新潟県一般県道207号
大栗田村上線(完結編)
第18部「住む人を護る道」
2025年8月31日 探索 2026年3月13日 公開
住む人を護る道

いやぁ…暑いねぇ…
あまりの暑さに個包装の梅干しを1個食べて、冷たい麦茶を流し込む。酸っぱく感じない丁度いい酸っぱさと、すっきりする冷たさが身体にしみわたって、生き返った感じがする。この探索は、これまでのレポートの中でちょいちょい話していた通り、車に乗って行っている。だけど、燃料費節約のためにエアコンを切って窓を開けて、それぞれの風景の撮影を続けていた。熱中症予防のためにエアコンはたまにかけていたものの、基本的には汗をかいて撮影をしていたのだった。
それまで着ていたTシャツを脱いでボディシートで拭いたあと、寄ってくるアブを払いながらTシャツを着替えてすっきりして、梅干しと麦茶と言うわけだ。この風景は橋を渡った後の画像だが、その橋はなんと言う橋か。早速親柱を見てみることにしよう。

この橋の名前は「あらたはし」。ありきたりのコンクリートの桁橋だけど、最初からコンクリート製だったはずじゃないと思って、せめて橋台だけでも残ってないかと周辺を探してみるものの、それらしき構造物がない。やっぱり、初めてここに橋が架けられたのかなぁ…と思いながら、炎天下の中それぞれの親柱を見て回ることにしよう。…親柱もコンクリート製だが、銘板の下あたりに白いものが見える。これは…エフロレッセンスだろうか。
これまでにも何度か紹介しているが、白華現象について記しておく。
白華現象(はっかげんしょう=エフロレッセンス)とは、簡単に言うとコンクリート表面付近の石灰成分がコンクリートに染み込んだ水分などで溶けて表面に染み出し、水分が蒸発して石灰分だけが残ったり、空気中の二酸化炭素と反応して固まることによる。これらは以下の条件で区別される。
- 1.コンクリート等が硬化する時に、内部から表面へ移動した余剰水により溶かされて析出したものは一次白華 (析出…せきしゅつ。溶液またはガスなどから固体が分離して出てくること)
- 2.ひび割れや表面を伝う雨水・地下水等、外部の水により溶かされてできるものは二次白華
この白華現象は、コンクリートが固まる際の水分量の他にも様々な要因が関係して発生するものと考えられていて、例えば日光がコンクリートの表面に当たって乾湿の差が大きい南側には生じやすいとされていたり、気温が高い夏よりも、寒い冬の方が進行しやすいといった特徴がある。また、酸性雨が原因とされることもあるが、白華現象が起きる要因は多岐にわたるため、一概には言えない。

これは別の親柱。そのコンクリート製の親柱に組みこまれた銘板に記してあるのは「一般県道大栗田村上線」。橋の親柱に、その橋が所属する道路の名称が記されているのは珍しく、どうやら新潟県だけらしい。探索中に橋があると、その親柱や銘板を見たりして路線名称を確かめることが出来たりして、道好きとしては非常に助かるんだけどなぁ。

実は今、息が切れている。だって、この橋長いんだもん。
車を停めて、この橋を確認していたが、親柱を確認するときに橋を何往復したことか。蒸し暑い日と言うのに、片手に麦茶を持ちながら汗を拭きつつ橋を行き来するオッサンの姿の、傍から見るとなんとアヤシイことか。自分で想像してもワクワクする(笑)。
ま、それはそれとして、親柱にはめ込まれた銘板に記された文字は、「昭和58年12月竣工」とある。昭和58年と言えば西暦で言うと1983年。となると、今(2026年)から42年前…だろうか。その間に、この橋を渡った人たちは、どのくらいいたのだろうか。

橋から少し進んでいくと、道はますます細くなって、左側に1軒のお家が。見るに、住んでらっしゃる方はいらっしゃらないように見受けるが…。まずは道を進んでいくと、左側にこんなものを見つけた。
この標識は管理境界標!。だが、大栗田の集落の方向ではなく、なぜに人気がない方を向いているっ!。
この管理境界標は早い話が「ここから新潟県が管理している県道ですよ。なもんで、ここから先の道に何かあったら、村上地域振興局まで連絡をよろしくね♡」と言うことを表している。この管理境界標が人気のない方を向いているのは、路線名がヒントだ。この県道の起点は村上市の国道7号仲間町交差点ではなく、この標識が立っているこの地点が起点と言うことだ。てことは…ここから山の中に入っていく道は林道か、村上市道になるのだな。

この探索、最後の画像はこの画像だ。管理境界標のそばにあった、この家。この家の前まで県道指定が伸びているということは、この県道大栗田村上線が、この地域に住んでいる人たちを護るために指定され、現在まで維持されてきたということに他ならない。やっぱり、道は地域の文化を守り、そこに住む人を護るんだなぁということを実感する。この家からも、あの学校に「行ってきまーす」と言って、朝元気に登校した子供たちがいたことだろう。そんな古の風景に思いを馳せつつ、この探索を終える。
その昔から林業の村として栄えた大栗田集落。
二本の県道が終結する集落は、今は静かにたたずんでいた。
遠い昔の賑わいを今に伝える、学校跡を今に残しながら。
いつか山の中の古道を辿ってみたいけど…
難しいだろうなぁ…
新潟県一般県道207号
大栗田村上線
完結。
新潟県一般県道207号 大栗田村上線
- 大栗田村上線 第1部「夏休みの子供たち」
- 大栗田村上線 第2部「はこべ」
- 大栗田村上線 第3部「へちま」
- 大栗田村上線 第4部「森の中の橋」
- 大栗田村上線 第5部「ぬるで」
- 大栗田村上線 第6部「11番カーブの瑠璃草」
- 大栗田村上線 第7部「おしろいばな」
- 大栗田村上線 第8部「白壁の悪魔」
- 大栗田村上線 第9部「美しく脆い道」
- 大栗田村上線 第10部「美しき幽玄郷」
- 大栗田村上線 第11部「落石注意注意♪」
- 大栗田村上線 第12部「森と川と道と」
- 大栗田村上線 第13部「夏休みに水遊び」
- 大栗田村上線 第14部「時間とともに」
- 大栗田村上線 第15部「山奥の道路情報表示板」
- 大栗田村上線 第16部「高坂橋の銘板」
- 大栗田村上線 第17部「時が止まった道」
- 大栗田村上線 第18部(完結編)「住む人を護る道」
