新潟県主要地方道14号
新発田津川線の短い旧道

第2部

2020年5月8日 探索 2021年2月10日 公開

草に埋もれたデリネータに別れを告げて(そんなに大した別れではないが(笑))、先へ進もう。旧道の路面のアスファルトはまだまだしっかりしていて、ここまでくると枯葉もなく、雨が降ってもぬかるむということはないので安心して進める。ここから見える右側に、斜め上に上がる道のような地形が見えるがこれは作業道だ。その作業道の法面に石垣でもないかと探してみたが、残念ながら普通の法面だった。

おっ!ガードレールだ!

この旧道の終わりが近づいている。左側には路肩を示すデリネータが見えていて、ここが路肩だよと言うことを教えてくれている。目の前の路面に、ものすごく細長いヒビのようなところに背が高い草が生えているのが見えるだろうか。おそらくはここが元の路面の中央で、センターラインの位置だと思われる。そうすると…先に見えるガードレールのあたりが、赤谷線と交差していた踏切の位置だろうか。右側からは作業道が合流してきているのが見える。この道がまたそそられる道で、緩やかな上り勾配で山の中へ突っ込んでいくので、思わず通りたくなってしまうが…手前に「入山禁止」の立て札があるので進入できない。残念!。

旧道への交通の流入を遮っているガードレールと、センターラインの代わりに生えている草がカギとなって、この県道が赤谷線を越えていた往年の姿が目の前に蘇る。ガードレールの向こう側には、林が切り開かれたような場所が見えるが、その位置が赤谷線の旧路盤だ(今は県道14号の路盤になっている)。ここから見ると赤谷線は線形を保つために、山を削って木々を切り開いて貫いているのがわかる。今まで通ってきた道よりも、もっと旧いであろうその先の県道の路盤は、前方に見える赤谷線の路盤の左側を通っているはずで、これからガードレールを越えていく目的地の一つだったりするが、往年の県道の姿を色濃く残していると思われ、今からワクワクしていている。

ガードレールを越えたところで、今まで通ってきた旧道を振り返ってみる。緩やかなカーブでこちらに接近してくる旧道。路肩であったであろう正面の森は広葉樹と針葉樹、うまい具合にそれぞれの木々が混ざり合って、旧道の雰囲気を盛り上げてくれているかのようだ。現道は右側のこんもりと盛り上がった土盛りのさらに右側にあるのだが…土盛りのところどころに生えている草の緑が非常に鮮やかで美しい。

ん~、実に滑らかな線形!。でも、この線形を見て何か直感で感じないだろうか。気づいた方は鉄道好きかな?。
そう、先ほど「旧赤谷線の路盤は、現在の県道14号の路盤になっている」と書いたが、この緩やかな左カーブ、鉄道の路盤ならではの特徴なのだ。鉄道は自動車みたいに小さい半径でカーブを通過することができないので(極端にカーブ半径が小さいと脱線する危険性が高くなる)自然とカーブ半径が大きくなる。そうなると、このようなカーブで曲がっていくことになるのだ。ここに立ってこのカーブを眺めていると見えないだろうか、カーブの先からこちらにやってくる、クリーム4号と朱色4号で塗り分けられた、あの懐かしい国鉄のディーゼルカーが。

さて、今度はこの旧路盤を渡って、もう一つの旧道へ行こう。

え~と…

ここが、県道が赤谷線を渡っていた踏切があったと思われる位置で、「何か痕跡を」とあたりを見回してみたのだが、その名残はなかった。ところで今までの旧道はゆったりとした道幅だったが、踏切を渡った先の道は極端に狭い。…うむ、なかなかいい道じゃないか。思いっきりそそられる!。
…そそられるのはいいが、道路を横断するので飛び出しは気を付けよう(笑)

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