新潟県一般県道480号
山中上野線 第4部
「稲架掛けの先に」
2024年9月28日 探索 2025年2月1日 公開
稲架掛けの先に
休憩して鋭気も養ったし先へ進もうかと、あの新潟県の国道7号の蒲萄峠を彷彿とさせる場所から進みだすと、ほどなくこういった場所に辿り着く。ここは道の分岐点で、ここから左に進むと下り坂になって国道252号に辿り着く。県道はここから右が正解で、右に進んでいくと山中の集落に入っていく。
正面の小屋は農機具小屋かな?。小屋の周囲が丁寧に下草が刈られているし、何となく現役っぽい雰囲気が漂っているから、これは多分廃屋などではなく今でも現役だろう。山の中の道を進んでいて、こうして今でも現役の建物が現れたりすると何となく安心したりする。
地図を確認しながら交差点を右に曲がって進んでいく。ここから少し進むと山中の集落に辿り着くはずだ。右側には駐車帯。その路肩にはガードワイヤーの姿が見える。これは現役の国道時代からの物だろうか。道幅も少し広くなって、優に対面通行が出来るほどの道幅になっている。先ほどの分岐点から左に折れて252号に進む道がそのままここに来た印象で、山中集落に行き来するメインルートになっているようだ。
なるほど、それならこの道幅も納得。…でも、本来の252号の旧道は一部農道のようになっているところもあったりして、何となく不憫と言えば不憫かもしれないが、道として大いに地域の人たちの交通を支えている訳だから、それはそれで良いんだろうな、うん。
と言うようなことを一人でブツブツ呟きながら、のんびりと自転車を漕いで進んでいく。
おお、沿線に建物が増えてきた。山中の集落が近いようで、右側には雪国特有の屋根が丸い車庫か農機具小屋が見える。左の電柱の先には…コンバインかな?。その電柱のそばには、今では見かけることも珍しくなった木製の電柱の姿も見えるし、道路に面して一直線に並んだ建造物の姿も。…おや?。農機具小屋の後ろ側には綺麗に保たれた土の法面があり、その上には建造物らしきものの姿も見える。
山の中の集落の姿が目の前にある。これは嬉しい。ここに立ってこうして眺めていると、遥か昔にここを歩いて、仙田の峠を目指していた旅人の姿が見えるようだ。ここから仙田の峠まではまだしばらくあるが、当時はこの山中の集落が旅人が一息つく休憩所の役割を果たしていたのかもしれない。
道幅は少し狭くなったが、それでも先ほどまでとはどことなく道の雰囲気が違って感じられる。人里の中の道だからだろうか。軽トラなら難なく離合出来そうな道の先には何やら建物が見えるし、道の左側には民家の姿も見える。集落の中では極力撮影はしないことにしているので、御覧頂いている皆さんには集落の雰囲気が今一つ掴めないかもしれないが、これぞ山間の集落と言った感じの雰囲気に包まれている。道の路盤の左下に民家があるせいか、ここでは久しぶりにガードレールの姿を拝むことが出来た(笑)。
先ほど、突き当りにあった建物がこれだ。「山中集落センター」とある。おそらく地域の公民館の役割を果たす、この集落で中心的な建物だろう。探索時は特に行事等は何もなかったようで静かに佇んでいたが、地域の行事や祭りや選挙など、山中集落が総出で何かを行わなければならない際には、ここは賑やかになるんだろうな。正面入口脇の壁には、この集落でおそらく唯一であろう郵便ポストが設置されていた。収集間隔は確認していないが…多分一日一回だろうと思われる。
チェンジ後の画像は、この建物の横を見たものだ。この山中集落センターは柏崎市の指定避難所にもなっているようで、やはりこの集落では重要な建物だった。避難所として使われることがないようにと願う。
山中集落センターを後にして、自転車を押しながら進んでいく。ここでも稲架掛け(はさかけ)をしている姿が目に入る。この探索を行っていた時期はちょうど「令和の米騒動」の時で、これならもうしばらくすると米の価格は下がりそうだなと思ったものだ。稲架掛けをしている姿が見れてよかった、と思いつつ稲架掛けを後にして先に進んでいくと、道の左側には民家が、右側には擁壁があった。この擁壁が何か気になって覗き込んでみると…この擁壁もしかして…?。
おおおっ!石垣じゃないかっ!
一気にテンションが上がったのは言うまでもない。先ほど休憩を取ったが、気温の高さと坂道で少々バテ気味でもあった。そこにこの石垣だ。一種のカンフル剤になって一気に元気を取り戻した。単純なヤツである(笑)
これはイカン。民家が近いが、ここはじっくり見ないといけないだろう。さて空積みか、練積みか…。正面からはまだ見ていないが、ざっと見たところ排水口に使うパイプの姿が見当たらない。そうすると多分空積みだろうな。…と、現地でこんな独り言を呟きながら、あーでもないこーでもないと熱心に石垣の撮影をしている中年のオジサン。傍から見たら、なかなか「やべぇヤツ」であることは言うまでもない(笑)
次回、この石垣を存分に愛でて先へ進むと
そこには道を護るものが…!。
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