水準点
水準点
2019年5月4日 公開
突然だが、皆様は水準点をご存知だろうか。
このWEBにもたまに登場してくる水準点。そのほとんどは、下記の画像によって「ここが水準点ですよ」と言うことが記してある。
この画像に見覚えがある方も多いだろう。これは蒲萄峠編で登場した水準点である。
蒲萄峠編の第1部で、道端にあった水準点に対して、私は「路傍にあったのがこの水準点。ここが国道7号であったことの証である。通常、水準点は国道や代表する道筋(県道など)につけられることが多く、これがあることで国道の旧道であるなどの道標になることがある」と書いた。
とは言えど、水準点とは何ぞや?と思われる方も多いのではないかと思ったりしたので、今回はこの水準点について探ってみよう。
水準点は、このサイトでもおなじみ国土地理院の地図を作製するために設置された高度測量の基準点であり、日本全国のあちこちに設定されている。この水準点は測量当時の旧国道や県道などに設置されたため、旧道を探索する際に道端に水準点があるとオブローダーは「ここが旧道だ!」と証明されることになり、かなり勇気づけられるのである(笑)。
この水準点は現在、全国におよそ17000カ所あったりするのだが(国土地理院WEBから)、この大元の水準点と言うのも存在する。それが日本水準原点であり、これは東京都千代田区永田町の国会議事堂の前庭洋式庭園内に設置されていて、東京湾平均海面の24.3900mを原点とすることが測量法に定められている(測量法施行令第2条第2項)。
この場所にはその昔「参謀本部陸地測量部」があった。
実はこの名前、旧版地図によく登場する。そう、地図の図面左端にその表示がある「明治〇〇年○月〇〇日印刷同○月〇〇日発行 大日本帝国陸地測量部」とある、アレである。
これが昭和には「地理調査所」となり、現在の国土交通省国土地理院となるのである。
いつもお世話になっている、国土地理院の地形図。
当サイトでは地形図だけではなく航空写真でもお世話になっているが、実は国土地理院から地図を取り寄せたのは最初の一回だけで、あとは国立国会図書館の複写サービスを利用しているのはヒミツだ(←安いし(笑))
ところで、この地形図を書くためには測量しないといけない訳で、山中に入ることになる。国土地理院で測量を行う方々の他に山中に入ると言えば、林野庁の方々や電力会社の方々、営林業者の方々など、山中に入る方々にはくれぐれも「プーさん」に気を付けて頂きたいと、心から願うばかりである。
…もちろん、私たちオブローダーの皆さんも。