山形県一般県道349号
鶴岡村上線旧道 大鳥隧道

2023年10月14日 探索 2024年5月1日 公開

トリはトリでもトリちがい?

これまで荒沢隧道、笹根隧道とレポートをお送りしてきた、この山形県一般県道349号ぞいにある三姉妹の隧道と、それに接続する旧道。今回はいよいよトリを務める隧道の登場だ。その名を「大鳥隧道」と言う。トリだけに大鳥隧道とは、狙っていたんじゃないかと言われそうだが、そんなことはない。ホントにここが最後になっただけだ。では、少しフライングしてお見せしよう!。下の画像は、その大鳥隧道の姿だ!。

どうだ!いいでしょう?

いやぁ、この雰囲気たっぷりの隧道!たまりませんね!。長女の貫禄十分と言ったところか。森の中に埋もれる大鳥隧道。思わず立ち尽くしてその迫力に圧倒されてしまった。この隧道、貫通していることは確認しているが、その中はどうなっているのかはわからない。探索時は当然、入らなくてはいけないだろう。今からワクワクものだ(笑)。
それではレポートに入る前に毎度おなじみだが、この大鳥隧道の位置を確認しておこう。

国土地理院の電子地形図(タイル)に注釈を付記して掲載

地図上、赤線が今回の探索区間、青線が現道を表したものだ。この通り、現道の大鳥トンネルと大鳥隧道は平行するように走っていて、その線形からこの区間はまさしく線形改良のために造られたことがわかるだろう。また、旧道の大鳥隧道に向かうためには、その手前の分岐点である誉谷(たかや)集落への入口から分岐する旧道(地図上、282の水準点がある場所だ)に入らないといけない。この途中の旧道区間も非常に楽しみだ。

また、この道は地図上では大鳥隧道の直前までは供用廃止は行われておらず、あくまでも隧道の部分のみが供用廃止になっている。と言うことは、この道は通行できる状態にあると言うことでもあるが、よくよく考えてみるとこの道は隧道に入って行く以外はどこにも行きようがないので、その隧道が供用廃止になっていると言うことは、この道も廃道状態になっているかもしれない。そこは当てにならないことで有名な(?)地理院地図。たぶん通行できないか、ものすごくヤブになっているかと見た。

早速だが、現地。手前側が笹根トンネル側になる。ここは県道349号から誉谷(たかや)集落への分岐点。左に入っていくと旧道方向。今、私は笹根隧道の探索を終えて、ここに立っているという訳だ。最初のベース地点は、この位置から左に入ったところにある、少しだけの広場に車を止めて、そこをベースとした。

実はここの探索には、ベース地点を2つ考えていた。一つはこの位置。もう一つは大鳥隧道の反対側の坑口付近だ。ベース地点が身近にあった方が精神的なストレスがなく、のんびり回れる。そう思った故の計画で、隧道が通行できないなど万が一の際にはベース地点を移動するつもりだ。

ここが第2の分岐点。ここから左に行くと誉谷(たかや)集落。右に行くと旧道方向だ。ここが地図上での水準点の位置と言うことになる。旧道方向を見てみると、最初はなかなかの道幅があるように見えるが、その先で急に狭くなっているようにも見える。まぁ旧道なんだから仕方ないか…。

しかし、探索をするうえで、その方が萌えるのは間違いない。さすが三姉妹隧道の長女、その大トリを務める大鳥隧道といったところか。少し入ってみようかな。ベースとなる車に戻り、装備を整えて…

最初は広いけど、すぐに狭くなるという、お決まりの展開。廃道状態の旧道での、あるあるのパターンでもある。その道幅と言ったら車1台が通れるか否かで、実にいい感じだ。自転車持ってくれば良かったかなぁ。それだと、もっと楽しかったかもしれないが…ま、いいか。仕方ない。歩くにしても、そんなに距離もないし、それもまた楽しや、だ。

さ、ここからが本番だ。道の脇に迫りくるヤブ、覆いかぶさるように自分の陣地を広げる道の脇の灌木。荒れた路面のアスファルト…廃道の雰囲気一直線の旧道の風景だ。いかん、こうなると否が応でも気分が盛り上がってくるじゃないか。この先に大鳥隧道が待っている、そう考えると進む足取りも軽くなろうというものだ。

さぁ、それでは…

探索開始!

第1部
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