新潟県一般県道427号
五十子平真田線
第3部「エフロレッセンス」
2025年7月19日 探索 2025年10月14日 公開
エフロレッセンス

集落を後にして先に進むと、やがて橋に差し掛かる。この橋が越える川は東川(あずまがわ)。この川はこの先で越道川に合流し、更に渋海川に合流する(ここで、越道川と聞いて「おや?」と思われる方がいらっしゃるかもしれない。この越道川は、以前に一度レポートに登場している。一般国道253号犬伏トンネル旧道 第9部「越道川と渋海川」で、犬伏トンネルを出たところに架かる橋「出合橋」で渋海川に合流している川が、この越道川である)。
交通量が少ないのか、それとも草が繁茂しすぎているのか、橋の周りには緑がやたらと多い。普段街中に住んでいる私としては、緑が多い方が目に良いなどと言う話を聞いたりするのだが、それで視力が良くなったためしはないし…真偽のほどはいかがだろうか。

親柱を見てみると、立派な銘板がはめ込んである。そこには「一般県道427号五十子平真田線」と記されてある。この親柱の銘板に、橋が所属する路線名が表示されるのは新潟県特有らしく、山形県や福島県でも探索してレポートしているが、橋の親柱に所属する路線名称が記されていたことは一度もない(逆に私はこの様式に慣れてしまっているので、他の県に出向いた際に橋を見てみると、橋名と竣功年月日が記されてあるだけで路線名称の表示はないので、戸惑った覚えがある)。その親柱は、やや白いものが溢れ出してきており、これは「白華現象(エフロレッセンス)」によるものと思われる。
白華現象(はっかげんしょう=エフロレッセンス)とは、簡単に言うとコンクリート表面付近の石灰成分がコンクリートに染み込んだ水分などで溶けて表面に染み出し、水分が蒸発して石灰分だけが残ったり、空気中の二酸化炭素と反応して固まることによる。これらは以下の条件で区別される。
- 1.コンクリート等が硬化する時に、内部から表面へ移動した余剰水により溶かされて析出したものは一次白華 (析出…せきしゅつ。溶液またはガスなどから固体が分離して出てくること)
- 2.ひび割れや表面を伝う雨水・地下水等、外部の水により溶かされてできるものは二次白華
この白華現象は、コンクリートが固まる際の水分量の他にも様々な要因が関係して発生するものと考えられていて、例えば日光がコンクリートの表面に当たって乾湿の差が大きい南側には生じやすいとされていたり、気温が高い夏よりも、寒い冬の方が進行しやすいといった特徴がある。

画像が荒くて申し訳ない。原画を見ても、これが記されているのが何かわからなかった…。だが、興味深いのは親柱のひびが、銘板の付近に集中しているということ。これは気温の温度変化による収縮率の違いで銘板と親柱に差が起きて、ひび割れてしまったんだろうな。
こんなに立派な橋があるのに、ここまですれ違ったり見かけた車は皆無だ。この道、本当に重要な道なんだろうか…?と疑いたくなってしまう。

下を流れる川が東川。その脇の一段高いところに小さい田圃を見つける。休耕地かな?とも思ったが、その割には周囲がきちんと草刈りがされていて、生えている植物も背が揃っていることから田圃と見た。こんなところで密かに(失礼!)造られているお米は、この周辺の山の栄養を一手に吸収し、美味しいお米に育つことだろう。だが、その管理の大変さは筆舌に尽くしがたいだろうし、頭が下がる。
…と、そんなことを思いながら少し視点をずらして東川を覗き込んでみると…

おお!、この白き壁の護岸はなんだ!。石灰石だろうか。緑にあふれた(溢れすぎているという話もあるが)周囲の景色の中で、この白い壁はひときわ目を引く。ここなんか、少し整備すれば立派な観光資源になるのになぁ…と思ってしまう。思うに、この周辺(十日町市、松代地域、松之山地域)は地質に特徴がある地域と聞く。そのため、こんな素敵な川の風景があるんだろうな。

緑に包まれた田圃の風景。こうしてみると、以前はこの田圃の上方にも段々に田圃が広がっていたのかもしれない。なんとなくそういう雰囲気を持った場所のように思われる。その中で唯一ここだけは田圃で、今も水稲が栽培されている立派な田圃だ。近くに民家は少ないので、田圃の管理だけでも大変だと思うが…。最近はクマも多いので、ぜひ注意されて美味しいお米を作っていただきたいものだ。
次回、いきなり出てくる工事現場。
拡張工事の真っ最中?!
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