一般国道49号 旧道
音無川右岸道
第1部
2019年3月10日 探索・2019年3月29日公開
その日、私は国道49号を新潟から走ってきて、津川の街並みを抜けて少し走ったところにある、三郷と言う交差点にいた。新潟側から来ると、この交差点を直進すれば福島県へ向かい、右折すれば旧上川町に向かう県道が分岐する交差点である。この三郷交差点を撮影したのが、下の画像だ。
画像中央を右から左に白い柵のようなものが走っているが、これは歩道の端などによく見かける防護柵で、この防護柵がある道が国道49号である。左が三郷交差点になるが、私は交差点より少し左に入ったところで撮影している。奥から手前に真っすぐ向かって来ている道が旧道で、現道とは歩道で仕切られていて、現道から旧道へ直接車が入ることは出来ない。ここから少し視点を左にずらしてみると…
…こういう景色になる。歩行者用信号が青になっているが、この交差点が三郷交差点。このアングルで注意して道路形を見てみると、ここから旧道が分岐していることが一目でわかる、非常に良い(笑)交差点でもある。
…え?。早く振り返って旧道を見せろって?。では、振り返ると…
ここからが旧道の始まり!
これが旧道なんて、とてもそうは見えないと思う。だが、大体はこんなものである(笑)
上の画像で、分岐している旧道は結構広いのかな?と思って振り返ってみたら、とんでもない。なかなかに狭い道である。この道が現役の国道49号だったころには、もう少し道幅が広かったのかもしれない。で、この道を奥へと進んでいくのだが、この途中は御覧のように道路外が民家になっており、私が通行中には居住者の方々も外に出ておられたため、撮影は控えておいたので、どうかご了承頂きたい。
ここから直進すると旧道は山沿いに沿うように進んでおり、上の画像の一番奥から少し右に振って、左カーブで山の中に入っていく。このころには旧道の右手の崖の下に音無川が沿うように流れているのが見えるだろう。
この後の画像はその左カーブの場所から撮影した画像なのだが、撮影したのは私が最初に訪れた、まだまだ雪が深い時の画像である。なぜ、時系列がずれているのか?。それは、今回訪れた際に私が勘違いして、撮影したものと思い込んでしまい撮り忘れたためである。だが、雪深い中の最初の画像だからこそ下草が少なく、私が皆さんに伝えたい存在がひと際目立って見えることと思う(←自己弁護)。
私が皆さんにお見せしたいその存在とは、これである。
中央に、何やら石塔のようなものが見えるだろうか。私もこれを見た時には、ただの塔か何かと思った。だが、このような場所に塔が建っていること自体がおかしい。手前は深い藪で、この時はトレッキングシューズでも長靴でもなく普通の革靴を履いていたため、この斜面を登ることは出来なかった。手持ちのカメラをズームレンズに切り替え、文字を確認してみると…
「馬頭?!」 もしかして!
そう、これは馬頭観音像である!。と言うことは、この道は旧街道!。この辺を通る道で旧街道と言えば、三島通庸が通した越後街道じゃないかっ!と言うことで、音無川右岸道編のプロローグにつながるのである。
しかし、立派な馬頭観音像だなぁ…。この塔がある後ろは道のようになっていて、一目見ると雰囲気満載の道のように見えるのだが、実は水路が通っていたりする。もしかすると後世になって通らなくなった道の部分に水路を通したのかもしれない。さぁ、これからいよいよ進んでいくことにしよう。
左カーブの頂点にから下を見ると、このような川が見える。これが音無川で、これから辿る旧道はこの川沿いをトレースするように進んでいく。雪解けの水が流れる音無川は清流で、川底が透き通るくらいのきれいな水が流れている。そこからふと上を見上げると…
雪庇防止柵(なだれ防止柵)が見える。ここは雪深い地域であり、近年は降雪量が少なくなったと言われるが、それでもメートル単位の積雪量になる。この道が現役だった頃は、今以上にかなりの積雪量だったことだろう。柵自体は錆びているが、今でも立派に現役で機能を果たしている。ただ、むき出しになってしまった山肌が痛々しい。なぜこのようなことになってしまったのかわからないが、これではいつ崖崩れが起きても不思議ではないだろう。ただ、地盤はしっかりしているようだ。
ほとんど役に立たなくなってしまったA型バリケードが傍らに残っている。道は舗装の上に枯葉や土が覆いかぶさっており、足元がしっかりしているため歩くのに支障は全くない。最初に訪れた時から2週間後で、この辺りではほとんどの雪が消えていた。今でも町道として現役で使われている道だけあって、整備はきちんとされているようだ。
歩いている途中でこのような穴を見つけた。中を覗いてみると水が勢いよく流れており、用水路のようだ。この用水路は旧道入口にあった馬頭観音の脇を通って三郷交差点の先まで流れており、灌漑用と思われる。中は素掘りで一部はコンクリで巻き立てもされているようだ。だが、これはこの道が旧道化してから造られたものと思う(道端にこんな大穴が開いていると、歩いていても危なくてしょうがない)。
崖に沿いながら進んでいく。右側は音無川である。道幅は、トラック一台分の幅くらいだろうか。軽自動車なら何とか離合できるかなと言うレベル。おまけにここまでは路肩にガードレールも駒石もないので、落ちたら終わりである。
先に見える左カーブを曲がると、旧道は森の中へ入っていくようだ。地形図を見ると、この旧道はこの先の花立と言う集落まで続いているようで、その集落を目指そう!。