一般国道460号旧道
五ヶ峠 第1部
2018年11月3日 探索・2019年3月12日 公開
その日、私は角海浜隧道に行く予定だった。
この画像で、海沿いに左右に横切っている道が国道402号。そこから角海浜隧道へ向かう道は、このような交差点になっている。もうすぐ入口が封鎖された角海浜隧道とご対面と思いつつ分岐点に到着した私に、現実は無情な答えを突きつけたのである。
おおっと!通行できないじゃないか?!
あ、あれ?。(逆光の為、画像がやや見にくいのは申し訳ない)通れないじゃないか。それにしても、なぜ通れないんだろう…ん?何か表示板がある。見てみよう。
うおっ!こりゃあかん!
あちゃ~…こりゃまた派手に崩れたなぁ…。これじゃ通れないわな。仕切り直しするしかないか。
でも、ここまで来たんだしなぁ。何かないかなぁ…と思って左を見ると、山へ向かっていく旧道らしき道がある。なかなか雰囲気良さそうな道。少し覗いてみようかな。
う~ん、そこはかとな~く醸し出す、この独特の道の雰囲気はいかにも旧道!って感じじゃないか。でも、ここから分岐する旧道って、位置からするともしかして・・・?と言う思ったが、それはそれとしてまずは目の前に見える表示板で情報収集するとしよう。どれどれ?。
おっ、県道五ヶ浜巻線と表示がある!。この表示板、県道番号が記載されてないとなると、なかなかに年数を経たものかも知れない。この表示板に記載がある「県道五ヶ浜巻線」とは、1993年(平成5年)4月1日に国道460号として国道指定される前の県道時代の名称である。すなわち、ここが現在の国道460号の旧道と言うことだ。ところで通行止めになるのは、ここから福井集落までの4.8㎞区間なんだそうで…時間雨量が30ミリ、連続雨量80ミリ?!。この雨量だと、すぐ通行止めになるような気がするのは気のせいか?。これはなかなか楽しめるかもしれない。角海浜隧道も仕切り直しになったことだし、この道へ行ってみよう!。
旧道に入ると、すぐにこの赤い橋が見える。この橋の名前は浦浜大橋。旧道の上を跨いでいる、赤い立派な橋である。上を通っているのは現道の一般国道460号。この浦浜大橋、何やら心霊スポットとの噂もあったりするみたいだが、私が通った感じではそんなことは全くなく、いかにも普通の橋と言った印象である。ただ単に私がその方面には鈍いだけなのかも知れないが、私の一番の目的は旧道なので、一向にお構いなしである。旧道はこの浦浜大橋の下を潜り、五ヶ峠を目指して進んでいく。
先へ進んでいくと、いい感じに道が荒れてくる。左側のガードレールの倒れ具合などは「いかにも」と言った感じで旧道の雰囲気満載なのだが、これ以上荒れてくると廃道になる可能性が大(笑)
ま、それはそれで楽しいものだが、今のところそんな感じはなさそうなので、ここは気にせず先へ進むことにしよう。
道はつづら折りで高度を稼いでいく。このカーブの曲がり具合は、古くからの峠道ならではのものだろう。旧新潟市近郊で唯一、冬季通行止めになっていた道だけのことはある。この道の周りの木々は杉ではなく広葉樹が多く、昔からの森であることがわかる。最近通ってきた旧道は杉林が多かったので、こういった森は実に新鮮に感じられた。
途中で振り返って撮影。山の稜線と、その左側に顔を覗かせる日本海が美しい。
ところで、こういう風景はどこに露出を合わせるかで悩んでしまう。この画像の場合は太陽光が当たっている山の斜面に露出を合わせたため、手前の道路風景が暗くなってしまった。ところがこれを暗い道路に合わせると明るいところが白トビしてしまう可能性があり、なかなか難しい。これを防ぐにはブラケット撮影と言う手法(それぞれ露出を変えた画像を2~3枚全く同一のアングルで撮影し、現像段階でそれを1枚に合成することで全体的に均一に光が当たっている画像となる手法)を用いたりするのだが、この時はそれをすっかり忘れていた。もっとカメラの撮影の腕を上げなくてはいけないなぁと痛感した次第である。
さ~て、なんだか道が細くなってきたぞ。意外といい感じの細さじゃないか?(笑)
左側の崖から転落してしまうのを守っている、頼りなげで半分苔むしているガードレールがまた素敵。それに、山側にポツンと立っているデリネータ(反射器)がいいアクセント。いかにも「旧道」らしい、そのものじゃないか。やはり、森の中を進む旧道は好きで、いい感じである。この辺でペットボトルのお茶で一息入れて休憩した。
気力も体力も復活!(笑)。まずは五ヶ峠を目指して進もう!。