来ているものと思うが、ここであることに気づいた。直進方向へ進む道だが、この道は地形図に記載がない。しかも、この道を下ったところには田圃の記号があって、その位置から横川を渡った対岸には米坂線にぶつかって終わる二重線の道があり、その道を中心としていくつか建物の記号が描かれているが、そこへ繋がる橋がない。もしかしてこの道は旧道の旧道(つまり旧旧道)なのかとも思ったが、ここはまず旧道の調査を優先に行うこととして右へ進んだ。
チェンジ後の画像は、その大石踏切の様子だ。一車線幅の道が米坂線を越えている。一見すると町道の雰囲気だが、さにあらず。ここは113号の旧道だ。

踏切を渡るときに前方に見えた建物群は製材所で、敷地の中には立派な木材がたくさん見えた。どうやら盛業中のようで、林業も基幹産業の一つである小国町の姿を垣間見たような気がした。上の画像はその製材所の脇を通って(私道ではなく小国町道、つまり旧道だが)先へ進んだ場所だ。もちろん113号の旧道ではあるものの、ここも他の113号旧道の例に漏れず、潔いほど路肩防護施設がない。おかげで見晴らしが良いし解放感もあるのだが、夜は不安だ(笑)

これまでの道程を振り返って撮影してみる(もとより、そんなに進んでいないのだけど)。左の白くなっている木は桜で、この画像を撮影した時季は5月だが、この辺は標高が高いのでこの時期に桜が咲いている。美しい花を見せてくれて「この旧道へようこそ!」と迎えられたような気分になって(もっとも花はそんなことわからないだろうが)気持ちがほっこりした。こうして自然に咲いている草木の出迎えは、旧道を探索するものにとって非常に嬉しい。

さぁ、不動沢橋との対面だ!。…とは言えそんなに気負うものでもないと思うが、この旧道の数少ない見どころと言ってもいいこの橋はしっかりと堪能しなくてはいけない。一見すると何の変哲のない橋だが欄干が低く、今の橋では見られない形状だと思う。また、改めて見てみるとこの橋は親柱がなく、欄干がいきなり始まり、そこに銘板が埋め込まれている。まずはそこから調べてみよう。



欄干に埋め込まれている銘板を確認してみる。まずは向かって右側の銘板。金属製の小さいが風格ある銘板が埋め込まれている。銘板の周りにはセメントで補修した跡があって、銘板も含めてちゃんと管理されているようだ。チェンジ後の画像は左側の銘板で日付が刻まれていて、竣功年月日だろうか。昭和38年3月25日と刻印がある。
粗めの石が混ぜ込まれたコンクリートで造られた欄干は、角が丸く削れていたりして、風格を感じさせてくれる。

欄干を撮影してみる。この欄干は左側の欄干だが、ここでも粗い石で造られたコンクリート製の低めの欄干が目を引く。路面には白線が引かれているが歩道として歩ける幅ではなく、道幅ギリギリに引かれていたりして、昔の造りと言う感じだ。じゃ、反対側の欄干はどうだろう?と見てみると…

おおっ?!

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