新潟県一般県道207号
大栗田村上線
第4部「森の中の橋」
2025年8月31日 探索 2025年12月23日 公開
森の中の橋

「へちま」を過ぎて、道は右側を流れている門前川沿いに進んでいく。夏の日差しに照らされた木々が非常に美しい。この辺に来ると道幅はそこそこあり、大型車でも優に通れそうな感じの道幅だ。右側の路肩に見える、少し弛み気味のガードロープが愛おしい。左側の法面が、なかなかいい感じに草に覆われているではないか。この法面はもしかして…石垣だろうか?。石垣かなぁ?。うむ、もう少し近づいて見てみようかな。

やはり石垣だった!。しかも玉石の間にモルタルがある練積みではなく、そのまま組んである空積みではないか!。いかん、これは少しじっくり見ないといけないだろう。石垣の間からシダなどの植物が大挙して生えている。石垣の上を見ると数多くの木々。その木々が強い日差しから道を護り、落ち着ける空間になっている。ここでこんな景色を見ながら地面に座り込んで、しばし「ぼーっと」したいもんだが、今のご時世にそんなことしたら、クマに襲われてしまうかもしれないのでやめておく。

石垣に囲まれた道はこの先、右カーブをなって門前川を渡る。この石垣はその橋の直前にあり、わかりやすい場所なのだが、この石垣を現地で見るとその迫力に圧倒される。なんというか…果てしない時間をかんじさせてくれるのだ。ここに来る前も、十日町市の五十子平真田線を巡ってきたし、その前には7年越しの稲川隧道完結編を辿ってきたが、こんなに立派な草まみれの(←失礼!)石垣はなかったように思う。石垣の一つの石に手を当てて目を閉じると、この石垣の歴史が感じられるようで楽しい。この道の祖先は…もしかして林道か?。

いいねぇ、この橋!。単純な桁橋だが、単純な脊柱に鉄管を組み合わせた高欄の造り方に、年代を感じさせる。こういう深い山の中で通る者を静かに待っているかのように佇んでいる橋は、個人的に大好きだ。しかもこの橋、結構年季が入っているに違いない。橋手前左右路肩の(駒止めを繋ぎ合わせて作ったような)路肩逸脱防止の構造物などは、苔むして非常にいい感じになっているではないか。
こうして道と戯れていると楽しく、まだ勉強したいことが多くある。まだまだ探索をやめるわけにはいかないな…と言うのを実感した。

橋の下を流れるのは門前川。橋の親柱の脇から川を覗き込んでみると、護岸工事も何もない自然のままの川岸の風景が素晴らしい。そこに架かる橋の親柱に取り付けられた白い石板の銘板に視線が行き、銘板に刻まれた文字は「村上営林署」。やはりこの道の祖先は林道だった。前回のレポート、十日町市の五十子平真田線の第6部で登場してきた「県行造林」なのかもしれない。

これがこの橋の全景。この画像は橋を渡り終えてから撮影している。親柱が傾いているのがご愛敬。どなたか当たってしまったかなぁ。竣工当時はコンクリートの色よろしく白かったはずだが、今は御覧の通り全体が苔に覆われ、濃い緑色になっている。橋を渡ってから振り返ってみると先ほどの石垣が実に立派で、こうして少し離れて眺めてみても十分に美しい。こういった山中で、なおかつ橋で川を渡る部分の道路ってのはしっかり造ってるもんだ。この道、ホントに竣功したのはいつなんだろうか?。橋の竣功がわかればおおよそわかりそうなものだが…親柱の銘板が真っ白になっててわからないのよ~。いつなんだろう?。少し調べてみることにしよう…。
次回、森の中を進む県道、花の名前が2つ登場。
「ちゅうりっぷ」と「りんどう」。あなたはどっちが好き?。
私はもちろん「りんどう」。林道だから!←りんどう違い(^^;
