新潟県一般県道178号
山ノ相川下条停車場線
未開通区間 第3部

2019年4月14日 探索 2019年5月17日 公開

前回、この路面に残った結構多めの雪を、路肩側を通ることでかわして先へ進んだ私だった。ここまでは広めの道幅で、普通に歩いていても非常に快適であったことから、雄大な魚沼丘陵の景色などを見る余裕さえも生み出していたが、これがもしもヤブ漕ぎ必至な道だったとしたら、ここまで余裕をぶっこく訳にはいかなかっただろう。感謝しながら、先へ進むことにしよう。

見えない道の、その先へ。

雪が残っているところを抜けると、山側の斜面を道が回り込むように進み、さらにその先へ向かっている。どうやらこの道は、ここから先に見えるこのカーブを過ぎても、今までと同じような道の規格で先に進んでいるようだ。
見えない道の、その先へ。どこかの企業のキャッチコピーみたいだが、思わずそんな言葉が浮かんでしまった。

穏やかな道だなぁ…。明るい日差しと、さっきから聞こえている小鳥のさえずりと相まって、非常に長閑な山道の風景を作り出している。道幅は若干狭くなったものの、それで通りにくいかと言えば全然そんなことはなく、御覧の通り十分な道幅を保って先に進んでいる。

中越地震の後で多少は改修されたかもしれないけど、この道の道筋が明治から今までほとんど同じだったとしたら、二子集落と山ノ相川集落を結ぶこの道は当時はかなりの往来があったことが予想される。だから地図上では聯路(れんろ)の記号が使われていたのだ。そういえば、未開通区間第1部で紹介した1969年(明治44年)の地図では二子集落には学校がなかったが、山ノ相川集落には学校の記号があった。もしかすると、当時の二子集落の子供たちは山を越えて(降りて、と言う方が正しいかも知れないが)山ノ相川の小学校に通っていたのかも?。
そうすると、夏も冬もこの山道を通っていたことになり…そんな想像が膨らむ。

しばらく歩いていくと、道は直角に近い形で急カーブ。道形から見てもこの道はおそらく等高線をトレースするかのように進んでおり、昔からの道だったことがわかる。自宅に戻ってもう一度地図で確認する際に、非常に楽しみだ。もしかして、車道だったのだろうか?。そんな想像が膨らんでいく。

上の右直角カーブを抜けると、さらに左カーブが待ち構えている。ここで気が付いたのだが、この道はこうしてところどころに崖側の路肩に杉の木がある。その杉の木がある場所は日陰になって一息つける場所になっているのだ。単なる偶然かも知れないがこれは非常に助かるし、小休止するのにちょうどいい場所だ。昔にこの道を通っていた人々も、そんなところで休憩していたのかもしれない。

左カーブを抜けると、非常に日当たりのいい場所に出た。春の日差しが非常に眩しい。二子集落からこの道を歩いて、ここまでおよそ20分くらい過ぎただろうか。途中、撮影したり小休止したりと道草をしていたので時間がかかっているが、もうそろそろ山ノ相川側の県道終着点に出るはずだ。この道沿いに来ているので、少なくとも遭難はしていないのは確実である。

杉林の中を進む、緩やかな左カーブ。左の山側は一瞬「石垣か?!」と思ったが、よく見るとただの土壁(?)だった。でもその土壁が崩れていないところを見ると、この道が通っている辺りは土が締まっていて崩れにくいのかも。そういえば二子集落からここまでの間で路面に雪が残っている場所はあったが、崩れているところはなかった。

左カーブを抜けると、まるで木立の中を進む道。右の杉林は植林されているのかもしれないが、下枝が結構伸びているが見える。路面は杉の葉や枝などで覆われていて、それがフカフカの天然のクッションになっており、歩いていると心地いい。

杉林の中を抜ける直前である。路面に雪が見えるようになってきた。この辺りは背が高い杉の木で日陰になっており、そのせいかこの道の中で一番雪解けが遅いようだ。左側に見える山肌の傾斜も先ほどより緩やかになってきていて、道全体の印象は明るく見えるのだが。

ふと杉林の方を見てみると、林の中にこのようなものを見つけた。画像ではわかりにくいと思うが、これは電柱である。この辺に建てる予定だったのだろう。念のため確認したが電柱番号などは取り付けられておらず、無垢のままの電柱だった。それにしても、この電柱の奥に見える雪が気になる。まるで雪原のようじゃないか…。

時間と距離から考えると、そろそろ山ノ相川側に出てもいい頃なのだが…先を見るとまだ道は続いているようだ。路面には先ほどよりも多くの雪が残り、右手奥には結構な雪が残っていそうだ。ここから見る道の雰囲気からすると、この道は先へ進むと直進しているか右の雪原の方に向かっているかのどちらかだが、山ノ相川側の終着点の様子を考えると、この辺で右に向かってカーブして相方の終着点にたどり着くはず…。ちょっとまて。

すると、あの雪原の中に入っていくのか?!

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