一般国道460号旧道
五ヶ峠 第3部

2018年11月3日 探索・2019年3月21日 公開

峠を過ぎて、ここからは下りの始まり。こちら側は傾きつつある太陽の光が当たっている面で、木々の隙間から路面にこぼれる明かりが多いことにお気づきだろうか。路面の落ち葉や苔むしたガードレールは相変わらずだが、それらも目を楽しませてくれる。

木立に降り注ぐ日差しが気持ちいい。ここを訪れた時は花粉の季節ではなかったので大丈夫だったが、シーズンは…それは考えるのはよそう(笑)。今は非常に気持ちいい峠道なのだから。ところで、この道を通っていると、パン!パン!と音が聞こえているのは何だろう?と思いながら歩いていると…

おおっ!標識ではないかっ!

途中聞こえる音よりも、標識が優先(笑)。これは「右背向屈曲あり」の標識で、それ自体は旧道路標識令の標識ではなく現代の標識なのだが、このくたびれ方が素晴らしい(笑)。こうなった原因はきっと雪なのだろうが、根元と途中のサビ具合、苔むしつつある標識など、やはりいい感じである。

旧道路の遺構を見つけた。これはきっと、この道が開通した当初のものだろう。路肩が崩れている部分が宙ぶらりんになった、昔の車両用防護柵。非常に強固な印象の防護柵で、設置されている位置からすると、峠道を下る車が速度を出しすぎて崖から転落するのを防いでいたものと思われる

このカーブの峠道、実に良い雰囲気。なんとなくだが、蒲萄峠を思い起こさせる。この道形を見て、手元の国土地理院発行の地図を見てみると、道は等高線を正確にトレースしている。そうなるとかなり古い時期に開通した道のような気もするが…昔の古くからの道が舗装され、拡幅されて県道となったのかも知れないなどと考え、観察しながら歩いてみると意外に楽しかったりする(^^)

ここはなかなかの狭さの道で、木々の間を掻き分けるような道と並木、それに路肩にあるロープワイヤーが垂んでいる非常に頼りなげな(笑)ガードロープの存在が見える。そういえば、この道には峠道にありがちの石垣や、石組みの擁壁の類が頂上付近を除いて一切ないことに気づく。自然の地形を生かして切り拓かれた道のようである。

この辺は杉がなくて広葉樹が多く、穏やかな印象の画像になった。昔ならではの里山の雰囲気が満載で、気持ちいい。ところで、やはりさっきから辺りにパンパンと銃声が響いている。この道を通りながら、この音は何だろうと思っていたのだが、途中で拡げた地図を見て納得した。これは、この五ヶ峠を下りたところにある、巻射撃場の銃声だろう(実は最初は、畑に設置してある動物除けの銃声かと思っていた)。

突然だが、ここをバスが走ってきたらどうだろう?。そのバスが現代のバスであっても、なかなか絵になる地点ではないだろうか?。ここはシーズンのバスが走る時期になれば、撮影ポイントとして訪れてみたい場所になりそうな気がする。出来ればボンネットバスが希望だが…贅沢は言わないことにしよう。でも、まずは一考して頂けないだろうか。ね?新潟交通さん(笑)

おっ!またしても標識が!これもさっきのくたびれた標識と同じく「右背向屈曲あり」の標識だが、今度は真っ直ぐシャンと立っている。あまり雪の被害を受けないのか、それとも標識柱が新しいことから建て替えられたか。

向こうから何か走って来そうな印象のカーブ。振り返って撮影した。
左側にある小山は、この道を切り拓く際に残された、もともとの山の一部だろう。右の山の斜面がそのまま左の山の斜面に繋がっていたと思われ、左の山の一部をわざわざ平坦にする必要もないので、そのまま残されたといったところか。
ん~…これがもう少し土被りが大きければ隧道になったかも知れない、と勝手に想像してみる(笑)

この後、旧道は一直線に山を下り、寺院の脇で現道に合流して終わるのだが、合流地点の画像を撮影し忘れると言う失態をやってしまった。後日、もう一度訪問して合流部付近の画像を撮影してくる予定である。しばしお待ち頂きたい。

この道は旧道とは関係なく、旧道の途中で分岐していた林道なのだが、山中に一直線に突っ込んでいく潔さに惹かれてしまい、思わず撮影してしまった。この道は歩きよりもチャリンコで入ってみたい道である。

さぁ、残るはこの道の歴史を机上調査編で紐解いてみよう!

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