一般国道112号
早田川橋旧橋
2025年6月7日 探索 2025年7月21日 公開

2025年5月5日、子供の日の大網橋探索の帰り道、国道112号を月山から鶴岡市街地方向に車を走らせていた私は、道路脇に設置されたこの看板を目にする。国土交通省東北地方整備局酒田河川国道事務所の月山国道維持出張所が管轄する「上名川除雪ステーション」。
普通に見れば何事もなくスルーしてしまいそうな看板だが、今回はしっかりと目に留まった。…いや、正確に言うと、その脇にある看板に目が留まったのである。その看板は実に単純な看板だった。国道を通っているとよく見かける、橋の名前を記してあるだけの看板。それがこれだ。

「早田川橋」。単純に「はやたがわ」と読みがちなのだが、実は「わさだがわはし」と読む。この早田川、実は非常に澄んだ水が流れる清流で、その全貌は山形大学河川環境学研究室様のWEBが非常にわかりやすく解説しておられるので、興味のある方はぜひ見て頂きたい。
ところで、私はこの看板だけでは気にも留めなかったかもしれない。じゃ、なぜ興味を引いたのか。それは、この看板の脇にこんな風景が見えたからなのだった。

これだ。私の車に装着されている、いささか古いナビで地図を見てみると、この左側の道はこの先で再び現道に合流している。これだけなら、集落を抜ける道としてスルーしたかもしれないが、一つだけ違うのは現道側の途中に「早田川橋」という橋が存在していることだった。現道に橋があるなら、この旧道と思しき道にも橋があるはず。それは国道112号の旧道の橋である可能性が非常に高い。
目の前にこんな人参をぶら下げられては、走るしかないだろう(←ある意味、この男も単純だ(笑))。画像のように車を停めて、現役の舗装路なのでダニやヒルの心配なく進んでいけるから、カメラ片手にこの道を歩いていくことにした。

これが国道112号の旧道…。現在の道幅と比較すると恐ろしく狭く、ここを大型自動車が行きかっていたと考えると、少々恐ろしいものがある。特に中央に見える住宅の方々などは、大型車が通行するたびに大なり小なり揺れるだろうから、それだけでも大変だったのかもしれない。こう考えると、道形変更のための局所改良も必要なことなんだと、ここに立ってこの風景を見ながら思う。
…だが、それも長くは続かなかった。…暑い(笑)。
元来暑がりの私は夏になると大量の汗をかくが、最近それが多くなった。いろいろ調べてみると、どうやら男子の更年期らしい。体のことなので受け入れるしかないのだが、なかなか厄介な身体になったもんだ。

その正面の家の前まで来た。道と道に挟まれた、私からすると何とも羨ましいような家だが、実際に住まわれていた方からすると、騒音や振動などで大変だったかもしれない。道の先のほうをここから眺めてみると、この道には途中にやはり橋がありそうだ。この道の今の姿を見れば、往時の橋が残っていて御の字だろうという気がする。その橋に出会うのが、ここから見ていても非常に楽しみだ。

山の中の集落跡などでよく見られる、低い石垣。ここは山間部ではないが、土地を水平にするために造られるので、もしかすると過去はこの部分に、何か建物が建っていたのかもしれない。探索の途中でこうした痕跡を見て想像するのも実に楽しい。そこにちゃんと生活が営まれていた痕跡があるからだ。最初はこちらに家が建っていたのかな?などと思うと、往時の風景が蘇ってくるようでもある。

さぁ、この道の探索はここから始まる。
右側の橋は現道だ。そしてその左側、旧道側には何やら橋のようなものが!。
逸る気持ちを抑えて、周囲を観察しながら歩いていく。