一般国道7号旧道
勝木峠 第4部

2019年1月14日 探索・2019年2月6日 公開

さあ、間の内川を目指してGO!。峠を降りると、早速ヘアピンカーブ。ここも路面はしっかりと砂利が敷かれている。ただ、砂利の層が厚いので歩くと柔らかく足を取られ、やや足元が不安定になるのは仕方ないところか。路肩と路面の中央に見える白いものは雪だ。ここに来てやっと雪に出会った。

上のカーブを抜けてくると、こんな道。やっぱり、これが今の季節の里山の風景なのかなぁと思ったりする。この勝木峠を書くにあたって蒲萄峠編を見返してみたが、蒲萄峠は広葉樹が残っているところもしっかりあって、里山の雰囲気を残していた。勝木峠は杉がやや多い気がする。

山肌を丁寧に沿って進む道。今の道路の作り方ならトンネルと大規模な切通しで抜いてしまうだろうが、この時代は山肌に沿うように道が作られたので、ヘアピンカーブの連続である。しかし…仮に隧道が掘られたとしても真っ暗なので、馬も牛も通るのを怖がったのかもなぁ…と思ったりしていた。

上から道路の線形を見たところ。ここまできれいにぐるりと回っていると、素直に感動したりする。それと同時に、直線だと近いのに…と思ってしまうのは、現代人の性か(笑)

先ほどの大回りしたカーブを抜けて歩いていると、左側が開けた場所に出た。自然にしては妙に平地なので、田圃の跡か何かなんだろうなぁと思いながら歩いていると…おや?、あの右側の黄色いものは、もしかして?。

見えるだろうか。右側に何か黄色いものが!。
あの後ろを向いて立っている黄色い姿は警戒標識!。そういえば、勝木側からこの峠に入った時に、森の中に「注意ーCAUTION」の旧制道路標識があった。これもその標識だろうか。思わず小走りになって近づいてみる。すると…

おおっ!つづら折りありの標識ではないかっ!
しかも穴だらけ!(笑)

なんでやねんっ!と言いたくもなるが、この穴が空いている場所には、おそらく反射釦が入っていたのだろう。なので、ヘッドライトの光で反射して標識が見えるというわけだ。よくぞ今まで立っていたものである。しかも標識柱が四角い。これも昔に建てられた標識の特徴である。しかし、この道幅なので…すれ違いはどうしていたんだろう?と、少し心配になってしまった。

標識の地点から左を見ると、田圃だったんじゃないかと言う空き地を見渡せる。そこには杉の苗木が植えられていた。やはり、この杉林は植林された林だった。すると…ここも杉林だったんだろうか?

山を下りてくると、左にまたまた空き地が見える。やはり田圃だったようだ。すると、もうすぐ間の内川が見えてくるはずなんだけどなぁ…と思いながら進んでいると…

おっ、間の内川だ!…でも、どっち?!

この期に及んで十字路だ(笑)
当たり前だが案内標識などあるはずもなく、しかも地図にはない左右に行く道もある。この場所を観察すると、右に行く道は入口に白い棒が立っているが、あれはおそらく林道の起点標識だろう。旧道は今までの道の様子から村上市道と思われるので、まず右は除外する。残るは左と直進だが、左に行く道も地図に記載がない。この間の内川を渡る場所は、地図上には直進しかなかったはず…なので、迷わず直進!。

あったり~!。やはり直進が正解だった。間の内川の橋より先へ進んだ風景が、この画像である。このヒョロヒョロとした頼りなさそうな狭さ。これがこの道の特徴である。間の内川を過ぎた道は、林の中を等高線に沿うように美しい弧を描きながら、やや上り調子で先に進んでいく。

上り坂が落ち着くと、やや拓けた平地に出た。ここは離合する場所だったのかなぁと思った。ここだけ道幅が妙に広い。ここなら余裕でトラックと軽自動車が離合できそうだが、それが雪が降りしきる日の夜だったら…と思うと、それはそれで怖いだろうなぁ!。時にここは冬には雪深い地域。今よりも格段に雪の量が多かった昔はこの道も雪に覆われていたはずで、通行するには命がけだったかも。

道はまた山道になるが、おや?あれは…路肩が落ちたのか?路肩が滑ったせいで、道幅は車が通る一台分の幅しかない。それもタイヤ巾いっぱいだったりする。近づいて、観察してみることにする。

落ちてますねぇ…幸いと言うべきか、滑ったところの下は切り立った崖ではないようだが、山の中でこんなところに落ちてしまったら、夕方なら命とりになりかねない。

路肩の崩落地点から先に進むと、またしても峠らしき道が。しかし、おそらくこれが勝木峠の最後の峠だろうと思われた。ここも他の峠と同じく切通しと木立が美しい道だが、花粉が飛ぶ季節には大変だろうなと思ってしまった。幸い、私は花粉症ではないが…

少し先へ進んで撮影したのが、この画像。この峠は頂上まで登ってそこから先、少し緩やかな上り坂が続くと言う峠になっている。つまり、頂上の部分が長い。おかげで、峠の雰囲気を長く味わえるし、景色も堪能出来る。この画像は、最初の峠の画像よりも、少し陰影をつけて撮影してみた。

振り返って撮影。峠の雰囲気がよくわかると思う。最初に勝木の集落から入ってここまで、非常に長い峠道だったが、ここも美しい峠だった。旧制道路標識に出会えたのも、非常に良かった。ゴールまであと少し。峠を降りて、府屋の町を目指そう。

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