一般国道345号旧道
鬼坂隧道
 第2部
「山の中の小径」

2024年5月18日 探索 2024年8月15日 公開

山の中の小径

ピストル一発~。と言っても決してアヤしいものではなくて、某百円ショップで売っている8連発の火薬のピストルの話だ。それを一発「パンッ!」と鳴らして探索開始…と同時に目の前に現れたのが、これ。ヤブ…とまではいかないが、なかなかの荒れ具合。とは言うものの、現道の鬼坂トンネルが竣工したのが1991年(平成3年)9月だから、旧道化してからおよそ34年(2024年現在)。それだけの時間が過ぎれば、このくらいの荒れ方は仕方ないか。いや、まだ荒れてない方なのかもしれないなぁ。

路面のアスファルトはまだしっかりとして、少し整備すれば車はまだ通ることはできそうだ。ダブルトラックに見えなくもない。もしかすると、ここも楠峠同様につい最近まで車の通行があったのかもしれない。

うっすらとダブルトラックが残る道。この道はどんな人や車が通っていたんだろうか。もしかするとバスも通っていたかもしれない。こうしてみると勾配はさほどないようにも見えるが実際は結構な勾配で、非力な昔のバスではこの坂道を上るにも大変だっただろう。下りは下りでスピードが出ないように気を付けないと、あっという間にガケから落ちてしまうこと請け合いだ。その道の周りには灌木や草が茂っているが、現道時代はこんなになっていなくて、もっと見晴らしの良い道だったことは間違いない。さて、ここからどんな景色が見えていたのか。

灌木を避けて草を掻き分けながら進んでいくと、道は右のカーブへ差し掛かる。空は素晴らしく晴れて眩しいほどの青空、その青空の光に照らされて輝く森の木々の緑。のんびり歩いていくと、普通の生活からは切り離されて実に満たされた時間が流れる。…のはいいが、真ん中だけ踏み跡があってアスファルトが露出しているということは、やはり最小限は通行があるということなのだろうか。その通行は…クマじゃないよね(汗)。

この画像、一見すると単なる笹ヤブを写したように見えるが、さにあらず。実は非常に見にくいが、画像中央付近にガードレールが写りこんでいるのにおわかりだろうか。それにしても素敵な笹ヤブだ。この笹ヤブの笹は背がさほど高くないからまだいいが、これが人面峠のような笹ヤブだったら、お手上げだ。そうなると、まさしくナタの出番になるな。ちなみにガードレールの先は思いっきり急なガケだから、このヤブには突っ込んで行かないように(笑)

いいねぇ…

笹ヤブから路面に視線を戻すと、そこに見えたのはこんな風景。なんだか植物園の小径を歩いているような錯覚に陥る風景が、私の目の前に広がっていた。目の前にはピンク色の花が咲いている。探索をする私を迎えるために待っていてくれたのだろうか(そりゃ思いすぎか)。でも気分は最高に気持ちいい。こんな清々しい気持ちで探索するのは久しぶりだ。でも、私が気持ちよく歩いているということは、山の中にいるクマさんも気持ちよく過ごしているかもしれない。出来れば会いたくないので、出てこないでね(笑)。

路面の中央にアスファルトを残しながら、隧道目指して進んでいく旧道。白さを残したガードレールにピンク色の花がここにも咲いているのだが、この付近は旧道の周りがなぜか広々としていて何だか不思議な感じがする。手元の地図を見てみると、旧道はこの辺で現道の近くを通るはずで、特にこの辺りは現道と並行しているはずだ。もしかしてこの旧道は、現道の鬼坂トンネルのメンテナンス用道路としての役割もあるのかな?。

でも、目指す鬼坂隧道はまだまだ先!。探索は進む。

第3部
「千歳緑の、その先へ