新潟県主要地方道78号
大潟高柳線 尾神隧道

第3部

2021年6月13日 探索 2021年9月26日 公開

前回の最後で圧倒的な勾配を目にした私だ。若干ドキドキしながら先へ進んでいくが、このドキドキはあまりよろしくないものだと言うことはわかっている。だが、ここを上らないと隧道に辿り着けない。と言うことは、やはり上らないといけないだろう。それはわかってはいる。わかってはいるんだけどね(笑)。ところで、ここから見ると急勾配の坂道はすぐ目の前のように見えるが実はそうでもなく、そこに辿り着く前にまだ結構道程があるようだ。

こりゃ押して上がらないといけないなぁと思いつつ、のんびりと自転車を押しながら歩いていると、路肩のアスファルトが不自然な形に割れている。割れた破片が落ちたであろう先は、深い谷の底だ。
「こりゃあ落ちたな」などと思いながら思わずシャッターを押すが、忘れていた。自分が高いところが苦手だと言うことを。ファインダーにはV字型に切れ込んだ谷がしっかりを写り込んでいて、腰のあたりにムズムズ感を感じながらも、耐えてシャッターを切る。いやぁ深いなあ、この谷。この割れたアスファルトの下が、もし空洞だったら…。大丈夫とは思うけど、念のため山側を歩いておくことにする。

だんだんと坂道が近づいてくる。何度見ても急勾配だなぁ…。勾配は10%くらいか?12%くらいはあるか?と、いろいろ思いついて呟きながら、もったいぶっているのか、目の前の急坂になかなか近づかない道をポツポツと歩いていく。ところでこの画像、一見すると画像自体が傾いているようにも見える。実際に私もそう見えて、現像ソフトで確認してみたところ、傾きはなかった。う~ん、カメラを構えた時に傾いていたのか…。とりあえず、そのまま使用することにしたので、ご了承いただきたい。


作者注…デジタル一眼レフで撮影した場合、保存するファイル形式は JPG(撮影したまま)と RAW(フィルムのように修正可能)と選べるが、私は普段 RAW で撮影している。これは RAW は現像するという手間はあるが、その際に露出やカラーバランスが調整できるという利点があり、撮影者(私)の意図によって画像を調整して表現できるというのもあるが、いくら調整して JPG として保存しても大元のRAWのデータは変更されないため、いつでも撮影したままの生の状態に戻せるというのが一番の理由だ。
NEF、または NRW はニコン専用の画像ファイル形式(拡張子名)で、ニコンで言うところの FXフォーマット/DXフォーマットのデジタル一眼レフカメラ、ミラーレスカメラ 、一部のコンパクトデジタルカメラで撮影された RAW 画像に使用されている。(リンクはニコンイメージングの当該WEBにリンクしてあります)。




ようやく急な坂の麓に辿り着いた。そこには「ここから坂が始まりますよ」と勾配の具合を教えてくれる、 急勾配ありと言うお馴染みの警戒標識が設置されていた。ところが。ところが、だ。
画像をよ~く見て頂けるとすぐにお分かりいただけると思うが、その標識が何か物足りない。「ん~???」と近づいてよく見てみると、なぜか勾配の%が表示されていないのだ。見間違いかと思って近づいて見てみたのがチェンジ後の画像だ。やっぱりない。なんでやねん、なんか物足りないぞ!。こんな標識初めて見たわ!。



ここは、その急勾配の半分より少し過ぎたところだ。路肩には、この道に場違いなほど立派な新しいガードレールが設置されている。しかも、一部分だけと言うのが心憎いじゃないか(笑)。たぶん、このガードレールが設置されている区間だけ崩れて、その修復工事を行った際にガードレールを設置したとは思うが、それにしてもこの山中にあまりに不自然で、見た瞬間に思わず笑ってしまった。

チェンジ後の画像は、このガードレール区間に入る直前のカーブにあった標識を撮影したものだ。 急勾配ありの警戒標識にはなぜか相変わらず勾配の数値が書かれていないし、そのためか次に設置されている「すべりやすい」の標識も何となく説得力がないように感じるのは私の気のせいか。

さぁ進んでいこう!。手元の地図を見て現在地を確認してみると、隧道まではそんなに距離はないはずだ。最初の急勾配ありの警戒標識からここまで、私の相棒となる自転車はギア付きなんだけど車輪が小さいが故にいくら漕いでもなかなか進まないと言う欠点があり、この坂道を押して歩いている。なもんで、私の隣で私に押されて一緒に坂道を上っている相棒も「スマン」と言う感じでやや所在無げにしている。
それを気にしつつ前方を見ると、遥か先に標識らしきものが見えた。画像でも小さく写り込んでいるのでわかると思う。
こうなると、くたびれた身体に力が湧いてきて、自転車を押すにも力が入る(←しかし、乗ってペダルを漕ぐという力までは出ないというのがミソ(笑))。

うおっ!あれはっ!

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