新潟県主要地方道6号
山北朝日線 旧巻澤橋

第3部

2021年9月25日 探索 2022年4月6日 公開

自分と同い年の旧巻澤橋を一通り愛でた後は、まだまだ先に続く道の跡を追跡することにした。・・・のはいいものの、進む前方は土の壁が立ちはだかっているかのように見える。それに足元の草も心なしか深くなっているように見えるし、ますます森の中に突っ込んで行く様相を呈しているようだ。まさか・・・この廃道は(地図上から抹消されているので旧道ではなく廃道に分類した方がいいだろう)ここからが本番なのか?!。

面白い!行こう!

まずは正面の壁の前まで行くと旧道はそこで終わりではなく、左に向かって急カーブで進んでいた。つまり、左側の杉の森の中へ突っ込んで行くような道形だったのだ。そこで、先を見ると・・・

おおっ!ナイス!(笑)

キタキタっ!こうでなくちゃ!。足元にシダが茂っているこの風景は、初期の頃に探索した「間瀬隧道」の風景を思い起こさせてくれるほど似ている、なかなかいい感じの廃道じゃないか。自分と同じ時に生まれた(建造された)橋に出会った後にこういう道とは、これはいけない。非常に萌える展開だ(笑)。
このまま進むとどこに出るのか非常に楽しみなのだが、そこには一抹の不安もある。今は足取りも軽い気持ちで(実際にはシダが絡みついて、足取りは軽くないのだが)先へと進んでいく。私の頭の中には、某アニメの「さんぽ」が流れていたことは言うまでもない(笑)。

下草を掻き分け、先へ進んでいく。
路面だったであろう場所に杉の葉が降り積もり、フカフカした感触で、こういった感触は先述の間瀬隧道の他に山ノ相川下条停車場線でも経験した覚えがある。これから進んでいく先には倒木も見えたりして廃道の雰囲気は満載なのだが、先ほどから私はこの道に一抹の違和感を感じていた。その違和感とは方角だ。私はここへ来る前に現道を通過してここに来ている。すなわち、現道が通っている場所と旧道が通っているこの場所の位置関係は、ある程度掴めるもので、頭の中に入っていると言うことだ。

私がいるこの場所からすると、ここから現道まではさほど遠くないはずで、このまま合流するのかなと思ったが、道の雰囲気からするとどうも違う気がする。現道には今の巻沢橋の手前に脇道が合流する地点はなかったように思うのだ。もちろん私が見落としていると言う可能性も無くはないが、車を停めた地点と、合流地点で思われる場所はさほど離れておらず、この時の私は進行方向左側を注意深く見ながら「どこに車を停めようか?」と思案しつつ車を走らせていたので、脇道がなかったことは覚えている。そうすると、この道はいったいどこで現道と合流するんだろう・・・?。悶々とした違和感を感じながら探索を進める。

じっくりこの場所を見ると、道の痕跡は豊かな下草に遮られて、まさかここに県道が走っていたとは想像もつかない。だが、この画像を改めて眺めて見ると、道路右側に見えている旧道時代に整備されたであろう綺麗に施工された法面が、ここが道だったことを今に伝えている。ある意味、失われた道の風景と言うのはこういうことを言うのかなと、考えさせられた風景でもあった。

いいじゃん!

わー(笑)。いい感じの道だ。足元のシダを掻き分けて踏みしめながら、てくてくと歩いていく。左側は崖、右側は山の法面、足元には草!、それに木々の間から見える眩しい空!(笑)。実にいい風景で落ち着くが、残念ながら休憩しようと言う気にはならない場所でもある。ここは素直に通って、いわゆる「アドベンチャー感」を体感することにしよう・・・としたのだが・・・

一応、旧道を追跡しながらここまで来ていて、ロストはしていない。だが、旧道の様子は御覧の通りの様相で、今まで以上に森の中を辿っている印象がある。いかん、ここで迷子になるわけにはいかない。私の頭の中ではジャイロが作動し、その結果だとこのまま進めばすぐに現道と合流する地点に到達するはずだが、目の前の風景には一向にその感じがない。ま、このまま進めば何らかの結果は出るだろうと開き直り、草を掻き分けながら進んでいく。今の天気は晴れているはずだが、それでも薄暗さを感じるこの風景は、一番印象に残る風景となった。

残るは現道に合流するだけ。でもなぁ・・・いったいどういう感じで合流するんだろう?。
謎を残しながら、次回へ!

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