新潟県主要地方道71号
小千谷川口大和線

木沢トンネル旧道 木沢隧道
第1部

2021年9月11日 探索 2021年11月29日 公開

いや~、なんて素敵な眺めだろうか(笑)。さて、それでは行ってみましょう!。
いやでも、その前にじっくりこの風景を眺めてみなくては(←時間がないんじゃなかったのか)。右側に見える現道の木沢トンネルは旧道の間際に掘られていて、2車線幅の対面通行になっているが、ここまでの71号の道幅は実は旧道の幅ほどしかなく、この木沢トンネルの付近だけ道幅が広がっているといった形だ。また、主要地方道であるにも関わらず極端に交通量が少ない。私がこうして撮影している最中も、なんだかんだと10分近くいたが、車は1台も通らなかった。

旧道に進入していくと、少しくたくたになったガードレール。そしてその先には結構くたくたになったガードロープが見える。そう、結局はどちらもくたくたになっているのは間違いないと言う、旧道にありきたりの姿だ(笑)。同じように路面も結構くたびれていて荒れているかと思っていたが、実際はさにあらず。意外だがさほど荒れてはいなくて綺麗な道だ。それなりに交通量はあるのかもしれない。

旧道左側にある少し拓けたところから見てみると、魚沼の見事な風景が広がっている。この付近は2004年(平成16年)10月23日17時56分に発災した新潟県中越地震の震央(震源地)に非常に近い場所でもあり、この風景も発災直後はどんな様子だったのか、想像に難しくない。深く首を垂れて、犠牲になられた方々のご冥福を心からお祈りした。

正直、ここに来るまでにいくつかの探索を行い、少し疲労気味でこの探索に入った。だが、魚沼の風景を見て当時に想いを馳せた今は、何か身体の中心にビシッと一本入ったような感覚だ。
震源地に近いが故に、現道の木沢トンネルも旧道の木沢隧道も被災。この2本の隧道やトンネルは、それこそ満身創痍の状態から生き返った隧道だ。それがどうなっているか、その「今」を伝えたい。だからこそ、心して探索しないといけない。
先に見えていた右カーブを曲がると、道幅は2車線の幅になって一気に上り坂となり、峠へ向かっていく。その峠の頂点には木澤隧道があるはずだ。センターラインは消えたのか、それとも元々なかったのか。それはわからないが、ここも地震で被災し、その復旧工事の際に舗装し直されたのかもしれない。

道幅は広いまま、隧道目指して一気に上がっていく。結構な勾配だと思うけど勾配標識もなく、どのくらいの勾配なのかはわからないが、確実に言えることは、結構急だ(笑)。最近、少しガタが来てるヒザにこの勾配はなかなか厳しいが、ゆっくり歩いて負担を減らすことにしよう。右側に見える森は深く、でも法面の部分だけ綺麗に刈られているのが印象的で、しかもその法面が非常に安定しているように見えるので、この道は昔から使われていたんじゃないかと言うことを想像させる。

左には何もない崖、右側は深い森。そう、山の斜面をなぞりながら標高を上げていくこの道は「風光明媚だが落ちたら終わり」と言う道。でも街灯も照明もなくても、さすがは主要地方道。ガードロープなどの施設がちゃんとある(結構くたくただけど)。ここから見える右カーブの左側(谷側)は少し広くなっていて、眺めるとかなり見晴らしがよさそうだ。

右カーブを過ぎると、道幅はいきなり広くなって山の稜線に突っ込んで行くような道形を取っている。地図を見てみると、この地点から右に林道が分岐していて、県道の旧道は直進で木沢隧道に突っ込んで行くはずだ。正面をよく見てみると・・・おおっ!確かに穴がある!。あれが木沢隧道の坑口か!。思わず歩く速度が速くなるが、ヒザのためにも逸る心をグッと抑えて、ゆっくり進んでいくことにしよう。

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