新潟県一般県道207号
大栗田村上線
第9部「美しく脆い道」
2025年8月31日 探索 2026年1月22日 公開
美しく脆い道

先に進むと15番カーブ。そこにはおなじみの名前があった。
「よもぎ」。このよもぎを餅や団子に加えて、美味しくいただくのがポピュラーだ。「よもぎもち」だと、あんこやきなこをつけていただいたり、あるいは焼いたりするのも美味しい。団子だと、新潟ではやはり笹団子だろうか。いずれにしても美味しいのは間違いない。菱餅などにもよもぎを混ぜたりする、意外と私たちに身近な草かもしれない。ちなみに、今までの例に漏れず、看板の近くにはよもぎの姿はなかった…。
ところで、よもぎは実は「もぐさ」の原料としても使われる。よもぎの葉の裏にある白い綿毛を精製したもので、主にお灸(きゅう)に使われる生薬・材料だったりする。乾燥させたよもぎを臼で潰し、葉や茎を取り除いて綿毛だけを集めたものが「もぐさ」で、火がつきやすく熱さも少ないため、体を温めたり血行促進、様々な不調(腹痛、下痢など)の緩和に役立つんだそうな。
このよもぎ。いろんなところで見かけるが、実に役に立つ草花ということだった。今度から収穫してみようか(笑)。 さて、先に進もう。

続いて16番カーブ。そこには「たんぽぽ」の名前があった。一口にたんぽぽと言っても、セイヨウタンポポ、日本タンポポなどがあるが、夏ころに見られるのは主にセイヨウタンポポと言われる。いろいろな薬だとかに利用されるらしいが、私が一番先に思い浮かぶのは、刺身のツマについている黄色いタンポポだろうか。あれ、ちょっと苦くて、なかなか美味しかったりするので私は好きだ。
ところで、看板が二つ続いてしまったが、それは沿線の風景に特筆たる景色がないということでもあるんだけど、決して「つまんない」ということではないので、誤解なきよう。道は門前川のそばを走っていて、非常に美しい渓流の景色を見ることが出来る。

ほらね。なかなか良い道の風景でしょ?。適度に狭くて、適度に荒れてて、しかも現役の県道。道はなかなか標高を上げていて、ここでは路面から川の水面までは結構遠く、落ちちゃうと…ねぇ?といった具合の落差だった。
おまけにここは靄(もや)の影響が多くあって、道全体が湿っている印象だ。おかげで路面の枯れ葉まで湿ってしまっていて、少し車を停めて歩いてみたものの、まぁ滑ること滑ること。車で走っていてもきっと滑るだろうから、気をつけないといけない。

ここに来ると道幅は若干広くなったが、あくまでも若干だ。路面、そこに生えている木々、草までが十分に潤っているとでもいうべきか、湿っている印象だ。これだけ湿気があると地盤も崩れやすくなるのか、左カーブを過ぎたあたりには派手に崩れた斜面がある。あの位置から崩れているなら、相当量の土砂が路面を覆ってしまったんじゃなかろうかと思うのだが…。

おお!崩れたのはここだな!。…また派手に崩れてしまったなぁ。なんだか、ほんとに地盤が弱かったところが一気に崩れてしまったという感じだ。今は土嚢で崩れるのを止めているが、いずれ本格的に工事が始まるんだろう。修復の予算は来年度だろうか。すると、予算が取れれば来年(2026年)の雪解けあたりから工事が始まるのかな。ここも周りの木々が刈り取られた後に、吹付けコンクリートでガチガチに固められてしまうのかと思うと、何だか少々寂しい気もするが…。土嚢の代わりに「ふとんかご」なんかどうだろう?。
「かご工」は法面保護工の構造物の一つで、その機能や形状、設置方法などで3種類に分類される。その種類は「じゃかご工」「ふとんかご工」「かごマット工」とあるが、「ふとんかご工」は、湧き水や表面を流れる大量の水で法面の表面が削られたりするのを防ぐのと、土圧に抵抗する目的で設置されるもの。湧水が起きた箇所や地すべり崩壊の復旧に用いられることが多く、法面工というよりは、むしろ土留め用として施工される場合が多い。

崩れた箇所に正面から相対してみると、やはり大きく斜面が崩れ、結構な量の土砂が路面に落ちてきたのだろうということが想像できる。…なんだかこうして見ている今でも、崩れてきそうな気がする。崩れた斜面から覗いている木々の根っこが生々しい。ま、崩れそうな場所がすべて崩れているから、土嚢で止まっているんだろうけどね。
美しい風景を持つ道は、酷く脆い一面も合わせ持つ。…私はこれまで、そんなに多くの道を辿ったわけじゃないし、私が通ってレポートにする道は、いわゆるメジャーどころの道じゃないけれど、美しい風景を持っている道は多くある。私が通った後に崩れてしまって、今では通行禁止になっている道もあったりするが、そんな道にはもう二度と会うことは叶わず、そこから見る風景も二度と見ることは出来ない。そんな道たちの通れなくなる前の最後の姿を、レポートに出来てよかったと思ったりしている。…ま、私の自己満足なのかな。
次回、ここに来てやや崩れている箇所を通る。
やはりここも災害県道、起点までの旅を続けよう。
