新潟県一般県道427号
五十子平真田線

第2部「山吹色のカーブミラー」

2025年7月19日 探索 2025年10月09日 公開

山吹色のカーブミラー

五十子平の素晴らしい景色を後に進んでいくと、やがてこの左カーブに差し掛かる。
ん…カーブの右側に伸びるアスファルトは何だろう?。それに、正面に見える幟(のぼり)の奥に、微かだが何かあるように見える。この県道の跡だろうか。もしかして、ここから直進していたのか?!などと思い、車から降りて、喜び勇んで細く残ったアスファルトを辿りながら奥へと足を進めていくと、そこには…!

茂みの中に突っ込んで行くアスファルト。これはもしかして!と期待を膨らませて進んでいくと、茂みの暗闇の向こう側に見えたものは…カーブミラー?。それにしては光っているものが全然なくて、ここから見えるのは黄色い丸のみになっているなぁ。もしかして鏡面が落ちているのか?。そうか、ここは旧路盤の跡で、もともとこの左カーブは結構な急角度になっていたんだな。それを…おそらく山側を削ってカーブを緩やかにして…と見た。この道は険道ではあるけど、こうしてちょいちょい細かい改修が行われているようで、この道はやがて通りやすい重要な道になるのかもしれない。

おお、こうなっているのね。たぶん…カーブミラーはあるけど結構な急カーブで、落ちた車が結構あったのかもしれない。ガードレールないしねぇ…。ガードロープもないしねぇ…。正面は森だしねぇ…。しかもいかにも深そうに落ち込んでいるしねぇ…。こりゃ改修されるわね。ここは「落ちたら死ぬ!」の看板が欲しいところだが…。カーブミラーの支柱にツタが絡みついているのが、いかにも道がありましたって感じを醸し出している。

ん~…実に美しい。けど、山肌に木々が茂っているところと、鮮やかな緑のところとある。正面にはつい最近崩れた斜面の跡。おそらくだが…鮮やかな緑のところは中越地震で滑ったところなのかもしれない。もしそうだとすると…これだけあっちこっちで滑ったんだ…。強大な自然の、地震と言う力に畏怖を覚える。今は非常に穏やかな山の景色だが、ひとたび自然が牙を剥くと人間なんか敵わない。まして山にくっついている道なら、山が崩れればひとたまりもないだろう。そうして崩れた道はそう簡単には戻せないし、そういった道が廃道になる。

五十子平の集落の県道の交差点にあった廃屋。集落の中で中心部にあり、県道との交差点に面していたことから、旧くは集落の中で中心的な商店だったんじゃないかなぁと思われる。建物自体は多少歪んではいるものの、正面の白壁の造りなんか素晴らしい。正面の入口には日除けのテントがあって、今では見られないような赤と黄色の色合い!(誉め言葉だ)。営業されてた頃は、多くの人が訪れたのかなとか、駄菓子なんかあったりして、小さな子供で賑わってたのかななどと想像してしまう。こういった建造物はぜひ行政の手で保存してほしいなと思うが…難しいのかな。

柱に固定された、飲料製品の看板。今も盛業中の会社で、私もよくお世話になっている美味しい製品だ。表面は錆びてみる面影もないが、それでもちゃんと判別できるというのはすごい。お店が閉まってからも、この製品をアピールし続けるって、同じようなブリキの看板が今でも多く残っていることの証ではないか、などと思ったりした。この看板で、どのくらい時間が過ぎているのか。それは、この錆が物語っているような気がする。

次回、集落を離れると橋の姿が。
深く抉られた谷で見つけたものは!

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