蒲萄峠の「蒲萄」の文字

蒲萄峠の「蒲萄」の文字

2018年12月26日

このサイトの読者の皆さまならば、このタイトルを見てピン!と来たことだろう。
そう、今回は半分道路ネタである。

国道7号を村上から勝木方面に北上していくと、道はやがて蒲萄峠を超える。
今回は、この蒲萄峠の「蒲萄」の文字についてである。

当サイトでも蒲萄峠のレポートを書いているが、最近、蒲萄峠と同じ村上市の海側を駆け抜ける、国道345号を中心に書いていることもあって、文献を調べることが多くなってきた。
この国道345号と国道7号は、どちらも新潟県の村上から山形県の温海を目指して向かう道であるため、その文献が重なっていることが多い。つまり、国道345号の笹川流れを調べていると、おのずと蒲萄峠のことも触れてある、といった具合に。
ところが、何故かその文献の多くが、この蒲萄峠の「蒲萄」の文字を「葡萄」と間違って記載されていたりする。

では、この「蒲萄」の文字がどんな意味を持つか、お馴染み角川日本地名大辞典で調べてみよう。

蒲萄 旧国名:越後越後から出⽻へ通じる出⽻街道の要衝。難所で有名な蒲萄峠の⼊⼝。真⾔宗⾏福寺は、弘仁13年弘法⼤師が出⽻湯殿⼭参詣の途次、えびづる(蒲萄蔓)をもって⼩庵を結んだのに始まると伝えられ、⼭号は蒲萄⼭。出⽻街道を⾏くこと約3kmの明神岩の絶壁の下に式内社の漆⼭神社があり、⼀般には⽮葺明神といわれている。元禄2年芭蕉に供して奥の細道を旅した曽良は、蒲萄峠について「名ニ⽴ツ程ノ難所ナシ」と記している。
(以上、角川日本地名大辞典「蒲萄」より引用)

矢葺明神…懐かしい(笑)

それはさておき、蒲萄峠の「蒲萄」とは、実はこんな意味を持つ名前だったのである。

ところが、パソコンで原稿を書いていて「ぶどうとうげ」を変換すると「葡萄峠」と出てくるので、気づかずにそのまま入力してしまうのだろう(「ぶどう」と入力すると「蒲萄」と「葡萄」が候補として両方出てくる)。

ちなみに「ぶどう峠」も、実際にはある。
但し、こちらは群馬県道・長野県道124号上野小海線の峠だが。

パソコンを使うことが多い現代。自分で書かなくなったが故に、その文章にどのような漢字が当てられているのかわからないことも多いし、どのような漢字を使うべきかと悩むこともあると思う。
実際、こうして書いている私もしょっちゅうある。
しかし、このサイトでいろいろ書いている以上は私も執筆者の端くれであり、書き手側の人間として、漢字の誤記に注意したいと、心を新たにしたのだった。

とりあえず、電子辞書をすぐそばに置いておくくらいだが…(笑)