一般国道460号旧道
五ヶ峠 第2部
2018年11月3日 探索・2019年3月16日 公開
多少休憩して、頭も体もスッキリした。
元気100倍!とまではいかないが、かなり回復したので、まずは峠を目指そう。
前回の撮影地点から少し進んで、振り返って撮影してみた。本来は木々の隙間から海が見えるはずなのだが、若干日が傾いていた時間のせいか、風景が見える場所が白トビしてしまっている。また、当日はやや曇りであり、白い雲が空に蓋をしてしまっていたということもあるかもしれない。
だが、この道は周りに立ち並ぶ杉林などもなく、実にいい感じで森の中を進む明治車道にも似た道だと思っていたのだが…
杉並木を発見してしまった。私は杉が嫌いと言うわけでもないし、幸いなことに花粉症でもないのだが、今までの他の峠道で杉林を見慣れてきたせいもあるのだろう。ここも杉かっ!と言う気がしてしまう。決して嫌っているわけではないことはご理解頂きたい。
さて、この杉並木も下枝が枝打ちされているところを見ると、しっかり管理されている森と思われる。右側に一本だけ見えるデリネータが寂しげだが、よく見ると左側にも倒れ掛かったデリネータが見える。この倒れ掛かっている原因は、おそらく雪だろう。最近は、以前に比べて新潟市内や近郊の積雪量は少なくなったものの、ここでは積雪量は結構あるのかも知れない。
周りを見回しながら木立の中の道をのんびり歩いていると、実にいい気分。暑くもなく寒くもなく、爽やかな風が吹き抜け、鳥たちが囀っている声が聞こえる。この辺になるとガードレールもなく、山と道に直接触れ合っているような気さえしてくるものである。
うむ、この道の曲がり具合がなんとも言えない!。この道は岩室側の福井集落と五ヶ浜を結ぶ、ただ一つの道だっただけに、バスも走っていたと聞く(探索後に調べたところでは、今も季節によってはバスが走っているようだ)。ここを走る当時のバスは、どんなバスだったのだろうか?。蒲萄峠などのように明治時代から走っていたと言うことはないのかも知れないが、きっとのんびりと走っていたことだろう。往時が偲ばれて楽しい。
おおっ!この急カーブ!。どう見ても荷車が通るのに適している道としか思えないのは気のせいか。これが近代の道なら、とっくの昔にトンネルで山をぶち抜いているはずである(近所にある五福トンネルのように)。
そうすると、この道はやはり明治車道なのかも知れない。後ほど、地図を調べてみることにしよう。
道なりに進むと折つづらでぐんぐんと高度を上げていき、このような両側に柵が現れた。道の雰囲気からすると峠が近そうなのだが、まだ見えない。でも今までのこの道の風景とは一味違う、この左右の切通しも始まったところを見ると…やはり峠か?
おおっ、見事だっ!
左右の深き森を切り開く切通し、ここが五ヶ峠の頂上である!。
この手前左側に広い駐車場があって、数名の登山者がおられた。ここは角田山の五ヶ峠登山口とのことで、春山の登山シーズンには毎年この細い道を福井集落側からバスが通うようである。
そのバスがボンネットバスだといいなぁ・・・と思ったのはヒミツだ(笑)
峠を過ぎて進むと、このように左カーブで峠を降りていく。福井集落側はここから杉の植林が行われているようだ。太陽の光が眩しい。それにしても、左側のロープで造られた簡素な柵は何だろう?と思っていたら、こんな看板を見つけた。
どれどれ?、傷んでいてうまく読み取れないが、拡大してみると「バス駐車場につき一般車両の駐車を固く禁止致します。新潟交通」とある。この看板は道端にあったものだが、まさかここにバスは駐車しないだろうから、この看板はもともと峠頂上の左側にある広場に置いてあり、駐車禁止の意味でここに移動したのかな?とも思うが、真偽のほどは不明である。
私はこの看板よりも、いい具合に年季が入った背後の擁壁のコンクリートにくぎ付けだったりする。歴史を感じさせる粗石コンクリートじゃないか。開通当時のものかは不明だが、まだまだ現役で頑張っている立派な擁壁だ。
頂上付近の峠の雰囲気や擁壁など、いろいろ目を楽しませてくれる峠道である。これで馬頭観音などがあると最高なのだが、それは贅沢と言うものか。それに、この道の路線形も気になる。うまい具合に勾配をかわしながらカーブで登っていくこの道、素性は机上調査で行うとして、今は峠道を降りていこう。峠を過ぎて下っていくが、今度は太陽に照らされる側なので緑が美しく多少は暖かいかな。福井集落まで、あと半分である。