新潟県一般県道413号
大崩岩山線 狭路区間

2018年9月24日 探索・2018年11月20日 公開

新潟県一般県道413号線は、新潟県小千谷市岩山と大崩を結ぶ新潟県一般県道である。
全長がさほど長くないこの県道は、国道117号と接続する終点の岩山側に短い旧道があり、その区間は旧道区間として探索・公開済みである。
その旧道はガードレールもない上に、道幅も非常に狭くて急勾配、降雪時はどうしていたんだろう?と言う状態で、山上にある岩山集落を目指して一気に上り詰めていた。
この道が現役だった頃にはと、廃道・旧道初心者の私に旧道が現役当時の様々なことを想像させてくれる、短くも素晴らしい旧道であった。

国土地理院の電子地形図(タイル)に注釈を追記して掲載

それに続く今回の狭路区間は、この近所にある新潟県一般県道58号を調査しているときに発見したものである。まずは地図を見て頂こう。

この県道は、県道58号から分岐する起点の大崩(おおくずれ)側が狭路区間、国道117号に接続する岩山側が旧道区間と、なかなかそそられる道(笑)である。
地図を見ると、この県道はこのような路線配置になっている。ちなみに狭路区間と旧道区間の間に挟まれた中心部の区間は、対面通行の快走路である。
ただ、終点の直前に雪崩注意区間が結構長い距離で存在し、この地域の雪深さを物語っている。それでは行ってみよう!


今回は終点の岩山側から大崩を目指すことにした。現在地は岩山側の旧道区間と集落を抜けたところである。地図上では岩山集落を抜けて、県道413号が左カーブになる直前の地点である。

この標識は「雪崩(なだれ)注意」と言う意味らしい。同じ新潟県でも、私が居住する新潟市を中心とする下越地方にはこのような標識はなく、冬になると雪深いこの地域ならではの標識である(ちなみに下越地方は、ひし形にビックリマークの「その他の危険」の標識に、補助標識で「なだれ注意」としてある)。
近くで見てみよう。ただ、標識の下に明後日の方向を向いている補助標識が気になる…

なぜ補助標識だけが明後日の方向を向いているのかわからないが、やはり「なだれ注意」の補助標識だった。上の標識と同じ方向を向いていた方がいいと思うのだが、どうか。
さて、では先に進んでみよう。この時には、この先がどんな道なのか事前調査もしておらず、まったくわからなかったのでワクワクしながら進んでいくと、こんなものが出てきた(笑)

おおっと?!(笑)
この先、連続雨量140mmになると通行止め。その距離はなんと4400M!。これは結構長い区間だ。と言うことは、裏を返せばそれだけ過酷な道かもしれないということで、違う意味で楽しめそうな道に期待が膨らむ。

で、さっきの連続雨量表示板の先に見える左カーブを曲がると、すぐにこれだ(笑)。
幅員2.3mとはかなり狭い。だが、これと同じ標識を506号でも見たな。
でも、506号の幅は2.3mどころではなく、もっと狭かったぞ(笑)。
それに、その下に見えるのは「路肩弱し」だろうか、この標識も新潟県オリジナルだろう。
先ほどの「雪崩注意」や、この「路肩弱し」などのオリジナルの標識に溢れているので、通っていてもなかなか楽しい。こんなオリジナルの標識を見せられては、ますます期待が強くなってくるではないか(笑)。

ある意味、期待通り!

うん!やっぱり狭い!。これよこれ!(笑)。どうしてこの地域の県道ってのは、こんなに狭い道が多いのか?。これなんて506号とタメを張る、なかなかの狭さではないか。前から車が来たら離合できない、と言うか、はっきり言って「焦る」(笑)。見通しが良いので「先を見ながら運転してくれ」と言うことだろうか。

う~ん、いいなぁ!。道幅は少~し広くなったようだが、それは気休めと言うものだ。ガードレールもなく、駒止もない。落ちたらそれで終わりである。山側の法面と路肩の斜面を見てみるとほとんど同じ角度なので、道の部分だけ削ったのがよくわかる。実にわかりやすい道だ。
この素敵な道がこの先、どんな風に進んでいるのかと先を眺めたら…

…なるほど。山にへばりつくように道が走っているのがよくわかる。これは県道と言うよりも、普通に整備された林道か農道と言う雰囲気だ。この道は乗用車は似合わない。この道に似合うのはズバリ「軽トラ」とか「軽バン」じゃないか。

道は峠を目指して緩やかに上り坂になっていく。ここは上り坂に加えて左カーブとなかなかの難所で、正面から車が来ればバック必須である。対向車が来ないように祈っておこう。
ところでこのカーブを見ていると、ここに軽便鉄道でも走っていたとしたら素敵じゃないか(実際には違うけどね)。

ここは峠なのだろうか。この上り坂と、何と言ってもこの道幅の細さ。峠を越える時まで細いままだった。この小さい峠を越えると、狭路区間はやがて終わりを迎える。この狭さももうすぐお別れだ。

ここが狭路区間の出口である。ちなみに私が立っているところは至極ありふれた、2車線の対面通行の普通の道。これがいきなり幅員2.3mになる訳だから、走っている車としては大変だろう。
実際、私が撮影している最中もミニバンタイプの車がやってきて、標識と道を見た瞬間に急ブレーキをかけていた。そりゃそうである。今まで2車線で快調に走ってきて、いきなり予告なく幅員減少の標識が現れて、そこからいきなり幅員2.3mになるのだ。しかも、ここから見える幅員減少の標識の補助標識は「この先」と、思わず笑ってしまうほどに実に素っ気ない(笑)

これは標識の脇にあったデリネータと、そのそばにあった境界標である。このデリネータに「新潟県」の文字が明朝体になっている場合は、設置されてから結構時間が経っているものだ。最近、建てられたデリネータでは、もう少し柔らかな字体(丸ゴシック)になっているようだ。
だが、これがここにあると言うことは、この道は立派な県道だと言う証でもある。

角度を変えて撮影してみた。この狭路の唐突な始まり方!。
「幅員2.3m」」「この先」の標識と、路肩弱しの標識が「ここから先はせめーぞ」と言っているかのようである。


道はこの先で道幅が広くなって、この413号の起点の大崩集落に入り、県道58号に合流する。
58号をそのまま山の方角へ走ると、池の平集落で今度は県道506号が合流し、そのまま進むと「あの」未開通区間に入る。
このあと私は県道58号に合流すると、そのまま国道117号方向へ下りて行ったのだが、117号に合流する直前に、県道58号に込められた思いがしたためられた石碑を見つけた。だが、それは58号の完結編で書くことにしよう。

狭路と旧道、2つが楽しめて、
オリジナルな標識も非常に楽しい道。

新潟県一般県道413号
大崩岩山線 狭路区間

完結。