新潟県一般県道207号
大栗田村上線

2025年8月31日 探索 2025年11月28日 公開

始まりは「いかりそう」

今回は新潟県の北の村上市の、とある県道のお話。
この県道、実は非常に地味な県道だったりする。隧道があるわけではないし、何か立派な橋があるわけでもないし、もっと言うと、この県道は行き止まりの県道でもある。じゃ、なんでこの県道をレポートしたのか?。それはネタがないから …じゃなくて、この「大栗田」と言う名前に、何か引っかかったのだった。角川地名大辞典で調べても、さほど惹かれる理由はなかったのだが、それでも何か気になるものがあったので、探索をかけたというわけだ。
それでは、この県道がどこにあるんだろう?と言うことで、おなじみの地図を見てみよう。

国土地理院の電子地形図(タイル)に注釈を追記して掲載

この地図上、右側が起点である新潟県村上市大栗田字栃木沢、左側が新潟県村上市仲間町字坂下の終点になる。その間、この県道は門前川に寄り添う形で山の中に分け入っていく。特に中間地点を過ぎてからの山中に入っていく区間は、地図上で見てもいかにも「険道」と言う感じの道なんだろうなぁと言うことが、地図上でもわかる。さ、それではさっそく現地に行ってみよう!。

と言うことで、現地。ここは一般国道7号の仲間町(ちゅうげんまち)交差点。新潟市から走ってくると、旧村上市に入ってすぐほどなくしての交差点だが、ここが一般県道207号の起点だ。こうしてみると何の変哲もない、ただの街中の交差点だ。辺りは日本海東北自動車道の村上山辺里ICの近くで市街地にも近いことから、なかなか周辺も賑わっている。ここだけ見ると、とても険道とは思えないのだが…。

この交差点から県道207号に入っていくと、仲間町の交差点角にあるスーパーを過ぎたら、すぐにこんなに緑豊かな道に変貌する。先に見えるボックスカルバートは日本海東北道の本線のもので、県道のこの辺はまだまだ快走路。今回も前回と同じく車での探索なので、ゆっくり辿ることにしよう。…あのボックスカルバートを越えたら、未来へ飛んでしまうとかはないよね?。…バックトゥザフューチャーじゃあるまいし、そんなことはないか。

ボックスカルバートからしばらく走っていくと、両側に田圃が広がる非常にのどかな風景が広がる。その中を走る県道の路肩に、楽しげな看板を見つけた。それがこれだ。

「大型車通り抜けできません」

仮仕立てなのか、お手製感が満載の鉄管で組み上げた看板だが…ふむ。と言うことは4トン車は通行出来るんだな。これはすなわち「自動車通行不能区間」ではないことを意味する。しかし、道幅は狭いことを意味する看板でもある。いやぁ、この先が実に楽しみだ!。

ここは門前の集落。左側、自転車が置いてある左脇の建物は何かの待合室みたいになっていて、そこのベンチで若者が二人で話し込んでいた。この交差点は丁字路になっているが、さて県道はどっちか。ここだと思わず左に行ってしまいそうだが、正解は右に進む。そうすることで道は門前川の脇に出て、そこから呆れるほど門前川の脇を進むことになるのだ。

交差点正面の看板をアップ。この看板を見ればわかりますな。「右 大栗田」「左 耕雲寺」とある。今から私が辿ろうとする県道の路線名は「大栗田村上線」、要はここを右に進むのが正解だ。ところで、その斜め上にある「No.1カーブ いかりそう」の名称と、いかりそうのイラストが添えられた看板。これがどうも気になる。どうやらカーブに名付けられた名称らしいが、この県道は村上側が終点のはずなのに、ここがNo.1になっている。また、ここはカーブじゃなくて交差点だし、と思わずツッコんでしまった。

ま、でも、この道を楽しんでいただきたいとか、大事に思っているその感じは、私にも十分に伝わった。正直に言うと、地元の方々がこのように大事に想っている道に出くわすことはほとんどなく、道路好きからすると嬉しい限りだ。道はそこにあって当たり前じゃなく、通るためにはその道を日夜管理する人たちが必ずいるからこそ、私たちは通ることが出来るんだよ、と言うことを常に周囲の人たちに言ってきている身としては、地元の方々の道に対する愛着を感じられて、実に嬉しい。

さぁ、ここから大栗田の集落まで、
地味な県道を紹介していくレポートの始まり!。

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