一般国道113号
横根トンネル旧道
第5部

2019年5月3日・2020年3月28日 探索
2020年7月1日 公開

前回(第4部)の最後の地点から少し戻って撮影したのが、この画像。旧道に車両が誤って入らないように、このようなバリケードがあって、そこにはかすれて半ば見えなくなっている「車両通行止」と書かれた板が取り付けられ、車の往来を止めている。では、改めて合流点に向かおう。

かさ上げされた道



ここが現道と旧道の分岐点。左が現道、右が旧道だ。時刻は15時59分で、出発からここまで1時間。
旧道はここから下り坂になっているが、これは現役時代からのものではなく、横根トンネルを含む現在の道筋が開通した際に路面全体がかさ上げされたことによるものだ。ここから小国方向に向かうとすぐにロックシェッドに入って赤芝橋を渡るが、その際に荒川を見ると二本の橋脚が見える。これが赤芝橋の旧橋の橋脚で、旧道の路盤はもっと低いところを通っていた(現道開通当時の赤芝橋付近の画像)。
また、旧赤芝橋の画像がこちら。B10型日産サニーが懐かしくて泣かせるじゃないか(笑)
また、横根トンネルに繋がる橋は、今は橋の銘板もなく名称さえわからなかったが、この画像を見て橋の名前がわかった。「横根橋」と言うらしい。
スッキリしたところで帰路につこう。とは言っても今まで通ってきた道を引き返すだけなのだが、行きと帰りでは視点が違うので、何か新しいものが発見できるかもしれない、そんな目論見もある。

チェンジ後の画像は、旧道に少し入って撮影した画像だ。ここから見ると、旧道が山々の間の谷を縫って進んでいるのがよくわかる風景だが、荒川と旧道がいかに急峻な地形を通っているかがおわかり頂けると思う。ちなみに、正面に見えるのは米坂線の第五荒川橋梁だ。米坂線はこの急峻な地形をトンネルでぶち抜き、まるで串刺しにするようにして越えている。

帰りの視点から見た、米坂線の立体交差にある高さ制限のバー。全体が錆びついてしまっていて痛々しいが、高さ制限を守るという意味では十分…でも、今となってはここを通る車は維持管理用の車に限定されてるとは言えど、もう少しなんとかならないもんかなぁという気もする。せめて塗り直すとか出来ないものだろうか。
ここから眺めていると、この旧道が現役だった当時の風景が蘇ってくるようで、なかなかこの場所から離れがたかった。

法面は岩肌が露わでゴツゴツしており、荒川の水面から路面までここから見ると結構な高さがあるように見えるが、羽越水害の時はおそらく路面まで水が来たことだろう。そう考えると路盤が崩れることもなく、よくぞ無事で残っていてくれたものだ。おかげで、こうして旧道として辿ることが出来る。
しかし、ここだけ川岸が切り立っており、もしかすると路肩側もいくぶん削られてしまったのかも?という気がする。

時刻は16時を過ぎ、日が傾いてきた。旧道を歩いていてプーさんにばったり出くわした、なんてことだけは避けたいので、少し急ぎ足で入口に停めた車に向かって進む。
この旧道が紅葉の時季は綺麗だろうなぁ、来る時季を間違えたかな?と思ったが、ここは確かに113号の旧道だが遊歩道でもあるので、みんなが紅葉を眺めているのに一人だけ石垣や路肩、道路外施設などを見て画像を撮りまくっているのも、なかなか気が引ける。
やっぱり、今の時季でよかったのだと思うことにした。

少し進んで路肩から荒川を見ると川岸が平たい岩場になっており、手前には川岸に向かって降りることが出来るように、路肩から階段らしきものも作られていた。時間が迫ってはいるものの、発見した以上は降りて確認したいというのが人情というものじゃないか。ということで、その階段を慎重に降りて行って、何気なく路肩を見上げると…!

おおっ!これは…!

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