新潟県一般県道178号
山ノ相川下条停車場線
未開通区間 第1部
2019年4月14日 探索 2019年5月8日 公開
初めてこの道を探索したのは、2018年の7月のことだった。
その当時はこのWEBも始めておらず、LINEのタイムラインで仲間内のみでの公開だったが、この探索がきっかけとなって、このWEBが生まれたと言ってもいいだろう。それほど、私にとって特別な道だった。
最初に探索した時には深いヤブに阻まれて、残念ながらこの道の全容を知ることは出来なかった。この頃は装備もあまりなかったし。しかし、この道の後に多くの旧道や廃道を探索してきて、そのせいで多少は経験を積んできたこともあるのか、今回の探索では自分でも驚くほどスムーズに進むことが出来たと言えるかもしれない。
では、ここで改めて、今回探索する区間を確認してみよう。
この未開通区間とある部分が、今回探索する区間だ。それでは進んでみよう。9か月前にはヤブだった、あの道の先へ!
この道がある新潟県中越地方は雪深い地域だが、この年は雪が少なかった。
例年だと恐らくは今でも雪の中であろうこの道の入口に、スムーズにたどり着くことが出来たのだから。
ここまで来る途中を一気に飛ばして、ここは新潟県十日町市二子地区。県道178号の不通区間の始まりの地点である。
この探索を行ったのは4月中旬だったが、それでも道端にはこれだけの雪がある。ここから眺める一番奥が、9か月前にはヤブになっていて進めなかった不通区間の始まりの地点。今回は先へ進めそうだ。
少し奥に進むとこうなる。道は雪に阻まれるが、今回の私はトレッキングシューズを履いていた。歩くのに気を付けなければいけないのは当然だが、この位の雪の量であれば越えられるだろう。例年であれば4月中旬はまだまだ雪に閉ざされている時期だろうから、重ね重ね幸運と言えるかも。それでは丘状になっている雪を越えて、その先へ進んでみよう。
ここは一見すると雪原だが、路面にある雪は締まっていて、足はさほど沈むことなく歩くことが出来る。この時期になると雪はシャーベット状になり(ザラメ雪とも言うが)、その上を歩くとジャリジャリと音を立てる。おまけにこうした雪はすぐ滑るので、転ばないように注意が必要だ。
10mほどの雪原を抜けてしまうと、その先には実に歩きやすそうな道が続いている。実際、少し拍子抜けしてしまった。実は少しばかり歩きにくい登山道みたいな道が続くと思っていたから。路面にある冬枯れした草の量を見ると、この道は夏には大量の草が覆い茂るのだろうが、今のこの状態では軽トラくらいなら軽々と走れてしまいそうで、快適そうな道だ。
いいじゃないか!この道!
いいねぇ!。実に「未成道」みたいな雰囲気が満載の、のんびりと歩いてみたくなるいい道だ!。
しかし今は春でもあり、活動を始めているプーさんには十分に気を付けなければいけない。クマ鈴2個とラジオを鳴らしながら、賑やかに歩いていくことにしよう。(←一応言っておくが、歌は歌わなかった(笑))
なんだか懐かしい道だ!
あたりは魚沼丘陵の豊かな自然に囲まれ、鳥のさえずりも聞こえる長閑な空気に包まれた、実に穏やかな道。ここはおそらく県道整備にあたってのパイロット道路だろうが、このまま簡易舗装でもしてしまえば、道として十分に役立ちそうである。途中にある木立の日影が嬉しい。そんなに進んではいないが、この雰囲気に日陰で少し休憩。この日は非常に暖かい日だった。
しかし、思ったより整備されていて驚いた。ここなんか、少し山側の土工をして路肩側にガードレールを張って簡易舗装でもしてしまえば、立派な県道の出来上がりである。こんなところを歩いていると非常に気持ちよくてハイキングにでも来た気分なのだが、今回は未成道探索。道が主人公なので、しっかり見ておかないと(笑)
左は切り立った斜面。右も崖。道幅は若干狭くなって、ここを車で進むには多少勇気が必要になりそうだ。道の左側(斜面側)には側溝のようなものも掘ってあって、ここが道として管理されていることを感じる。ここはもしかすると何かの理由で車が入ることがあるのかもしれない。ここからふと右を見ると…
魚沼丘陵の豊かな自然が広がる。2004年(平成16年)10月23日17時56分に発生した新潟県中越地震では、この辺りも甚大な被害を受け、土砂崩れなどが頻発した。特にこの県道178号や506号、413号、58号は途中で崖崩れ等が発生し、この二子地区も一時孤立してしまったようだ。
これは発災後に国土交通省がまとめた資料の中から抜粋したものである。このように、私がこれまで通ってきた道はことごとく寸断されているのがお分かりだろうか。そして、上の画像中「山道」として記されているこの道は、山ノ相川のこの場所に通じている。
これは前回でも紹介した、山ノ相川側の終着点。
今歩いている道が、ここに続くはず…なんだけどなぁ。