新潟県三条市道
吉野屋1号線 旭隧道
第1部
2019年4月13日 探索・2019年5月26日 公開
春の日差しが降り注ぐ爽やかな一日。私は、新潟県一般県道212号の吉野屋集落付近にいた。
もちろん、これから吉野屋集落を抜けて山側に入り、その奥にある旭隧道を探索するためである。クルマで旭隧道につながる林道に入って、道端のスペースに停めたクルマから自転車に乗り換え、その自転車で集落に一旦降りて、そこからもう一度旭隧道の入口を目指した。
実に長閑な風景である。私が立っている場所は三条市の吉野屋集落の入口。ここから左側に入って林道から旭隧道に入っていくのだが、一見すると入る場所がわかりにくい。当たり前の話だが案内板などは一切ないので、Googleマップなどの地図ソフトなどを使うと、わかりやすいかも。
いい雰囲気の道である。右側には用水路、左には石垣。特に左側の丸石を積んだ石垣が非常に美しい。こんな道はクルマではなく、やはりゆっくりと歩くか、自転車でのんびりと通りたいものだ。ということで私も自転車でのんびりと走っている。昔ながらの田舎道の雰囲気が感じられて、非常に気持ちいい。
集落を抜けると、日差しが眩しく日当たりがいい場所に出た。実に長閑な風景である。私がまだ小さいころには、田舎と呼ばれる場所にはこういう風景は当たり前だったものだが、今ではなかなか眺められない風景となってしまった。
一直線に山に向かう道。この先に隧道があると考えると(実際にあるのだが)、道の雰囲気としては非常に正しい道だろう。山の稜線に向かって進んでいる。私は自転車でのんびり進んでいくのだが、道はこの先から上り坂になっていく(実は今でも多少上り坂)。
ん~、いい感じじゃないか。でも、勾配がだんだんキツくなってくるので、自転車には辛くなる。道のそばには電柱があり、この道が今でも健在で現役として使用されていることがわかる(路肩に電柱があるこういう道は、県や市の管理がなくなっても電力線の管理道として電力会社が管理する例があったりする)。
道の勾配がいよいよ急になってきた。画像ではわかりにくいかもしれないが、なかなかの勾配だ。頑張ってみたが、どうしても上がれず自転車は押して上がることにした。でも、隧道はもうすぐのはず。押して上がると息が切れるが、ゴールは近い。頑張ろう。
おおおっ!これかっ!
う~ん、素敵っ!(笑)
とてもいい隧道じゃないかっ!。だが、右端にある看板が気になる…「一般車両通行止」。しかし、物理的なバリケードなどはないので、ここは行くとしよう!。だが、行く前に装備を整えなくては。
この隧道は長く、隧道内の照明は期待できないことから、ヘッドライトを自身の頭につけて自転車の前照灯を点け進入することにした。その前に、もう一度この隧道の坑口を眺めてみよう。
やっぱりいいねぇ、この雰囲気!
貫禄十分の雰囲気は、坑門の上に取り付けられた高さ制限と幅員制限の標識にもにじみ出ていた。しかも、坑口の上は沢。おかげで坑口付近は水浸しだ。
高さ制限1.8m、幅員制限1.5m。結構狭いじゃないか。ふつうでは滅多に見られない規制に、思わず笑みがこぼれる。こういう隧道は大好物である。この幅と高さだと…通れるのはたぶん軽トラくらいだろう。おまけに隧道の先が暗い。貫通…してるよね?。それでは、いざ入洞!。
おおっ!
いきなり隧道内のカーブ?!
なるほど、これで出口側の坑口の明かりが見えなかった訳か。…そりゃ見えないわな。
隧道の様子を見ると、少なくともこの付近はコンクリートでしっかりと巻き立てられていて、危険という雰囲気はあまり感じられない隧道である。さぁ、この先へ進むとどうなるか…実に楽しみである。
カーブを抜けると、再びコンクリートの巻き立てが続く。遠くには出口の明かりが小さく見えるじゃないか。洞内のカーブは最初のカーブのみで、あとはホントに一直線に掘られているようだ。それに、この隧道は片勾配の隧道だろうか。私が入った吉野屋集落側の入口の方が低いように感じる。
洞内は乾燥していて、少なくともこの付近は天井から水が滴り落ちてくることもなく、一見すると普通の隧道のように見える。だが、いかんせん狭いし低い。狭い隧道と言えば、新潟県阿賀町角神の「角神隧道」が思い浮かぶが、あの隧道は坑道断面が四角なので天井が低い印象があった。でも、角神隧道は高さ1.8m、対してこの旭隧道は1.7m。実はこちらの方が10cm低かったりする。だが、私が今乗っている自転車(20インチの折り畳み自転車)に跨っても、十分に通行は可能である。
さぁ、まだまだゴールは遠い。この後、洞内がどうなっていくのか、非常に楽しみ♪(笑)。