新潟県主要地方道78号
大潟高柳線 尾神隧道

第2部

2021年6月13日 探索 2021年9月22日 公開

休憩を終えて出発した私は、のんびりと自転車を進めている。この辺りはさほどきつい上り坂ではないので、ゆっくり息が上がらない程度に進んでいくことで爽快さも味わえるし、ゆっくり進むことで見えないものも見えてくる。ただねぇ…道幅が狭いが故に、クルマが来たりすると避ける場所がないのよね。もし来たら…山側に逃げようかな。

都会の喧騒から離れて、こんなところで胸いっぱいに空気を吸い込むと、綺麗な空気が身体に沁み込んでいくのがよくわかる。初夏の青空と新緑の緑。右側に見えている、一本だけポツンと立っている木。あれはこの県道沿いに立っていた木だ。こうして旧道を辿ることは身体的にもリフレッシュしていて嬉しいが、もう少し爽やかな空気だとありがたいかな(笑)。
いやぁ、あちぇ~!(←新潟弁)

ここから前方を見ると、道が右カーブしているのがわかるだろうか。
しばらくの間、ほとんど真っすぐ進んでいた道筋が方向転換して少し下り坂になって進んでいる。正直に言うと、周りの風景に変化がないのでやや食傷気味だったので、こういった小さな変化でも気分転換になって嬉しい。変化があると言うことは…もうすぐ隧道近し?。そんなことはないか。おなじみの地図を取り出して確認すると、やっぱりまだ先だった(笑)。

こういった道には路肩防護施設は存在しないというのは当たり前で、御多分に漏れずこの道にももちろん「ない」。やっぱりないよなぁ…と思いつつ、あたりを見回していて見つけたのがこの場所だ。路肩の土はフカフカで柔らかく、現在進行形で少しづつ崩れてしまっているようで、そのせいだろうか、アスファルトがひび割れて路肩側に若干落ち込んでしまっている。大雨が降って崩れなきゃいいが…と思ってしまった。

左は深い森で、右は田圃の跡でもない、かと言って畑の跡でもなさそうな、ただ単にだだっ広~い空き地が広がる中を道は進んでいく。今は草だらけの空き地になっているが、よくよく見るとこの辺りは昔は畑だったんじゃないかと言う気もしてくる。もしそうだとするなら、近くの集落からこんな場所まで耕作に上がっていたと言うことになり、それだけでも大変だっただろう。

先へ進んで、いよいよ道幅が狭くなったところで、乗っている自転車を道に置いてみた。私の自転車はおよそ1m80cmくらいなので、この道幅はおよそ2.5mくらいか。普通車でギリギリだぞ、これ。これでは最大積載量4トンの普通貨物自動車は通れないだろうから、自動車交通不能区間になるはずだ。でも、よく見ると両端の路肩には消えてしまった白線の跡があって、おまけにちゃんと側溝も造られてあるところがニクい(笑)。

左は森、右は谷になっていて、道はそこを進んでいる。こういった道の探索を続けているといつも思うことだが、よくもまぁこんなところに道を通したもんだと感心する。道の上には覆い被さる気の枝があったりして、雰囲気はさながら林道の趣きだ。こんなところを自転車で辿れるとは実に楽しい限りで、年甲斐もなくウキウキしてくる(笑)。

いやぁ、いいねぇ~!

谷間を走る、なんとも細い道!。これが主要地方道かいっ!とツッコミたくなるが、ここでツッコミ入れても聞いているのは森の木々と近所の小鳥と、その辺のクマくらいのものだろうから、心の中でツッコミを入れるに留めておいた。相変わらずクルマも来ないし、この道と景色を独り占めだ。険道の探索はやっぱりこうでなきゃいけない。

ルンルン気分で周りを眺めながら、のんびりと自転車で進んでいると、やがて前方が明るくなってきた。明るくなった先の景色を見て思わず立ち止まりズームレンズで撮影したのが、この画像だ。山の斜面を斜めに走る、あの道らしきものは何でしょう?。

まさかとは思うけど…
あの坂道を上るんじゃないよね?

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