新潟県一般県道178号
山ノ相川下条停車場線
未開通区間 第4部
2019年4月14日 探索 2019年5月21日 公開
この地点で終わっていた前回の続きである。先へ進むと直進しているか右の雪原の方に向かっているかのどちらかのように見える。ここで、以前訪れた山ノ相川側の終着点の様子を見てみよう。
これは昨年に撮影した画像である。この左カーブを曲がるとすぐに行き止まりだった。この道形から考えると、今歩いている道はそろそろ右に向かってカーブして、相方の終着点にたどり着くはず…。まずは一番上の画像から先に進んでみよう…とも思って歩いていると、右側の林の中にこんなものを見つけた。
電柱である。しかし、電線は架設されていない状態で、ただ立っているだけ。そういえば、この前にも横になって放置されている電柱を見つけた。ここから電柱を見ると、どうやら電柱番号は設定されているようで、何やら札が取り付けられているようだ。近づいて見てみることにする。
多少見えにくいと思うが「下条線127」とある。名前からすると、ここから山を越えた二子集落側の、この県道の終着点である十日町市下条に関係がありそうで、この山中を電線が架設される計画だったのかと考えると興味深い。
もしそうだとするなら、架線した後の保守のことを考えると道路沿いに作られるはずで、今まで歩いてきたこの道が県道予定地であることを物語っている。
直進もあるかと思われた道は直進がなく、道と思われた(見えた)場所はただの広場で、一番上の画像の突き当りから右に曲がるようになっていた。そこで曲がってみると。この雪だ。この辺は杉林の中で日陰が続くせいか、この通り雪がまだ残っていて、ここから見える奥の方なんか結構な積雪量じゃないか。でも、たぶんゴールは近いはず。相方の終点さえ見えればなぁ…。
地面に積もった杉の葉が厚い層になっていて、そのせいでフカフカしすぎて非常に歩きにくい。道は判然としなくなったが、おそらくこっちだろうと見当をつけて迷わないように慎重に進んでいると、このような目印に使う標柱を見つけた。ここに電柱を立てるのか、道路の予定地の標柱なのかは不明だが。
先を見ると、この通り斜面の雪原である。さて…もうそろそろ相方が見えるはずなんだが、その前にこの雪原を何とかしなくてはいけない。幸い、トレッキングシューズを履いているのでこの位の雪は平気だが、滑るとどうにもならないので、注意しなくてはいけない。引き続き探索していると…
おおっ!道路だ!
あそこに見えるのは!。相方の山ノ相川側の道路ではないかっ!。やったぞっ!。しかも、おそらくは誰も通らないのにちゃんと除雪されているじゃないか!。今度は、この旧道と相方の県道が合流する地点を確認しなくては!。まずは、もう少し先へ進もう!。
間違いない。あれは山ノ相川側の県道178号の姿だ。今通っている道はこの付近になって道形が不完全になり、山中はちゃんと整備されていた道も斜面の雪原で消えていた。あの雪原が消えると道形は多少明らかになると思うが、実はこの合流点より少し山ノ相川側に降りた地点付近は、先の中越地震の際に県道の路盤が崩壊するほどの被害を受け、その時に復旧工事を受けている。その際に多少道形が変わったのかも?と言う気がしている。
山ノ相川側の県道の終点に立ちたいが、この積雪量なので断念した。一度降りると登ることが出来なさそうだ。この画像で見ると、真ん中の少し凹んでいるところが県道で、それが上り坂の頂上付近で右にカーブしそうになっているのが見える。実際にはカーブしておらずにプッツリと切れているのだが、そうすると斜面の雪原の奥が県道の道筋と言うことになる。
そういえば、前回訪れた時に「これがあの山道だろう」と言うことで見つけた、県道脇の斜面を登る道はどこだろう?。
わからないかなぁなどと思っていたら…
あったあった。これだな、あの登り口は。いかにも「ここですよ」と言わんばかりに雪が残っている。雪の深さはおよそ30cmと言ったところか。この山ノ相川側の入口付近も、この雪が消えた際にどうなっているのか見てみたい気がする。しかし、これで未開通区間を完抜した。さぁ、二子集落側へ戻ろう。
雪がほとんど消えた春に通ったこの道は、その歴史も通る人も感じさせてくれる素晴らしい道だった。
しかし、この道が県道として整備されれば、今回見た風景も変わってしまうことだろう。
この県道、今のままの方が良いのかもしれない。
戻りながら、ふとそう思った。
新潟県一般県道178号
山ノ相川下条停車場線
完結。