新潟県主要地方道78号
大潟高柳線 尾神隧道
第4部
2021年6月13日 探索 2021年9月26日 公開
高さ制限の標識だ!
前回、遥か前方に標識を見つけた私は、それが何だろうと目を凝らして見てみると、高さ制限の標識だった。
道の様子だと、あの高さ制限の標識が設置されている地点が、おそらくは頂点だろう。つまり、峠と言うことになる。上り坂で、目の前には「いかにも」という感じの壁のような地形。それに、この道の幅の頼りなさときたら、もう(笑)。
しかも、妙に蛇行している路肩の白線が何なのか、実に興味がそそられるところだ。
この場所から眺めると隧道の坑口が見えないことから、目指す尾神隧道は片勾配の隧道のようだ。足元の路面を見ると舗装されているし、いきなり未舗装になりそうもない様子なので、水溜りなどで足が浸水することもなさそうだ(この日は自転車を使うことから、いつもの長靴ではなくトレッキングシューズを履いていた)。幅員狭小で未開通区間扱いになってはいるものの、そこは現役の隧道だ。ちゃんと管理されているだろう。
…と、急な坂を自転車を押しながら登っているので、すっかり息が上がってしまって、立ち止まって休憩しながら考えた(笑)。
一息ついて呼吸が落ち着いてきたところで、目指す場所まではもうそう遠くないので、ゆっくりと登り始める。呼吸を気にしなくてはならないとは、我ながら面倒な身体になったもんだと実感するが、ここに来るまでにすっかり汗だくになってしまった。少しは痩せただろうか(笑)。
閑話休題。
前の画像で左側の白線が蛇行していた理由は、離合場所でそこだけ幅員が広くなっていたためだった。私もそう思っていたし、読んでおられる読者の方々もきっとそう思われていたことだろう。
だが、そもそもの道幅が非常に狭いので通行する車はほとんどなく、果たして役に立っているのかどうかは不明だ。
チェンジ後の画像は、いよいよ標識が立っている近くに辿り着き、思わず撮影した高さ制限の標識だ。制限高2.0mの規制になっているが、最大幅の制限も必要なんじゃないかと思ったのは言うまでもない。
そして、標識を過ぎると…!
あった!尾神隧道だ!
おおっ!雰囲気満載のいい隧道じゃないか!。
思わず駆け寄ろうとしたが、また息が上がるのはごめんなので、逸る気持ちを抑えつつゆっくりと坂を上がっていく私だ。
標識を過ぎて隧道と正対すると、隧道の手前数メートルは道幅が結構広くなっていて、隧道に侵入する車の行き違いを行うには十分な幅があるように見える。但し、それも軽自動車までだろう。普通車ではここまで登ってこれないような気がする。
ここから見ると、隧道の手前に結構高さがある切通しがあるようだ。これもしっかり観察しなくては。
手前で見ても結構な高さがあるように見えた切通しは、実際に近くで見るとやはりかなりの高さだった。この切通しの上の地面の様子を見てみると、標識が立っている地点までの急勾配と同じ勾配で一気に隧道の上に抜けていて、この隧道の直上が頂上のようだ。そこを勾配の緩和を目的として作ったのがこの隧道で、だからこそこんなに高い側壁と隧道上の擁壁が出来てしまったのだろう。
いずれにしても、ここから見ても圧迫感はものすごいものがある。
…と、若干気圧されしているように書いたが、実際の私はそんなことはなく、ルンルン♪だ。さ、観察させてもらおう。
素掘りの隧道だが、吹付コンクリートでガッチリと固められた姿は、初めて見る者を圧倒させるほどの迫力だ。坑口も面白い形をしているようで、こちら側はいびつな、まるで一部が崩れ落ちたかのような坑口をしているが、ここから見える反対側の坑口は角が取れた四角形のような坑口をしている。
こちら側の坑口がいびつな形をしているのは、おそらく崩れたためで、その復旧工事の際にコンクリートを吹き付けたのかもしれない。V字型に切れ込んだ切通しの先に口を開ける隧道。その直上の壁もコンクリートで固められた姿は、大きな岩盤をくり抜いたかのような印象だ。
うわ~、なんかすごいな
何かはわからない。こういう時に何か気の利いた言葉でも出てくりゃいいんだけど、出てこないんだ。そんなもんだ。結局、「なんかすごい」と言う言葉しか出なかった。だが、ここまで来ると圧迫感はものすごい。
谷の奥に開かれたような印象で、よくもこれだけスパッと見事に切り下げたなぁ。
次回、いよいよ入洞!