一般国道113号
横根トンネル旧道
(赤芝峡遊歩道)
2019年5月3日・2020年3月28日 探索
2020年6月11日 公開
新潟県新潟市中央区から福島県相馬市に至る一般国道113号。
この国道には、新潟県関川村から山形県南陽市に至るまでの間に、本当に数多くの旧道や廃道がある。
ここでも多くの旧道や廃道を紹介しているが、私が訪れていない場所もまだたくさんあるのだ(その一つが、大ボスとも言うべき宇津峠であることは言うまでもないが)。
綱取橋調査編でも書いたように、山形県小国町から新潟県関川村に至る区間は「小国新道(おぐにしんとう)」と言われ、難工事の連続で開通した道だった。だが、それが故に崖崩れや土砂崩れ、雪崩、災害が頻発する道路でもあり、羽越水害によって各所で寸断された経験も持つこの道が、後世になって大規模な改修や局地改良工事を受けることによって、あちこちに旧道がある道になってしまったのである。
当然と言うべきか、その際に旧道化した道には、それまでの道路構造物が残っていることが多く、この道の歴史を知る上において貴重な教科書となっている。その最たる例が、綱取橋であり片洞門、またここでは紹介していないが、この旧道のすぐ近所にある赤芝橋、また当WEBで2020年現在で最長のレポートとなった「八ツ口旧道」ではないかと秘かに思っている次第だ。
ということで、今回も「また」その国道113号の旧道の一つをお送りしよう。
今回のこの「横根トンネル旧道」と言う名前を聞いて、あそこかな?と思われる方は少ないと思う。しかし「赤芝峡遊歩道」と言う名前とか、下の地図を見て「あ、あそこかな?」と思い浮かべた方は結構いらっしゃるのではないだろうか。
この旧道は、旧道や廃道を歩くという意味では、ものすごく取りつきやすい旧道だ。それはこの旧道が遊歩道として再整備されているからで、チャレンジしやすいと言ってもいい。但し、時期によってだと思うが、途中には一部ぬかるみがあったりするので長靴は必携になる。
では、この旧道がどこなのか地図を見てみよう。おなじみの地理院地図である。
地図は左が関川方面、右が小国方面になる。赤い線が国道113号で、赤芝峡の文字が見える蛇行する荒川を横根トンネルで貫いているが、その蛇行する荒川に沿って点線の道が見える。実はこれが国道113号の旧道で、今回紹介する区間だ。この区間は八ツ口旧道のように、実線で表示されていても実際は通れないということはなく、遊歩道として整備されているためにちゃんと通れる。但し、車や二輪車は通ることは出来ないので、全行程が歩いての探索になる。距離的にはそんなに長い道のりではなく、普通に歩けばおそらく30分で前後で歩ける距離だろうと見込んだ。
実は、ここは2回訪れている。最初は2019年5月3日、2回目は2020年の3月28日だ。このレポート上では基本的に2回目に訪れた際の画像を使用するが、一部には2019年の画像を使用することもあろうかと思う。
なぜかって?。最初に訪れた時の方が天気が良かったのよ、実は(笑)。だけど、この時は時間の都合上完抜できず、画像が中途半端で終わってしまって、すぐ再訪すれば良かったものを私があちこちの旧道や廃道に浮気してしまったものだから後回しになってしまい、そうこうするうちに雪の季節になってしまって年を越してしまったのだ。
これは2019年の5月3日に撮影した画像だが、季節が良くて晴れていれば、こんな景色を見ることが出来る。これが秋になると辺りは一面の紅葉になって、非常に美しい場所だ。路面は舗装されているものの、これはおそらく後年になって舗装されたもののはずで、この道が現役の国道113号だったころは、この区間は未舗装路だったはずだ。
正直に言うと、ここを取り上げるのには相当迷った。それは、この旧道がかなり手垢が付いた(=数多く取り上げられている)旧道だからだ。
だがそれは、この道が国道113号の旧道と言うことに触れるだけで、主に遊歩道として取り上げられているのがほとんどだった。
この道を拓いたのは、あの土木県令の三島通庸。彼のためにも、ここではちゃんと「国道113号の旧道」として取り上げようと思う。
100年以上前に拓かれた、歴史ある旧道を辿ることにしよう!。