3月11日

3月11日

2020年3月11日 公開

25年ほど前、私は仙台に住んでいたことがある。
当時勤めていた会社の転勤で、福岡から遠く離れたこの街に住むことになった。

この街では、その後の私の人生に大きな影響を及ぼすことになる大切な人々に出会い、職場の人間関係も非常に良かったこともあって、毎日楽しく過ごしていた。
正直、ずっとここでもいいなと思っていたのだが、2年ほど過ぎたある日、突然大阪への転勤が発令されて、やむなく仙台を去ることになる。
こうして、この仙台という街は私にとって、今でも非常に思い出深い街になった。

それから15年ほどの時間が過ぎて・・・あの日の、あの瞬間がやってくる。
私が知っている思い出の風景が地震により崩れ、津波に飲み込まれていく様子が、次々と映し出されていく。
この日から、仙台で知り合った、あの素晴らしき人たちの無事を祈る日々が始まった。


あれから9年。今年もまたこの日がやってくる
もうそろそろ普通に過ごせるかなと思ったけど
やっぱりダメだった
あの日のことを思うと、今も熱いものが頬を伝う
人の繋がりと言う関係性は残念ながら
今では切れてしまったが
それでも、あの素晴らしき人達の無事を祈る日々は
今も終わることはない



2011年3月11日。
私たちは、忘れない。

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