新潟県一般県道207号
大栗田村上線
第17部「時が止まった道」
2025年8月31日 探索 2026年3月3日 公開
時が止まった道

体育館を横目に県道を進んでいくと、一段高いところにこうした広場があって、そこに立派な門柱が立っていた。それがこれだ。石を四角柱に積み重ねた練石積みの柱だ。そこには立派な銘板がはめ込まれている。そして、その奥には草生した、なんとも歴史を重ねていそうな重厚な階段が見える。ここが大栗田小中学校の校門だろう。非常に立派な校門で、最盛期には多くの子供たちがここを通って校舎に駆け抜けていったことだと思う。しばらく目を閉じていると、子供たちの喧騒が聞こえてきそうだ。

おおっ!これは立派な銘板。銘板が「村上市立」になっているということは、1954年(昭和29年)4月1日以降に造られた銘板だろう(1954年(昭和29年)3月31日に村上市と山辺里村が合併して、山辺里村が消滅しているため)。と言うことは…おおよそ72年前じゃないか。今だったらフォントの文字になるところが、この字体は手書きの文字。こういったものは、ちゃんと大切にしなくてはいけないと、最近強く思う。だって、現代で造ろうかと思うと、かなり手間がかかる代物じゃないかと思うのだ。それに、やっぱり何となく温かみがある銘板になる。

以外に思われるかもしれないが、ここも県道だ。でも、この細さの県道はさほど珍しいことじゃない。こんなのもあるし、もっと酷い県道もあるので、ここなんかはまだいい方だが、右端に立っている、このノッポの消火栓は珍しい。上の方にも消火ホースの接続栓があるのは、おそらく積雪時のためだろうと思う。だが、雪がない状態だと、消火ホースを繋ぐのにもこんなに背が高くなってしまうので、下の方にも接続栓があるようだ。でも、大栗田集落は山の中なので、119番に電話してもすぐに消防は来れないだろうから、仮に集落のどこかが火事になると集落総出で消火に当たったんではないだろうか。

集落の中の道のようにも見えるが、県道だ。木の電柱が現役で使われているのも。また良い。その横には消火栓。いろんな建物が立っているが、ここから見える建物はすべてシャッターが閉まっており、農業倉庫か農機具倉庫のようにも見える。やはりここも過疎化なんだろう。ここまで集落の中を通ってきたが、人影は見なかったし、車もすれ違わなかった。こういった道は「険道(県道)」として珍しくないが、ここは特別。まるで時間が止まったままの道、そんな感じがした。

集落を抜けると橋が登場してきた。おそらく、この橋が県道の最後の橋だろう。その向こうには家屋が1軒見える。あの家屋は集落より少し離れた建物、冬に雪が降ったら…などと考えてしまうと、その生活は大変だったに違いない。だからこの道が大栗田集落への交通を守るために林道から県道に昇格したんだろう。となると、向こうに見えるあの家のあたりが県道の終着点のはず(厳密にいうと「起点」だけど)。ところで、この橋が渡っている川は?と思って、高欄から川を覗くと…

おお!なんとも美しい風景だ!。カミソリ土手も、コンクリートの擁壁もない、自然のままの川岸が、凄く懐かしい感じがする。昔の川ってこんな感じだったよねぇ。この川は…門前川かな?。ここから見ても、この門前川が清流であることがよくわかる。こんな川を久しぶりに見たような気がする。魚いないかなぁ。
あたりには人っ子一人いなくて、私しかいない。探索をしている今の時間が一番暑い15時過ぎのため、小鳥もこの日差しで暑くて日陰で涼んでいるようで、囀る声一つ聞こえず、不気味なくらいにしーーーーーーーーんとしている。
次回、いよいよ最終回。
この県道の最終地点を目指して進んでいく。
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新潟県一般県道207号 大栗田村上線
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